ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 俺がおカしクなったあの日 ( No.22 )
日時: 2012/03/26 23:08
名前: 下母 (ID: SDJp1hu/)


カツカツといつもの階段を上がっていく
目の前には板垣がいるけど別に話しかけるつもりはないので一定のスピードで進む

「…あれ?」

確か俺は3階まで上がったはずだ。
ここが最上階なはずなのに上にはさらに階段があった

しかもさっきまでぼーっとしていて気が付かなかったが人がいない。
時計は無いけど板垣がおはようと挨拶してたんだから朝なはず。
…そうだ板垣はどこに行った!?

俺は目の前にいた板垣を見た
板垣は3階を無視してどんどんと階段を上がっている

「おっ…おい!待てよ!!俺たちの教室は3階だろ!?」

すると板垣はピタッとこっちを振り向く

「…俺…たち?」

「?」

「あっははははははっ!!俺達ぃ!?なんだそれ。お前の教室は3階じゃねぇよ。…こっちだろ?」

二ィと笑って見せゆらゆらとこっちに近づいてくる様はまるで人間ではない何かのようで俺は後ずさる

「お前の教室は、こ・こ・だ・よ」

そしてドンッと後ろに押され、体制を崩した俺は床に手をつきその場から逃げようとした次の瞬間

床がぽっかりなくなり真っ暗な闇が現れ。なすすべなしに深い穴の中に落ちて行った



……

「あ」

「は?」

まず目に入ったのは黄金の様な長髪
ムクッと起き上るとその長髪の正体は赤ずきんぐらいの小さな女の子だった

可愛らしい水色のワンピースを着ていて目をパチクリさしている

「え…っと…ここは?」

「うわぁっ!!!!!!」

「えっ!?何!?」

てっきり驚かれたのかと思ったらピョンピョンと嬉しそうに飛び跳ねてうわぁうわぁと連呼しだす

「あなた、わたし、よく似てる!同じ。種族?」

外国人の様な話し方…
ってか似てるってどこがだろう…種族って何だ

「あなた、皆に、見せたい。ついてくる。喜ぶ。今日も誕生日じゃない日。」

「は…?…はぁ?」

わけもわからずその女の子に手をひかれついていくと
どんどんと洋館が増えていきテレビで見たイタリアの様な場所についた

そのイタリアの様な街を歩いているのは全員人ではなく
擬人化のような奴や、木がニョキニョキと歩いてたり、動物が二足歩行で歩いてたりした。

とりあえず夢だこれは夢だ昏睡状態だ
目を合わせちゃだめだ見えない何も見えない、人と牛が合体したような奴が歩いてるけど何も見えないもん

「ここ。異人ストリート言う。きっと気に入る。私の友達。紹介する。ちょっと歩く」

異人ストリートとかいう町から出ると今度は迷路の様な場所に入っていった

薔薇がいくつも重ねあった壁、異常じゃない数の分かれ道を何の迷いもなく黙々と進んでいく

すると次第に甘い匂いがしてきた。

「あの。甘い匂いのする方。行く。甘い匂いしてきたら。違うところ。行くの。駄目。甘い匂い。いろんな所でする。今日はこっちだから。こっち来る」

「甘い匂いしてない方行ったら何かあんの?」

「うん。あのね。パイをたべたら。首とられる。首が欲しいから。わざと食べさしてるんだって。」

「…」

相変わらず小さい子供の言ってることはわからない。それなら何もしゃべらない赤ずきんの方が幾分マシだったような気がしないでもない。でも無言は無言でまた困るけど…


甘い匂いはどんどんと強くなっていき。この先に何かおいしい物でもあるのだろうかと少し好奇心をもち前へ進むが


その5秒後バターナイフが50本程体に突き刺されたシルクハットの男を見て本気で吐く事になった