ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Sense Of ∀res-センス・オブ・アレス- ( No.2 )
- 日時: 2012/03/07 09:18
- 名前: ハヤシライスのハヤシは、「林」じゃない (ID: vgnz77PS)
「瀬中?携帯鳴ってたわよ。瀬中らしくないわね、食卓に携帯忘れていくなんて。何時も肌身離さず持ってるのに」
「え?」
瀬中はスウェットパーカーのポケットを両手で上から押さえつけるように触る
(いつのまに…)「あ、ありがとう」
「電気ぐらいつけなさいよ」
「うん」
母は退室した
「おかしいな……」
【戦闘を始めます】
【チュートリアル】
【まずたたかうコマンドを選択してください】
「なんかF●みたいだな」
瀬中はたたかうコマンドを選択した
すると画面上の剣士が剣を持って魔法使いヒデキに向かって走り出した
そして切りつけた
23、という白い数字がフワッと現れては消えた
「思い切りF●だな」
【魔法使いヒデキはフォゴを唱えた】
「ふぉご?」
ぼうっと音を立て、剣士セナカは燃えだした
「炎の魔法か…ぜんぜん分らなかった」
それからたたかっては魔法を唱えられ、戦っては唱えられを繰り返し
なんとか剣士セナカは戦闘に勝利した
【戦闘に勝利した】
【賠償金として500A手に入れた】
【経験値として…
「500アンペア?このゲームの何が面白いんだ?セーブして止めよう」
瀬中はセーブしてパソコンの電源を切って寝た
(あれが世界を巻き込んで人気を及ぼしているオンラインゲームなんて信じれんぞ…明日学校でも聞いてみるか)
**********
朝日がカーテンの隙間から差し込んでくる
目ざましが鳴る
何回目のスヌーズだろうか…
「朝!?支度しなきゃ!!」
何時もより朝ご飯の噛む回数を少なくした
何時もより自転車をこぐスピードを早くした
瀬中の通う学校は公立進学校
偏差値は中の上
「おはよ〜」
「おい瀬中!遅いよ!見たこれ?」
「なんだよ貴壱あさからスマホふりまわすなよ」
紅園 貴壱(べにぞの きいち)、瀬中の親友
「これ、∀resがニュースになってるんだよ」
「あ、これ昨日はじめたばっかりだよ俺」
「まじか?パーティー組もうぜ!!…違うんだよこれほら、次世代ゲーム機の会社≪4tune(フォーチュン)≫と∀resが共同制作して新しいゲームを作ったんだよ。その名も≪THE∀res(ジアレス)≫!!」
「(あんまりかわって無いじゃん…)あ、課外始まる。その話また聞かせて!」
そういって自分の席に着いて、課外を受けた
でも課外の最中はその4tuneと∀resのことで頭がいっぱいだった
先生に何度もボーっとするなと言われた
ということさえもボーっとしていて聞いていなかった
課外が終わった
「貴壱、そのゲームってまた登録とか必要なんだろ?」
「いやそれはまだ分からないんだよな…引き継ぎとかあるなら…」
早く帰りたい
瀬中はそんな衝動にかられた