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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 魔人ラプソディ プロローグ ( No.1 )
- 日時: 2012/03/16 12:42
- 名前: sora ◆vcRbhehpKE (ID: k5KQofO8)
#Prologue 祭典のはじまりは、カニバリズム
・人間の、女の肉はおいしい。
・特にふとももがうまい。柔らかくて、それでいて歯ごたえがある。
・男の肉は筋っぽくてあまりおいしくはない。
・ただ内臓は独特の噛み応えがある。病気でぼろぼろになった内臓はごめんだが。
・毎日同じものでは飽きてしまうから、たまには人間の男を食べてもいいかもしれない。
・でも、基本的に食べるのは人間の女にしよう。
電気をつけていない暗い部屋の、開きっぱなしで机の上に置き去りにされた手帳。
それには淡々と、箇条書きでそう綴られていた。
整った綺麗な字だ。
まるで楽しかったことを日記に書き留めるかのように書かれている。
きっと普通の人であれば、背筋にうすら寒いモノがはしるようなことが。
ちょうつがいが軋んだ音を立てて、部屋の扉が開く。暗い部屋に少年がはいってきた。
少年はハンガーにかけられた上着をとって、袖を通すと
机の上の手帳に手を伸ばして、胸ポケットにしまってしまう。
そして、少年は部屋から出て行った。
まるでこれから外食にでも行くような、軽い足取りで。
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