ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: EndsStory ( No.1 )
- 日時: 2012/02/10 15:48
- 名前: WhiteTiger (ID: J1W6A8bP)
No.1 [2番目の子の憂い]
この果てしない穴は君がいた所 なかなか埋まらない空虚
あの時わかってた 君がいなくなること なのに救おうとしなかった
9つの頃見えるようになった「死」が
君と、母と呼んでた人の所にいて これから起こることを示してた
炎がまきおこり 君たちはのまれてった 「赤目狩り」だった
私たち いつも5人で一つだったけど
「お兄ちゃんに近づいちゃだめ!」
私知ってた 「死」がいる所に行ったら 死ぬ
炎を消しに行こうとする3人の服をつかんで 逃げた
この果てしない闇に君は落ちてった手を伸ばしても底のない空虚
ホントは逆らいたかった 君がいなくなることに 穴あきの胸が痛いのは罰かな
ある日私は聞いた「死者を待つ町」のこと
私たちが住む廃墟のより 少し東よりの所
そこで待ってれば 大切な人が戻るって
私は3人を連れて そこに行った
私と同じ人がいっぱいいた 100年待ってる人もいた
この町では 生きてるものは成長も老いもしない
ここに持ってきた花も枯れることはない 素敵な町 静かな町
4人の子を亡くした仕立屋は服をプレゼントしてくれた
戻ってくる子達のため 今日も服を縫う
この底なしの穴から君が帰ってきたらぴたりと埋まる空虚
私も待とう その時きっと私は何も変わってない
君を時の流れに置いてったりしない
ある日誰かの大切な人が戻ってきた
何も覚えてないみたいだったけど 待ってた人の頬に涙が流れた うれしそうだった
3番目の子は言った「あれは ちがう」
よく見ると戻ってきた人 あの頃の私たちと同じ服 胸元には CL の文字と15ってナンバー
仕立屋に尋ねてみた 戻ってきたのは何人目か
仕立屋は答えた 10人目だと 戻ってくるようになったのは ここ数年だと
私の頬にも涙が流れた みんな嘘だったんだ
この果てしない穴は君がいた所 永遠に埋まらない
あの時わかってた 心のはしっこできっと
3番目の子はここに来る前から変だと思ってたけど 私のために黙ってたんだ
3番目の子はみんなに ホントのことを教えてあげた
みんなは怒った 嘘だといった その子は悪くないのに
責められてその子は言った
「死んだ人間が戻ってくるワケないでしょ!!」
その夜 気分がすっきりしないからと その子は散歩にでた
私は上の階から あるいてくのを見てた その子の前を「死」があるいてた
私は初めて 見える運命に逆らおうとして 追いかけた
行かないで 行かないで
あの人たちがその子を取り囲んでた
静かな町 静かに燃える 憎しみの渦
果てしない穴が もう1つ 広がった そこから「炎」が噴き上がる 憎い憎い憎い
そして私は あの人たちを大切な人の元に送ってっやった
真紅の海に沈む大切な妹 もう動かない
この町で動くのは たぶん私と さわぎを聞いて来た 4番目の子と5番目の子だけ
2人は泣くこともできずに 静かな町 とても とても静かな町
妹を殺したのはあの人たちの「炎」で私のも同じで
あの人たちの中の大切な人を殺したのは 妹の言葉で
何が正しいのか 分からない
私たちは銀色の街に戻った ゲートで待ってる男がいた「おかえり」
