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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: bad doream. ( No.3 )
- 日時: 2012/03/03 19:43
- 名前: 程銀 (ID: 8HOrgkFF)
Round.1‐2
「ねーッ!ユリ、ユリっ!遥って煩いよねーッ!?」
古典の授業の後の休み時間、夢の世界に陥ろうとしていたユリを、肩を揺すってが起こした。
「んん…?」
「あー、寝てた!?ごめんごめん、でさ、遥ってめっちゃ煩いよねッ!」
成績の悪い男子とつるんでいた遥が、あんまりにうざったくて罵声を浴びせたのだ、あたしが。
「煩くねえしッ!ちょっとふざけてただけだろ!?」
「それが煩いって言ってんのッ!ね、ユリ、どう思う!?」
ユリはスローモーションに頭を起こし、眠気覚ましの目薬をワイシャツの胸ポケットから取り出して両目にうつ。
そのモーションにすらうっとりしているのに気づいて、慌てて頭を切り替える。
「なーっ、ユリ、俺煩くねえよなっ?」
「…遥、煩い」
「一蹴!?」
「ほらみろッ!!」
「ん…遥煩い」
「二回目!?」
酷い、と遥がユリの机に突っ伏す。
「ねえ、如月さん」
「あっ…と、何?」
うあ、ユリが自分からあたしに話を振るのか、何てレアな。
「最近、何か…変わったこと、ない?」
「え?何で?別にないけど…」
「そう…じゃあ、いいんだ。ごめん、変なこと聞いて…」
「いや、いいよ?」
どうしたんだ、急に。
休み時間は大体寝てて、あたしとの会話なんて殆どないのに。
家がちょっと近所なだけなのに、何か話も可笑しいし。
「何かあったの?」
「ううん、そうじゃない…けど」
「そ?」
また眠くなってきたのか、うとうとと目を瞬きし始めた。
この子の目薬による目覚まし期間は非常に短い。
「なあ、ユリ、俺ってそんなに煩いー?」
「うん。…それなのに頭いいのがむかつく」
「ひどッ!」
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