ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 改訂版、(コメは禁止っす……) ( No.45 )
日時: 2008/04/29 06:17
名前: НΙММЁL ◆MEER.m/asI (ID: Wl8kRSYB)
参照: 電脳空間に閉じ込められた彼らは脱出できるのか……?【 『REGAINⅩ』  】                  ____________『 Turns 』〜小説掲示板物語〜 もよろしくお願いします

  +27日目+


「いやだ」

僕は彼らにそう言い放った。
すると、彼らは一瞬顔をしかめたが、すぐに表情を和らげた。

「なあ、頼むからさぁ」
「なんど言ったらわかるんだよ。嫌だといったら嫌だ」

彼らは、僕とともに宏喜のイジメの証拠を掴んだ仲間。
だが、今の僕にとっては敵でしかなかった。

彼らが求めているのは、僕が持っている宏喜のイジメの証拠であるフィルム。
数日前に僕が一人一人を訪ねて押収したのだ
そのときは素直に渡してくれた。
いや、周囲の目があったからに過ぎない。

僕らは宏喜のイジメを止めたことで、いい評判が立っている。
しかし、あそこでもしフィルムを渡すのを渋ったら、何か悪いことを考えていると思われるだろう。
だから、彼らは僕にフィルムを渡したのだ。
だが今は……

「お前があいつをかばって良いことなんかひとつも無いじゃねぇか。
 俺たちは俺たちで、奪われたものを取り返したいんだよ」

おそらく、フィルムを使って宏喜を脅すつもりなのだろう。
根っから腐っているやつらだ。

「そうやって、何度もやり返しても何も進歩しないよ。過去なんて忘れたら?」

僕はそう言って、彼らの前から去った。
過去にすがりついていても仕方がない。
それでは、1歩も前に進むことはないのだ。
僕は、それをネットで学んだ。
現実でも夢でも、基本的なことは変わらない。
何事も、正面から向き合ってみないとわからないものだ。

教室にかえると、宏喜が駆け寄ってきた。

「やっぱりあいつらか?」
「そうだった」

宏喜もやはりわかっていたらしい。

「謝ったら?」
「謝った。だけど、あいつらは俺を罵っただけだった。許す気なんてさらさら無いんだろうな。まあ、それも俺が悪いんだが……」
「……それは違うよ。彼らはやりすぎてるよ。
 このままで良いはずなのに、いつまでもさらに利益を得ようとしている。
 自分がやっていることの卑劣さにも気づかずに……」

結局、人はそういうものなのだろうか?
何かを得れば、さらにその上を得ようとする
欲望は止まらず、やがてそれが仇となり……最後に待つのは破局でしかない。
僕は彼らを止める……いや、救えるのだろうか?


家に帰り、掲示板をひらくと、そこには予想外の展開が待っていた。

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   未来
  名前:蓮 ◆YIPeGx7m8Y

   作っただけ。コメントよろしく。

   トリップ違うけど、人は同じだぞ!

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「蓮……」

あんなに小説を書くことを嫌がっていたのに、まさか書くなんて……
それが嫌ってわけじゃない、驚いているのだ。
同時に嬉しくもある。
僕のやったことは、正しかったと思う。
もし、ただ荒らしとして扱っていたら、きっとこうはならなかったと思う。

「新しい道、切り開いていけるかな?」