ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 地獄のゲームをハジメヨウカ ( No.6 )
- 日時: 2012/02/19 19:46
- 名前: あずさ ◆r39666tJr2 (ID: 9FUTKoq7)
第2話
俺たちの通ってる中学は虐めが多い、と黒いうわさがたってる学校だった。外から見たらそうかもしれない。見かけの悪そうなやつが見かけおとなしそうな奴にちょっかいをかける=虐めと勘違いしている人もいる。
だが俺らのクラスは完璧に虐めのない平和なクラスだ。そう…それは昨日までだ。
いつものようにクラスに入る。するといきなりの罵声があちこちからある1人の子にむかってあびせられる。そのこはずっと顔をうつむかせていた。名前は白石 和子。
1年前この学校に転校してきた子だ。見た目もおとなしければ性格もおとなしい…。だがこのこはすごく不思議でというより変わってるかもしれない。そのこは昨日、「転校前の学校で人を殺した」と言い張ったのだ。そのことがきっかけでそのこは虐められるきっかけとなった。
つまり自分で自分の虐められる原因を作ってしまったということだ。
俺は助けるべきか、ではないべきか考えた。いつものように遊馬と日奈が俺の元に駆け寄る。
「拓真!おはよ!今朝は昨日よりやばくね?祐二の奴、みてみろよ」
俺はいわれるままに祐二の方を見ると祐二はカッターナイフを片手に白石に近づいていく。俺はとっさに白石の名前を呼んでいた。
「白石!!!逃げろ!」
「拓真は黙ってろ!白石…お前うぜぇんだよ。死ねよ…お前なんて」
俺の声を遮り祐二はカッターナイフの刃を白石のか細い腕に突き刺した。深く刺したらしく肉の切れる音がする。
ジュルルルル
俺は耳を塞ぎたいほどだった。白石はスンともウンともいわずずっと顔をうつむかせたままだ。祐二は狂った目で白石に近づく。その時白石が急に大声で泣き出しその場を立ち去った。教室にいる皆の視線が一斉に祐二に向けられる。
「あぁ…祐二くんやっちゃったね…。」
日奈が泣きそうな震える声で呟く。俺には関係ないとでもいうような顔で祐二が俺にカッターナイフを見せながらいった。
「俺はわるくねぇ!わるくねぇからな!拓真!」
どうしてそれを俺にいうんだ…?あ、そうか。俺が止めたから…。
日奈が俺の前にたって大きく手を広げながら言う。
「たっくんは悪くないの!たっくんまで傷つけないで!白石さんに謝って!」
「…ッチ」
さすがに女の言葉に反感をもつ気にもならないのか祐二がポケットにてをいれたまま教室から立ち去った。後に残った空気は陰険な空気だけだった。
「あいつ、白石に謝るのかなー」
遊馬が心配そうな顔で俺の顔を覗き込みながらいった。
俺が思うに多分、祐二は白石に謝ったりなんて…しないと思う。
俺の脳裏にある思考が浮かび上がった。
「白石を…殺す?」
ハッ!!しまった…。脳内で考えてたことがつい口にでてしまった。
俺ってマジで馬鹿だ…。日奈や遊馬だって不審な目で俺を見てる。どうにかこの場を凌ぐ方法を考えないと…。俺があれこれ考えているうちグラウンドから雄叫びが聞こえた。
「な、何の音だ!?」
「いってみる?」
日奈が俺の手をとって1回の廊下側の窓に走っていく。どうして1階なんだ?と思ったがやっと事の状況を理解した。何者かが割ったから。1階しかないのだろう。後から遊馬やほかの奴らも後ろからついてきて、色んな窓からグラウンドを見下ろした。
「キャァァァァァァァァッ!!!!!!」
岡田千恵が顔を真っ青にさせ悲鳴をあげながらある焦点を指差す。
そこで皆がみた光景は確実に残酷な光景だった。
白石が大きな鎌を祐二の体に振り下ろしている。祐二の顔はもうぐちょぐょだ。遠くから見てもその悲惨な状況はわかる。赤い液体が祐二のあちこちから流れでている。その時、鎌を振り下ろそうとしている白石と
俺の目があった。遠くからだしそれに皆いるからほかの奴かとはじめはおもったが絶対違う。だって白石の視点は俺の方をむいていたからだ。目を何度こすっても同じだ。それにこの階は1階だからグラウンドはよく見える。
白石は俺と目があうとニタァっと笑って鎌を振り下ろした。
「た、たっくん…!!」
横で日奈が怯えた目をしながら俺の名前をよぶ。
俺は落ち着いた口調で静かに言った。
「日奈…、これは確実に殺人だ…」
