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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: トワイライト・カーニバル ( No.5 )
- 日時: 2012/04/02 16:12
- 名前: 織也 (ID: l0EYH8mH)
Episode05;Language
『いい?!藤崎さんとはもう関わっちゃだめよ!!』
昼休みにゆづきは俺にそう言った。しかし・・・・・。
「いや悪いな〜芹沢。こんな荷物持ちみたいなことさせてしまって」
「い、いえ。これくらい当然ですよ」
「物理係にこのノートの束全部を一人じゃ運べないからなぁ、じゃあ藤崎、後は頼んだぞ」
「・・・・・・・・・わかりました」
いきなり関わる羽目になってしまったのだが。
『・・・まあ、藤崎さん無口みたいだし、こちらから話しかけなければ大丈夫だろう・・・・・・』
「・・・私とそんなに話したくないの?」
「!!!!!!!!!」
また、だ。
なぜ俺の考えていることがわかるんだ・・・?
「・・・別に、話したくないのならそれでいいいけど・・・・」
「あ、いや、そういうわけじゃ・・・・・すまない」
会話が途絶え、二人の間に気まずい空気が流れる。
「・・・・なぜ、俺の考えていることがわかるんだ?」
「・・・<なぜ>」
詠律は暁の言葉を繰り返した。
暁の瞳を覗き込む。
「言葉は、<私>だから」
「・・・・・」
「言葉は私、私は言葉、だから、理解の範囲を超えるものではないの」
・・・・・・・。
さっぱりわからない。
「わからなければそれでいい。無理に理解する必要もないのだから」
「・・・・・・・・君は一体・・・」
詠律は少し口角を上げて言う。
「私は、藤崎 詠律。それ以外の何者でもない・・・・・」
詠律の言葉が、<彼女自身>が、暁の中に溶け込んでいく。
二人の間に、距離はなかった。
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