ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ◆ 戻りたい。 登場人物up ( No.5 )
- 日時: 2008/04/26 16:58
- 名前: 弥生 ◆b6XgBlRsWM (ID: uj1WcIuh)
- 参照: 戻りたい……戻りたいよ。君が居た……あの頃に。
01 笑顔
「俊っ! ねぇ、一緒にあそぼ? 晴れてるよ!!」
眩し過ぎるくらいの笑顔で俺に話しかける愛花。
愛花……コイツは俺の最も愛する女。
愛花に敵うやつなんて、居たら顔が見てみたいという程。
ちなみに愛花とは家がお隣同士で、テラスを伝えば簡単にお互いの家に入れる。
まぁ、これはある意味危険だけど。
「今か? わかった、外出るから待ってろよ」
「やったぁ!! サンダル、履いてくるねっ」
愛花はいつもの可愛い笑顔で、俺を癒してくれる。
暑い夏も、愛花が居てくれるだけで乗り越えられる。
愛花は俺にとっての……女神だ。
俺は、急いで階段を駆け下り玄関の扉を開けて、外へ出た。
外に出ると、目の前に愛花の姿があった。
「えへっ! これ買ってもらったんだぁー…似合う?」
ああ。もちろん。愛花になら何でも似合うよ。
……と言えるはずが無い。
「ああ、結構似合ってんじゃねぇの?」「ほんと? ありがとう!」
俺と愛花は、近所の公園でブランコをする事にした。
一応、俺達は十二歳。゛好き゛という感情が湧いてもおかしくない年頃だ。
しばらく遊んでいると、愛花の悲鳴が聞こえた。
「痛っ!」「愛花!? ……転んだだけか、良かった」
悲鳴の原因は、愛花がブランコから落ちて軽い掠り傷
を負ったからである。
だが、涙目の愛花を放っておけるわけがなくて。
俺は、愛花をおぶって家まで行った。
「母さーん! 愛花、怪我したから手当てしてやって」
「あらまぁ、愛花ちゃん大丈夫? しばらく我慢してるのよ」
愛花は、涙目でずっと俯いたまま。何も言わなかった。
そういえば、何も言わずにおぶってきたからな。機嫌悪くしたのかな?
俺は、愛花の背中をさすってやった。こんな事で機嫌直してくれるのだろうか。
しばらくすると、母が消毒剤、ガーゼ、絆創膏を持ってきて手当てし始めた。
手当ての途中、母がこんな事を聞いた。
「全く……誰がこんな怪我させたのかしら」
すると、愛花がとんでもない事を言った。
「なんか、俊がぁ……全然こっち見てくれなくって。
それで俊を呼ぼうとしたら落っこちちゃったんです」
…………は?? こんなの……愛花じゃないよな?
