ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 俺がおカしクなったあの日 ( No.24 )
日時: 2012/03/30 17:54
名前: 下母 (ID: SpLhUj83)


「うぼぉええええええっ!!!!!」

ビチャビチャと吐く俺をよそにシルクハットの男は紅茶をすする

年齢は60代ぐらいのダンディーなおじいさん。
シルクハットにはカレンダーらしき紙が何枚か張っていて身長が無駄に高い

「アリス今日もお茶を飲みに来たのかね?おやおや新しいお友達かい?」

「見て。この人。私。同じ形。ここも。ここも。だから連れてきた。皆喜ぶ」

「喜んでるのは君の方だろう?私達にはアリスに似ている人がいようが知ったこっちゃない。さぁお茶を飲もう。」

バッと俺達を軽々持ち上げ庭園らしき所に案内した

血の濃い匂いが鼻にツンと香る
うへぇ…

そこにはカラフルな長机に様々な食器
あの甘い匂いはこの紅茶の匂いか

座る所は全部で30席程あった

その中の2席に茶色いウサギ(生首)とタキシードを着た鼠(人間サイズ)が座って茶をすすっている

「さぁさ♪今日もお客がそろった♪お客がそろったら次は席着き茶を出せ♪なければ食器にかぶりつけ♪」

ふにゃふにゃと謎の歌を歌いだす鼠

とりあえず俺はそこら辺の席に座った

次の瞬間ウサギがカッと閉じてた目を開き金切り声をあげる

「さぁさ♪席を間違えたお馬鹿さん♪優しく指導してあげよう♪そこは君の座るべき席じゃないさ♪ホラホラおしおきは熱いのがお好き?」

また鼠が歌いだしシルクハットの男がいきなり俺の頭上から紅茶をぶっかけた

「っ!?!?…ぁづぅ!!!!!」

無駄に熱い紅茶を振り払い席を立つ

「そこは駄目だよ?大切なお茶会に席を間違える奴がいるか。君の席はここさ。」

そう言ってヒョイと俺を持ち上げると机の上に下ろした

「…席ってここ?」

「そうだよ。」

席でもなんでもないんだが…

「さぁさ♪皆席に着いたね始めよう♪今日も誕生日じゃない日♪おめでとう♪ありがとう♪プレゼントは甘い時間をあげよう♪」

歌い終えた瞬間すごい勢いで食器が机の上を走り回り互いがぶつかりあうキンキンッという音が響いた

「な…!?食器が動いて…!?」

「さぁさ♪暴れまわるティーポットを押さえつけろ♪じゃなきゃお茶が飲めないよ♪」

アリスはきゃっきゃっと子供のように…って子供か
子供らしく走り回るティーポットやカップを捕まえだした

「さぁさ♪飛び回るティーカップをキャッチしろ♪じゃなきゃお茶がそそげないよ♪」

シルクハットの男も続いてどんどん捕まえていく

「さぁさ♪はしゃぐお皿にかぶりつけ♪じゃなきゃお菓子が食べられない♪」

何とかすべての食器を捕まえるとそれを確認した鼠はオペラ口調でまた歌いだす

「さぁさ♪今日もご苦労様♪一息つこうよ♪ご褒美は誰がくれるんだい♪あぁそうだそうだ、一番食器を捕まえられなかった人に貰おうよ♪あぁ君だね君♪知ってるよ♪席を間違えていた君だね♪さぁさ♪ご褒美を貰おう♪」


そして全員(生首以外)バターナイフを手にとり一斉にとびかかってきた