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Re: 俺がおカしクなったあの日 ( No.13 )
日時: 2012/03/23 20:43
名前: 下母 (ID: SDJp1hu/)



……

「ギャハハハハッ!!!!!」


嫌な笑い声で目が覚めた
まだ半分寝ぼけている頭を声の方向に向けようとするとチャリッと音がして動けない

「…?あ?んだこれ」

よく見るとどうやら首を犬みたいに繋がれているらしい
状況が理解できな…

「ハハハ…ん?起きたのかァ、どうだァ?犬に生まれ変わった気分は?ギャハハハッ」

隣を見ると同じく首輪が繋がれていて何故か下半身がないオオカミが笑っていた

うぇ…銃弾の跡は治ってるのに今度は下半身かよ…

「…なぁ、なんで俺もお前も繋がれ…ってか下半身どこいった」

「ククク…それが聞いてくれよォ俺達どうやらあンのババァに捕まっちゃったみてェだ。俺は足が速いのが自慢だからサ、すぐ逃げようとしたのに下半身をやられちまったら走ろうにも走られねェよなァ?」

「は?ババァ?あ…そうだ俺おばあさんに多分頭殴られて気絶したんだっけ」

「ププ…頭殴られただけでテメェ気絶しちゃったの?ひ弱だねェ。ま、俺には関係ない事だけど」

「関係ないってお前も繋がれてんじゃん」

「だァかァらァ俺達は自動回復だっての」

「ミンチにもなれない程潰されても回復すんの?」

「……………」

オオカミと普通に会話している自分に引きながらとりあえず脱出方法を考える

ここはどうやら地下室の様で埃くさい、上からは誰が歩いているのか時々キシキシと音がした

「おいィ、生きてるかァ?」

自動回復しない可能性に不安を感じたのか若干あせりを見せるオオカミ

「生きてるよ…なんとか脱出方法を考えなくちゃな…アンタその長い爪で首輪切れねぇの?」

「ハッそんな事できたらとっくにやってるっつのォ。なんでかわかんねェが切れねェわ。まぁあのババァが作った首輪だからすっごい頑丈なんだろうなァ」

「すっごい頑丈て…適当か。ばあさんそんなにすごいの?そこら辺にいるババァにしか見えなかったが…」

「バッカ、人は見かけによらねェんだよ。いいかァ?あのババァは異常だ。異常なくらい赤ずきんに執着していて近づくものには容赦ない変態だ」

「へ…へぇ。変態ってお前も言えないけどな」

「俺が変態ィ!?お前自分が何言ってんのかわかってんのかァ!?俺が変態ならこの世界の肉食動物全部変態って言ってるのと同じだぞ」

「あー…そうかあんた獣だっけ…」

「そうかってなんだそうかって!?俺は立派なオオカミだっつの」

「言葉を発するオオカミなんざ世界でお前だけだと思う」

「マジか。って事は俺はオオカミじゃないかもしれん」

「…」


その後も半分脱出方法、半分雑談をしているとオオカミがふと顔をピクッと上げ俺の方に顔を向けた

「なァ、なァ。」

「あ?何?」

「お前サ。この世界の事何も知らねェから教えてやるよ。
 だから俺にいい物くんね?」

「はぁ?いい物?俺手ぶらだっつの」

「いいからいいから話聞けって」

そう言って語り始めるオオカミ
俺の意見はシカトか