ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: EndsStory ( No.3 )
日時: 2012/02/10 16:38
名前: WhiteTiger (ID: J1W6A8bP)

この「夢」を作ったのも銀色の街の大人だった
銀色の街に住んでた親がこの赤レンガの街に俺を捨てた 死にかけの俺を拾った男
そいつは「夢」で人を殺そうとして銀色の街を追放され ここで俺に出会った
しばらくそいつは俺を養ってくれた でもそいつも現実を受け入れられずに
何やら自分を責めたり ひたすら謝ったり かと思えば怒ったり
最後なんかイカレて 俺を昔飼ってた犬と思い込んで
どっかから持ってきた首輪をはめて 家の前につないだ

雨が降ったのがせめてもの救いだった のどの渇きで死ぬことは無かった
男は今度は「犬」の存在も忘れて 家に籠もっていた 何日もずっと
時々うめき声が聞こえた 嫌な声だった 最初は良い奴だったのにな

そんな時に銀色の街から肝試しの子供が群れを成してやってきた
奴らは俺を見た途端オバケだって騒いで角の向こうに引っ込んだけど
その内の1人が言ったのだ
「あの首輪オレんちの犬のだ」
なんだこいつ なんで犬の真似なんかやってんだ そう言って奴らは
笑って寄ってたかって 殴ったり蹴ったりして 最後に首輪を引きちぎって行った
忘れもしない 1人1人のあの嫌な笑み

せっかく首輪が取れたのに痛くて1日くらい動けなかった
動けるようになったら俺は男を「夢」で眠らせてやった
お前のうめき声は二度と聴きたくないと

オレのゲームは奴らと違って画面の中じゃない
警察に見つからないよう 死の注射を配って 家に帰ってこられたらミッションクリア
みんなみんな死んでしまえ 銀色の街なんて滅んでしまえ

少年の憎しみは このゲームだけでは収まらなかった
「夢」が底をついた日 少年は家の裏に捨ててあった 大きな鎌を手に取った
サンタクロースのゲーム
今度はサンタの赤い服を取りに行くゲームだ
赤い 赤い 赤い服