ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 3.11 その日私は大切なものを失った 震災の方々へメッセー ( No.8 )
日時: 2012/03/15 23:06
名前: 空 (ID: /Vy8nCGH)

 第3話 〜震災前日 朝〜(前回の続き)

「誕生日おめでと…ファ〜。」

お父さんは眠たそうに私にそう言った。…ちゃんと言えてないけど…。

「何が今日は食べたいかい?」

「ん〜?」

お父さんがにっこりと笑って私に訊いた。…少し考える。そして、私は食べたい物を言った。

「新鮮な刺身が食べたいかな。」

「ハハッ。こっちにはそんなに来ないからなぁ。」

——そう。私たちがいるのは福島県の山の方。海とはかけ離れていて、刺身など滅多に食べられない。だからこそ、私は食べたかった。

「なんでもおまかせでいいかい?」

「うん。おいしいのを選んでね!」

「はいはい。じゃあ母さんと一緒にとびきりのやつを選んでくるかな。」

「よろしく♪楽しみにしてるね、夕飯。」

私はそう言って朝ごはんを食べた。


「おはよ〜。」

「Happy…バースディー日和。」

「…何故に英語とカタカナが混ざったの?」

「いや〜つづりが分かんなくて…^^」

ハァァ…。思わずため息が出る。バースディーのつづりが分かんないなんて…。

——といっても私も分かんないけど。