ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ミィツケタ… ( No.9 )
- 日時: 2012/02/05 11:57
- 名前: 久蘭 (ID: uWXzIoXb)
2話
「一人かくれんぼは一人でするものでしょ。」
私は言った。みんなで一人かくれんぼしたら、「一人」じゃないし。
「う〜ん…。ま、そうなんだけどさ。だから普通のかくれんぼにあのぬいぐるみとかナイフとか取り入れるわけ。面白そうじゃね?」
「面白いかなあ…?」
私は首をひねる。すると…
「な、何…それ。」
「何だよ、それ。」
「なんや?それ。」
美羽、日室君、松原君が言った。
「え!?お前ら知らないの?一人かくれんぼ。」
「し、知らないよ…。」
「知らねえ。」
「しらへん。」
3人が言った。
「…ったく。まあ、そーいう奴らのために、俺はちゃんとやり方をコピッて来たぜ!!」
「バカじゃねえの?」
日室君が冷たくヨッシーに言う。そんなのお構いなしで、ヨッシーは得意げにコピッてきた紙をみんなに見せた。
…ってか、その紙ずっとブレザーのポケットに入れてたんだ…
++++++++++++++++++++++++++++++++
用意するもの
手足があるぬいぐるみ
ぬいぐるみに詰めることができる程度の米
爪切り
縫い針と赤い糸
刃物(包丁、カッターナイフ)、錐など、鋭利なもの
コップ一杯程度の塩水(天然塩が良いとされる)
進行方法
下準備としてぬいぐるみに名前をつけ、詰め物を全て出して代わりに米と自分の爪(切って入れる)を入れて縫い合わせる。余った糸は、ある程度ぬいぐるみに巻きつけて結ぶ。中に入れる米はぬいぐるみの内臓を、赤い糸は血管を表しているともいう。隠れ場所を決めておき、そこに塩水を用意しておく。
午前3時になったら以下の順に行動する(以下、自分の名前:○○、ぬいぐるみの名前:△△(○○以外)とする)。
1.ぬいぐるみに対して「最初の鬼は○○だから」と3回言い、浴室に行き、水を張った風呂桶にぬいぐるみを入れる。
2.家中の照明を全て消してテレビだけつけ(砂嵐の画面)、目を瞑って10秒数える。
3.刃物を持って風呂場に行き、「△△見つけた」と言って刺す。
4.「次は△△が鬼だから」または「次は△△が鬼」と言い、自分は塩水のある隠れ場所に隠れる。
終了方法
塩水を少し口に含んでから出て、ぬいぐるみを探して、コップの残りの塩水、口に含んだ塩水の順にかけ、「私の勝ち」と3回宣言して終了となる。必ずこの手順によって、1〜2時間、または2時間以内に終了させなければならない。
また、ひとりかくれんぼに使用したぬいぐるみは、最終的に燃える方法で処理する必要があるとされている。
++++++++++++++++++++++++++++++++
「ええ…そんなのやるの…。やだよ…。」
美羽はちょっと涙目になりながら言う。怖がりの美羽。お化け屋敷には絶対入らない。美羽にはちょっと無理だろう…これは。
「ふーん。」
あまり興味のなさそうな日室君。
「うわ…アカンわ五十嵐。お前、呪われてまうで。」
苦笑交じりに言う松原君。
「なんだよ、みんなやなわけ?」
「くだらねえ。」
日室君はそう言って、学食の残りを食べ始めた。
「う〜…誰か興味ある奴いないの!?」
「はーいっ!!」
「「「「「え…?」」」」」
「おお〜!!鈴野!!仲間だ!!同士だ!!」
元気よく手を挙げたのは、光里だった。
「ねえねえ、やろうよ!!楽しそう!!」
「いや全然楽しそうじゃないでしょ!!」
私は言う。楽しいわけないでしょうが!!
「なあなあ、鈴野がやるっていってるぞ!!女子がやるんだぞ!!男子、しっかりせいっ!!」
「ばーか。」
日室君が言うと、ヨッシーはくっと笑った。そして…。
「ははん…日室クン…怖いんだな?」
「はぁ!?こ、怖くなんかねえよ!!」
「今どもった〜♪こわいんでちゅか?えいちゃ〜ん♪」
「っっっ!!あーこのバカタカ!!やってやろうじゃねえかっ!!」
えー…日室君、ひっかからないでよ…。
「はぁ…しゃあないなあ。日室が行くんやったら、俺もやるわ。」
「松原がやるなら、僕もやろうかな。」
「…はぁ。わかったよ、私もやるよ。美羽はどうするの?」
「え?え〜っ…。じゃ、じゃあ、私も…?」
「よ〜し決まりっ!!7人で一人かくれんぼ、やるぞ〜っ!!」
…どうして、この時、参加してしまったのか。
それは、この時点では、わからなかった…。
モウイイカイ
マアダダヨ
モウイイカイ
モウイイヨ
ミィツケタ…