ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 改訂版、(コメは禁止っす……) ( No.15 )
- 日時: 2008/04/28 19:55
- 名前: НΙММЁL ◆MEER.m/asI (ID: Wl8kRSYB)
- 参照: 電脳空間に閉じ込められた彼らは脱出できるのか……?【 『REGAINⅩ』 】 ____________『 Turns 』〜小説掲示板物語〜 もよろしくお願いします
+11日目+
僕は学校で、昨日話し合ったことを考えつつ、時間を過ごす。
イジメられる原因は、僕自身にもあるらしい。
自分のことをちゃんとさらけ出さず、一人で納得してしまうのが悪いらしい。
今日も、放課後に体育館裏に呼び出されている。
テストや塾やらで溜まった不満を僕にぶつけるのだ。
(今日は……違うから)
決意は硬い
今日こそは変えてみせる。
それに、僕はあることを知っていた。
僕をサンドバックにしてるやつは、他にも複数の人に対してイジメをしている。
だから、クラスメイトからの評判も徐々に悪くなってきているのだ。
この前なんか、イジメられた人の友達が、そいつと教室でつかみ合いを繰り広げた。
当然、その友達が勝てるはずもなかったが、それでクラスメイトの評判はがた落ちした。
今がすべてを変えるチャンスなのかもしれない。
変わることを待ってたらダメだ、自分で変えないと。
放課後、僕はいつもの場所で待っていた。
すると、やつは来た。
「あ〜、だりい。おい、金かせ」
殴るか、金を貸すか……いつもこの2択だった。
いつもの僕なら……
『金はない』
そう言ってなぐられている。
今日は……
「意味不明」
「あん?」
「意味不明なんだよ。貸した金も返さない、オマケに殴る。お前のやってることは意味不明」
僕はなるべく声を押し殺しながら言った。
「ほう、今日は一段と気が強ぇじゃねえか」
やつが拳をぽきぽきと鳴らした。
僕のやるべきことは……
突如、やつの拳が僕を襲った。僕は数m吹っ飛び、倒れ込む。
「ぐふっ……」
思い切り殴られた。
「そ、それで終わりかよ?いつもの威勢はどうしたんだ?」
僕はわざと挑発するように言った。
「うるせえ!!」
ゴフッ!!
(ま、まだか……?)
ここまでして殴られるのは、あることが目的だった。
「はい、そこまでー」
どこからか声がした。
「なに!?」
やつが声のしたほうを向く。
そこには、数人の男子が、苦笑いをしながら立っていた。
それぞれの手にはカメラが握られている。
「お、お前ら……何をした!」
やつが男子たちを睨みつける。
「ふ、ふふふっ……」
僕は思わず笑ってしまった。
「なっ……」
やつは事態の状況がわからずにあたふたしていた。
「お前の証拠写真、ばっちし撮らせてもらったぜ」
男子の一人が言った。
「さて、この写真どうしようか?」
「まず校内にたくさんばらまくか?」
「職員室にしようぜ。絶対に呼び出しかかるし」
「ちょ、お前ら……!」
やつが慌てていた。
そんな姿が自然で、僕は殴られた痛みも感じなかった。
「そ、それをよこせぇ!!」
やつが男子に向かって突進する。
「や、なんか来た〜〜!逃げろ〜〜!」
笑いながら男子たちがちりぢりに逃げ出した。
僕だけがその場に残される。
あの男子達は、あいつにさんざんやられた人たちなのだ。
この学校は、イジメや恐喝、暴力などに関しての処分は厳しい。
あいつらが撮った写真が先生に知れれば、停学、あるいは退学になるはず。
僕に対するイジメも、男子たちに対するイジメももうこれで出来ないはずだ。
何かを失って、何かを得る。
これじゃあ意味がない。
失わずして、何かを得る。
これでいいんだ、これで……
- Re: 改訂版、(コメは禁止っす……) ( No.16 )
- 日時: 2008/04/28 19:55
- 名前: НΙММЁL ◆MEER.m/asI (ID: Wl8kRSYB)
- 参照: 電脳空間に閉じ込められた彼らは脱出できるのか……?【 『REGAINⅩ』 】 ____________『 Turns 』〜小説掲示板物語〜 もよろしくお願いします
「終わったんだね」
僕が寝転がっていると、ユイがいつの間にかそばにいた。
「終わった?」
「イジメ」
「ああ、たぶんな」
僕は開放的な気分に浸っていた。
男子達が全員やつに捕まるようなことはないだろう。
捕まったら、それこそやばいが……
「でも、もしかしたら……」
ユイが考え込むように呟いた。
「ん?」
「あ、ううん、なんでもない」
そう言ってユイは立ち上がった。
「さ、行こ?」
ユイは手を差し出した。
僕はその手をしっかりと握って、立ち上がった。
すべてが変わる、この日だった。
家に帰って、僕は殴られた部分にシップを貼る。
今になって痛みだしたのだ。
「ちょっとミスしちゃったかな……?」
受け身で受けたつもりだったんだけど……
僕はシップを張り終え、自分の部屋に行く。
まずは報告して、お礼を言わないと。
今日のことを考えてくれたのは、ほかでもない雪蝶,セラだった。
まるで僕のことを良く知っているかのように、適切にアドバイスしてくれた。
「本当に感謝しなきゃ……」
僕はキーボードを叩く。
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Re:相談に乗ってください!!
名前:TIL◆LIrXODpGRg
昨日はどうもありがとうございました。
僕のことメインじゃないのに、何か僕のことばかり聞いてもらって……
でも、おかげでようやくおわりそうです。
本当に感謝しています!
ありがとう!!
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Re:相談に乗ってください!!
名前:雪蝶,セラ◆mu19bua
あ、TIL!
終わった?終わったってイジメが?
やったじゃないの〜!
私のところであったイジメもね、今日終わったんだ!
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すごい偶然だ。
というか、ここで話し合った成果かもしれない。
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Re:相談に乗ってください!!
名前:零◆FNe4E3rbeD
こんにちは、お二方。
私も、今日ズバッと言ってみたんです。
そうしたら、なんだか相手がビックリした感じになってました。
その後に何も言ってこなかったんでわからないですけど、
もしかしたら希望があるかもしれません。
ここでアドバイスと勇気をもらったおかげです。
本当に本当に感謝しています。
それに、お二方のイジメ小説、あれにも勇気をもらいました。
とても素敵で、よく出来ていて、すごい参考になりました。
これからも頑張ってください!
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Re:相談に乗ってください!!
名前:愛嘉◆AIKA/L
そうなんですか?
よかったですね!
私も、とても嬉しいです。
みなさんの笑顔が頭に浮かんでくるようで……
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「よかった……」
僕も心の底からそう思った。
夢の中で現実を知る。
そして、現実に帰っていく。
ここは、夢でしか無いのかもしれない。
ネットは夢。
果てしなく現実に近い、夢。
それでも、現実と深く関わることができる。
だれかを救うことが出来るんだ——