ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ミィツケタ…【16話更新!!】 ( No.41 )
- 日時: 2012/07/17 14:11
- 名前: 久蘭 (ID: uWXzIoXb)
17話(巧SIDE)
「野本、何か心当たりは?」
「心当たり?」
「五十嵐、小宮、松原がいるかもしれない場所だよ。」
日室に言われ、僕は頭を回転させた。
「いそうな場所か…。」
僕たちに気づかれにくく、見つかりにくい場所。
…いつか、こんなふうに頭を働かせたことがある。
ああ…あれは、確か。
「みぃつけたっ!!」
「あーあ…。ねえ、おねえちゃん、見つかった?」
「ううん。まだ。」
「うーん、どこだろー…。」
「うーん…。」
そうだ、3人で、初めてかくれんぼした時。
こんな恐怖のかくれんぼではなく、本当に楽しいかくれんぼをした時。
「むーっ!!おねえちゃーん!!私達の負けでいいよーっ!!だから出てきてーっ!!」
「ちょっと勝手に決めないでよー…。」
「あ、ごめんね、たっくん。」
心の中に、鮮烈な痛みが走った。
「たっくん」…か。
「へへっ!!私の勝ちだねッ☆」
「もーお、おねえちゃん強ーい!!どこ隠れてたの?」
「キミの部屋だよッ☆」
「ええー?なんでたっくん気付かないのよー!!」
「ごめんごめん…ねえ、結良。さっきから変なしゃべり方してるけど、どうしたの?」
「変なしゃべり方じゃないもんっ!!ナナシさんのしゃべり方をバカにしないでよねッ☆」
「また言ってる…(・_・;)ねえ、ナナシさんって何?」
「私とお姉ちゃんがはまってるアニメのキャラクター!!すっごいかわいいんだよ!!」
…そんな会話をして、またかくれんぼして。
あの2人は隠れるのがうまかったなあ…たとえば…。
…え?
瞬間、僕ははっとした。
え?…まさか。ああ、でも…もしそうだとしたら…。
「日室…。」
「うん?」
「わかったかもしれない。」
言ってしまうと、背筋が寒くなる。でも、もしそうだとしたら。ぬいぐるみの正体が、あの子だとしたら。
なぜこんなことをするのかはわからないけれど、五十嵐、小宮さん、松原の隠された場所は、きっと…!!
「ついてきて…きっと、あそこだ。」
日室の顔が明るくなった。僕ははやる気持ちを抑えながら、2階へと向かった。
モウイイカイ
マアダダヨ
モウイイカイ
モウイイヨ
ミィツケタ…