ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 俺がおカしクなったあの日 ( No.3 )
日時: 2012/03/15 18:47
名前: 下母 (ID: SDJp1hu/)

「…ッハァ…ハァ…」

危うく吐くところだった…

「…ここ…どこだろ」

無我夢中で異臭がしない方に走ったからか、あたり一面真っ暗な森の中にいた

上を見上げると木と木が重なり合って空が拝めない

こんな所にずっと立っていてもしょうがない…
俺は乾ききった喉を潤しに泉でも探す事にした



ぼーっとただ前を目指して歩いていると鼠色のフードをかぶった人がきょろきょろしながらこっちに向かってきた

顔はよく見えないが、白い肌と長い金髪がチラチラとフードから覗かせている

とりあえずなんか困ってそうだし話しかけてみるか。

「あのー…探し物…スか?」

「…っ!!」

声を聴いた瞬間ビクッと大きく体を震わせるフードの人


「……あなたこそ、何か探してるんではなくって?」

「あー、えっとここら辺に泉とかってないですかね?」

「クスクス…しらばっくれなくていいのよ…あなたの探してる物、私にはちゃんとわかってる…」

「へ?」

思わず呆けた声を出す
しらばっくれた覚えなんてないが、むっとした顔を向けると突然俺の肩をガシッと掴んできた

「わかってるわ…わかってるのよ!あなたもでしょう!?あなたも私のっ私の可愛い娘を狙ってるのね!?あぁっわかってるわ!!そんな嘘で私を騙せるとでも思ってるの!!そんな姿に化けても無駄よ!!この人食いオオカミ!!汚らわしいったらありゃしないわ!!いい!?これ以上私の可愛いあの子に近づこうってもんならこの場でミンチにしてあげるわ!!今ならまだ助かるわよ!?私が3秒数えるうちに視界から消えて頂戴ぃいぃいぃ!!」

「…?…っ!?」

息継ぎをいつしてるのか疑うほどの速さで喋り終えたフードの人はブルブルと肩を震わせる

え…えーっと…話が読め…

「いーち…にーぃ…」

「うぁ!?ちょ…ちょっと待って!!俺はっ別にっっっ!!」

「さぁー…」

駄目だ、何故かわからないけど殺される気がする
ってか逃げたいのにこんなガッチリ肩を掴まれたら逃げようにも逃げられないしっ!!
夢だけど…夢だけどっ、あぁあぁあ覚めてくれぇえぇええ!!


「…ん…3秒…たったわよ?ふふっ、バカなオオカミさん
 大丈夫あなたの肉はちゃんとスープにして…食べてあげる
 毛皮もたかぁく売ってあの子に立派な服を買ってあげる
 あなたは死んだ方が役にたつのよ…」

肩から片手を離す、涙目で声も出せない俺は逃げ出す力もなくなっていた
スラッと器用にフードからナタらしき物を出し始める
こ…ころっ…殺される…っっ…

ブンッとナタを俺の頭上に振り上げた




あ…あれ?
痛く…ない?…そうか夢から覚めたのか!

恐る恐る目を開けるとまず目に入ったのは見覚えのある血の滴る赤い頭巾だった

「…?…?」


落ち着いて状況確認するとどうやら俺は赤ずきんに軽々とお姫様抱っこされてるらしい

小1が高1の俺を抱っこしてる…だと!?