ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 俺がおカしクなったあの日 ( No.15 )
- 日時: 2012/03/23 20:39
- 名前: 下母 (ID: SDJp1hu/)
「俺ってオオカミじゃん?人食いじゃん?だからさァお肉が柔らかそうな赤ずきんをずっと追ってるんだけどよォ。あの銃士だよあの銃士!もうすぐの所でいっつも赤ずきんを撃って邪魔するんだよォ!思い出しただけでも腹立つ!!」
そう言ってうめき声を上げる、正直言って俺も食われないか不安になる
「な…なんで赤ずきんを撃つんだよ?」
「あァ?そりゃ赤ずきんが俺に食べられないようにするんだよォ。穴だらけにしちまったら極上肉の量が少なくなるだろォ?だからいつも食べられないんだよォ…」
「他の物食えばいいのに」
「ハッ俺はグルメなんだよォそこら辺のオオカミと同じにしないでくれるゥ?あー…腹減ったァ」
「まさかとは思うけど俺を食わないだろうな?」
それを聞いて勢いよく噴き出すオオカミ
「ククク…生憎だが野郎を食う趣味はねェなァ…ま、安心しろや」
「あぁ、そうか。じゃあ続けて」
「それで後は誰がいたっけなァ…ババァか。ババァは監禁癖があってなァ気に入らないやつがいたら地下室にぶっこむんだよォ困った老いぼれだよなァ?俺が捕まったのはこれで確か1029回目だ」
…そんなに!?ってツッコむ気力もない俺をよそにリズムよく話し続ける
「今までどうやって逃げたんだよ?」
「あァ、いつも赤ずきんが夜こっそり助けてくれんだよォ優しいだろォ?だから助けられた日だけは食わないって決めてんだ俺もかなり優しいだろォ?」
「…」
「だから待ってれば今日も助かるだろ。後は…」
「赤ずきんのお母さんみたいな人いたよな。あれ誰?」
「あーっそうだなァあいつがいたなァただの親バカだよ親バカ、はい説明終わり!!」
「最後雑じゃね?まぁありがと。じゃあ夜まで俺は寝てるおやすみ」
そう言って目をつぶろうとすると勢いよくつっかかてきた
「おいおいおいおいおいィ!!なんでそうなったァ!?俺だけ損してんじゃねぇかァ!?いい物よこせェェェッ!!!!!」
「いっ…いい物つっても手ぶらだっつってんじゃん!!」
「大丈夫大丈夫簡単だから簡単!!!!!お前家出してくんね!?」
「……は?」
「だァかァらァ家出!家出してよォ」
「なっなんで俺が家出しなくちゃならねぇんだよ、お前なんも得してねぇじゃん」
「得する!得するよォ!!家出してくれたらすべて教えてやるから家出しろ!!!!」
夢の中で指図される俺…今更あの家を出ようとは思わないし、出たって俺の居場所はどこにもない
「…家出先を教えてくれたらしてやるよ」
「えっマジィ!?やった!!!!!じゃあお前ちょっと寝ろ!!なっ!?寝ろ!!」
「…」
いちいち反論するのもめんどくさい。そもそも俺は反論に慣れてない。
とりあえずオオカミの指示通り瞼を閉じ深い眠りにつく
そして目を覚めると見慣れた自室の天井が目に入った
「…覚めたか」