ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 俺がおカしクなったあの日 ( No.18 )
- 日時: 2012/03/24 20:50
- 名前: 下母 (ID: SDJp1hu/)
ぼーっとついていってたせいか気付いたら知らない所にいた
「あれ、ここどこ?」
「どこって言われても家出先に行ってるんだよォ
お前ずっと何も考えてなかったろォ」
「あー悪い…で、まだ着かないか?」
「…もうすぐだよォ」
猫なで声でそう言うと突然俺の両目に手をかぶせてきた
「!?…っなにすっ…」
「いやァお前を驚かせたくてな、目伏せててよォ」
「そういうのいらな…」
「いいから伏せる!!!!!」
「…」
俺が目を瞑るとグイッと手を引いてまた歩きはじめる
どんどんと地面がゴツゴツして来たのを足下で感じた
「まだなのかよ」
「ククク…まァ慌てなさんな。もうすぐサ…もうすぐもうすぐ…」
そしてピタリと足を止めると足音を聞く限りどうやら俺の後ろに回ったようだ
「さァ、着いたよォ。ここが君のつらい現実からの脱出場所さァ」
「やっとかよ、もう目を開けていいよな?」
「いいよォいいよォ、さァーんにィーいいィーち」
いつまでこんな茶番に付き合わなければならないんだ…
うんざりしながらも目を開ける
「……え?」
その光景に思わず俺は呆けた声を上げた
「な…なんで崖の上……?」
そこはドラマとかでよく見る崖の上で底が見えないほどの高い位置に立っていた
「なんでって…大丈夫すぐ終わるよォ…すぐ済むからさァ…今までよく頑張ったよ。でももう頑張らなくていいよォ?
俺もお前もつらいだけだよォ」
こいつ何言って…
「ププ…じャあねェ?」
反論する暇なく後ろから思いっきり突き飛ばされ真っ逆さまに落ちた
「ギャハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!!」
耳障りな高笑いが俺の耳いっぱいに響く
これも夢なのか?夢なんだろう?ギリギリの所で覚めるんだろう?
あぁなんて悪夢だまったく。いい加減にしてくれ。
気が遠くなっていく俺は深い深い底に落ちて行った
…
……
「………………うぼぅわぁあっ!!」
「なんだその悲鳴キッモォ」
汗だくで目を覚ますと見慣れたオオカミが横に座っていた
え…?あれ…?え…?夢?え…!?
「悪夢でも見たのかィ?」
あ、そうだ俺を突き飛ばした奴こいつに似てるんだ。顔とか喋り方とか
「もうすぐ赤ずきんが助けに来るだろ、もうちょっとの辛抱だなァ」
オオカミはケラケラと調子のいい笑い声を上げた
「なぁ…これって俺の夢の中なんだろ?」
それを聞くとまるで俺がそう言うのを予測してたかのように即答で答えた
「ククク…どうだろうかなァ?もしかしたら夢でも現実でもない何かかもしれないなァ?ヒャハハッ」
「…聞いた俺が悪かった」
もうコイツと喋るの嫌だ…