ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 3.11 その日私は大切なものを失った ( No.2 )
日時: 2012/03/11 19:53
名前: 空 (ID: 4olN.zSL)

 第1話 〜震災の前日〜

その日、私はとても浮かれていた。

「優〜。明日は何の日か知ってる〜??」

「…知ってるけど。」

「何でしょう?」

「…日和の誕生日でしょ?」

「うん♪」

学校が終わり、日和こと私は友達の優と一緒に帰っていた。

「知ってるけどたんプレはあげない。」

——!!?驚き発言!

「嘘でしょ!?私1月に優の分を渡したじゃん!?」

「等価交換っていいたいの?古い古い。」

「本当に言ってるっ!?そりゃ鋼の●金術師はとっくにおわったケド…。」

「うん。マジの嘘(^^)」

にっこり笑って優は言った。マジなんだ…ってあれ?

「うそかいっ!!」

思わず手もつけてつっこむ。ビシーッと。

「大丈夫大丈夫。もう用意してあるから。」

「心配した〜。」

ホッと胸をおろす。

「ん。じゃあまた明日。」

「うん。明日を楽しみにしてるね♪きっと豪華なものくれるんだろうから♪」

私はにっこりと笑って言った。その瞬間、優の動きが止まる。そして私の方を向いて言った。

「……冗談?」

「ううん。マジ。」

優の顔が引きつる。豪華なもの…という単語が響いたんだと思う。

「アハハハハハ。」

——笑いながら優は帰って行った。

「きっとごまかしてるよね。」

丸分かりの行動を見届けて私も家に帰ることにした。