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- Re: 【短編小説集】青いモグラ編第一目更新 ( No.2 )
- 日時: 2012/02/11 10:25
- 名前: 黄色いモグラ ◆IV4ouvA9f6 (ID: nOs1EgCw)
「青いモグラ」編
第二目 −不穏な空気−
「あら、お友達もう帰っちゃったの?せっかくお茶菓子用意したのに…」
「うーん」
面倒くさそうに返事する僕に、母は言う。
「まぁ、あんたがパソコンなんて珍しいわね。やるのはいいけど、宿題もしっかりやりなさいよ」
「もー、そんなのとっくに終わってるよ」
「ふーん。ならいいけど」
相変わらず面倒くさい母親だ。それが態度か声に出てしまったのか…
いつの間にか、僕は母に叱られていた。
(圭太君だよね?ちょっと質問があるんだけど)
(おお、モルおか。ちゃんと黒いキツネでわかったか。)
(アニマルポイントってどうやって貯めるの?)
(色々あるけど、初心者はミニゲームで稼ぐといいな。ミニゲーム館へ行ってみろよ)
(あとさ、おしゃべり部屋買うのって、何アニマル必要なんだっけ?)
…
返事は無い。
(圭太君?)
いくら待っても、返事が来ることは無かった。
「どうしたんだろ?明日聞けばいいか」
翌日、登校すると、驚くべき知らせが待ち受けていた。
「鈴木圭太君ですが、転校することになったそうです」
えっ!?
「圭太が転校だって、そんな話あたしら聞いてないよね」
「うん、そういえば昨日、アニマルズで話してたら、急に返事が来なくなって…」
「急な話ですが、皆さん、これからはそういうことで宜しくお願いします」
先生は、別の話に入ったが、僕たちにはそんな話は耳に入ってこなかった。
「返事が来ないってどういうこと?」
「わからないけど…転校の事と関係あるのかな…」
ふと見ると、飯田が、真っ青な顔をして、なにかぶつぶつ言っている。
「ど、どしたの!?」
飯田は、まるで聞こえていないように、ぶつぶつ言い続ける。
「飯田、保健室行くか?」
飯田は、卓也におぶられて、保健室へ行った。
「飯田君、圭太と仲良かったから… ショックだったのかな」
ニモが言う。しかし、僕にはあのぶつぶつが少しだけ聞き取れた。
青いモグラにやられたんだ!
と…
(しごrmにhじょ@skhだfhk)
と、僕に青いモグラが話しかけてきた。ハンドルネームは…、無い。
(あの、何ですか?)
そう打とうとしたが、返信ボタンがクリックできない。クリックしても、反応しないのだ。
「なんだろう、手の込んだ嫌がらせか?」
そのときはっと気が付いた。青いモグラ、それは飯田が言っていた…
そして僕は、黄色いネコに、こう話しかけた。
(ニモ、青いモグラについて、何か知ってる?)
(あ、モルちゃん?青いモグラ…あ!知ってる。話しかけられると、三日以内に死ぬって言うあれでしょ?)
!!
一瞬、心臓が止まるかと思った。だってさっき話しかけられたのだ。
(詳しく聞かせて)
このときのタイピングは何故か、いつもの二倍は速かった。
(青いモグラ、ハンドルネームは無くって、話しかけられる時、暗号みたいな、それかデタラメに打ったような文字で話しかけられて、話しかけられた人は、三日以内に死ぬってやつ)
(わかった、ありがとう)
その後、僕は自らに迫る死の恐怖に、何もする気が起きなかった。