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Re: 3.11 その日私は大切なものを失った 震災の方々へメッセー ( No.6 )
日時: 2012/03/13 19:08
名前: 空 (ID: eK4vc3Ov)

第2話 〜震災の前日〜(前回の続き)

「ただいま〜。」

もう一回そう言って私は家の中に入った。靴を脱いでリビングへ。

「アハッ。お姉ちゃんお帰りなさい。…クスクス…。」

ソファに座っている妹の菜々がゲームをしながらこちらを見ずに私に向かって言う。

「ちょっと?笑いすぎでしょ…(怒)」

私は菜々に近づく。すると、菜々が私の今からすることに気付いたのかこちらを向く。

「や…やだな。お姉ちゃん、私…笑ってないよ?」

「…そう?」

ポカッ。私は菜々をたたく。菜々はゲーム機を置いて頭を抱える。

「〜〜!!ヒドイ!私笑ってないのにっ!」

「うるさい。私に丸ぎこえだったって。」

「嘘!?もっと小さく笑えば気付かれなかったの?」

クス…。私は思わず笑ってしまう。

「な…なんなのかな?お姉ちゃん、おかしいよ?」

菜々が少し裏声で私に訊く。

「うん♪おかしいわけじゃないよ。だって笑えるんだもん。」

「????」

「だから、菜々はさっき自爆したから。」

「……?自爆って…あぁ!?」

菜々の顔から血の気が引いていく。…そう、菜々は「もっと小さく笑えば…」と言ったのだから、笑ったことに変わりはない。えっへん!