ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 改訂版、(コメは禁止っす……) ( No.50 )
日時: 2008/04/29 06:20
名前: НΙММЁL ◆MEER.m/asI (ID: Wl8kRSYB)
参照: 電脳空間に閉じ込められた彼らは脱出できるのか……?【 『REGAINⅩ』  】                  ____________『 Turns 』〜小説掲示板物語〜 もよろしくお願いします

    4,『影は、光と共に』


  +30日目+

机につっぷする僕。
別に何があったというわけじゃない。
昨夜にPCをやりすぎたのだ。
お陰で、今日は朝から眠い……。

今は授業と授業の間の10分休憩。
今日は宏喜は欠席、話す相手もいないため起きている必要もなし、と。
寝るか、顔を洗って目を覚ますか、思い悩んだ末での結果である。
だが結局、授業中も寝てはいたが……。


今日の授業はすべて終了。
何か壮絶な悪夢から解放された気分でもある。
僕はさっさと荷物をまとめて学校を出た。

「おい」

僕は突然、後ろから声をかけられる。
僕に話しかける人なんて、ほとんど居ないはず。僕は思わず身構えながら振り返った。

「そこまで警戒しないでも……」

振り返った先には、制服姿の宏喜が立っていた。

「宏喜……こんなところで何してるの?」
「ちょっと……話がある」




僕と宏喜は、学校の校舎裏のひとけの無い場所へ移動した。
移動する間、宏喜は何やら神妙そうな顔をしていた。
今は、お互いに向き合っている。
僕はその異常な雰囲気に少し戸惑いながらも、口を開いた。

「話って、何?」

そう聞いた瞬間、一瞬だけ宏喜の顔が暗くなったような気がした。
しかし、すっと顔を僕へ向ける。
その顔は、宏喜が前に僕を殴っていたときにしていた顔を同じ……

「もう俺に関わるんじゃねえ」
「……えっ?」

思わず聞き返す。まったく意味がわからなかった。

「だから、善人ぶって俺と友達のふりするなってことだよ!」

宏喜は僕に怒鳴った。
なんで……

「ぼ、僕はそんなつもりはないよ、本当の友達だって思ってる!」
「……」

宏喜は何も言わず、そのまま振り返って去ろうとした。

「ま、待って!」

僕は思わず駆けだして、宏喜の肩を強く掴んだ。

バキッ!

その瞬間、僕は殴り飛ばされていた。
そのときに見た宏喜の顔は、なぜかとても辛そうで……

バタッ……

地面に背中から倒れ込む。
背中は痛い、頭がくらくらする、オマケに状況がまったく掴めない。
最悪の気分だった。
僕は頭を振りながら立ち上がり、そして宏喜の去った後をしばらく眺めていた。


未だに宏喜が、なぜ僕が友達のフリをしている、だなんて思ったのかわからなかった。
そんな雰囲気を出したつもりもないし……いや、それは僕の思いこみではあるが。
まさか、あの男子たちが吹き込んだのだろうか?
いや、でも宏喜があいつらの言葉を信用するとも思えない。

それに、あの辛そうな顔……
あれは、一体何を指すのだろう。
何はともあれ、明日からまた僕はひとりとなってしまうのか。
今まで、友達を作りたい、持ちたいだなんて思ったことがなかった。
しかし今は……
こんな思いをするのなら、友達なんてやはり最初からいなくてよかった。
最初から何もなければ、失うものなんてないのだ。

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   Re:新版 ΕΝDЯЕSS&ΙΝFIΝΤУ『ΙЛΜЕ』(No.238)
  名前:TIL◆LIrXODpGRg

      第16話 『後悔と罪』
          ・
          ・
          ・
   そうだ。そうなんだ。
   こんな思いをするのなら、いっそ最初から何もなかったほうがよかったんだ。
   友達もいらない。知り合いもほとんどいなくていい。
   それでも俺は、生きていけたはずだった。



「あっ……」

また僕は、心の中のことを小説に反映させていた。
やはり、小説には自分の気持ちが良く表れてるのかな。
どうしても、そのせいで少し片寄ってきている気がする。

僕は思わず苦笑いをしていた。

Re: 改訂版、(コメは禁止っす……) ( No.51 )
日時: 2008/04/29 06:20
名前: НΙММЁL ◆MEER.m/asI (ID: Wl8kRSYB)
参照: 電脳空間に閉じ込められた彼らは脱出できるのか……?【 『REGAINⅩ』  】                  ____________『 Turns 』〜小説掲示板物語〜 もよろしくお願いします

自分の小説の更新も終わったところで、僕は他の人の小説を見て回ることにする。
僕がそのとき開いた小説は、佳奈美という人の小説だった。
佳奈美は、前に一度僕に対して荒らし行為をした人だった。
だがその後、なんと自ら名乗り出て、僕に謝ってくれたのだ。
それをいつ思い返しても嬉しいと感じることが出来る。

そして佳奈美は今、僕らと同じように小説を書いている。
あんなことがあったからこそ、僕は佳奈美の小説に期待していた。
だが、そこでは僕を落胆させるほどの出来事が待っていた……

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   Re:〜終わりのないいじめ〜オリキャラ募集 (No.37)
  名前:レナ◆6GuKmWraSc

   霧さん 由羅妓さん 弐意さん

   コメントありがとうございます

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……これはどういう……?

僕はもう一度スレッド名と名前を確認した。
確かにこれは佳奈美の立てたスレッドだ。

そして、今投稿された名前は、まぎれもなく『レナ』。
その内容は間違いなくもらったコメへの返答……
僕は少し混乱した。
この状況は……どういうことだ?

思わず僕は椅子から立ち上がった。
意味もなく部屋の中をぐるぐると歩きまわる。

「状況を整理しよう!」

誰に言うでもなく、ひとり声に出してみる。

「佳奈美のところにレナの名前でお客に返答された。さあ、この意味は?」

……。

佳奈美=レナ
それだけだった。
だとすれば、すぐに修正するはずだ。
僕はもう一度椅子に座り直して、更新ボタンを押した。

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   Re:〜終わりのないいじめ〜オリキャラ募集 (No.37)
  名前:佳奈美  ◆1KQnOizoQw

   霧さん 由羅妓さん 弐意さん

   コメントありがとうございます

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「……」

予想通り、レナの名で投稿されたレスは消されて、再び佳奈美の名前で同じ文章が載せられていた。
これはもう、何を言うまでもなく佳奈美とレナは同一人物ということだった。
そして、同一人物ということは……

「僕のスレを荒らしたのも、レナ……」

そういうことだった。
レナは僕がここに初めて来た当初から支えてくれた友達だった。
そして、そのレナが荒らし……どういうことだ?
レナは佳奈美……いや自分自身に対して荒らしはダメだ、とかなんとか言っていた。

友達でありながら、その裏では僕をダシに使っていたというのか……
これを、裏切りというのだろうか。
僕はどうしていいかわからず、ぼーっとモニターを眺めていた。
まだ問い詰めたくなかった。今はその気にはなれない。

とりあえず、誰かに相談してみようか……
今は、皮肉にもレナは雑談の方には入れない。
たまに口調が激しいから、禁止ワードにでも引っかかったのだろう。
そのお陰で、レナのことを話し合えるのだが。


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   Re:雑談しよう!
  名前:TIL◆LIrXODpGRg

   誰かいるかな?
   相談があるんだけど……相談と言うより、愚痴?

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   Re:雑談しよう!
  名前:詩穂◆SLootE8BKs

   ほいほーい
   いるよ!

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   Re:雑談しよう!
  名前:ネオン◆BieE4ENesD

   何なに?
   なんの相談かな?

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さて、どう切り出そうか。
難しいことを並べてもややこしいだけだ。
やはり、単刀直入にいくべきかな。

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   Re:雑談しようよ!
  名前:TIL◆LIrXODpGRg

   佳奈美は……レナと同一人物だった。

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   Re:雑談しようよ!
  名前:詩穂◆SLootE8BKs

   え、うそ……!

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   Re:雑談しようよ!
  名前:雪蝶,セラ◆mu19bua

   いきなり勝手に入る(←

   レナって人も佳奈美って人もなんとなくしか知らないけど、
   それが何か問題があるの?

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   Re:雑談しようよ!
  名前:愛嘉◆AIKA/L

   ええ!
   あの佳奈美さんが……レナ?
   嘘でしょ……

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   Re:雑談しようよ!
  名前:美華◆huruitiban

   お初ですv
   レナさんも佳奈美さんも良く知ってるんだけど、
   同一人物……マジでぇ!
   何でそう思ったの?
 
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同一人物とわかったのは、ただのレナのミスによるものだった。
もしあそこで僕がその事実を見なかったら、何も起きずに
レナと佳奈美は違う人物としてこれからも僕と接していたのだろうか?

Re: 改訂版、(コメは禁止っす……) ( No.52 )
日時: 2008/04/29 06:21
名前: НΙММЁL ◆MEER.m/asI (ID: Wl8kRSYB)
参照: 電脳空間に閉じ込められた彼らは脱出できるのか……?【 『REGAINⅩ』  】                  ____________『 Turns 』〜小説掲示板物語〜 もよろしくお願いします

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    Re:雑談しようよ!
   名前;TIL◆LIrXODpGRg

   さっき、佳奈美の小説、〜終わりのないいじめ〜
   これに、レナの名前で、
   今、佳奈美の小説のNo.37にある返事と同じ返事が書かれていた。

   佳奈美は、一度僕を徹底的に批判した、いわば荒らしのような人。
   というか荒らしだったんだけどね。

   それに、最近のレナが出没するとき、必ずレナの知っているリア友が現れる。
   時間帯がずれたことは今まででほとんどない。
   もし、すべてレナの一人芝居だとしたら……

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自分で書いてみて気づいた。
今まで何人かのレナのリア友って人と話してみたことがあるが、確かに現れる時間に絶対レナ自身も来ていた。
あれもレナなのだろうか。

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   Re:雑談しようよ!
  名前:ミノ◆durj42k

   いきなり入っちゃう(殴
 
   で、TILはどうしたいの?

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そう、それだ。どうしたいのかがわからなかった。
真実を追究したいとも思っているが、逆にそれで関係が崩れてしまうことも恐れている。

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   Re:雑談しようよ!
  名前:TIL◆LIrXODpGRg

   どうしたいんだろう……
   やっぱり、真実をレナの口から話してくれるのが一番いいかな。
   それならまだ許せるし。

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   Re:雑談しようよ!
  名前:詩穂◆SLootE8BKs

   突き詰めちゃうと、関係が崩れちゃうかも……
   やっぱり、今まで通り仲良くやっていきたいし。
   でも、TILの気持ちがついていけないよね……

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   Re:雑談しようよ!
  名前:美華◆huruitiban

   やっぱり、聞いてみるのが一番じゃない?
   前向きに受け止めてみれば?

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   Re:雑談しようよ!
  名前:雪蝶,セラ◆mu19bua

   いや、でも前向きに受け止めるのも大変じゃないかな?
   だってレナさんって、TILがここに来たときからの、いわば親友じゃない?
   それを裏切られるようなことをしたんだもん……

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受け止めてみる……と言っても無理そうだった。
この衝撃はおもったよりも僕の心に深くダメージを与えているようだ。

「……そうだ」

とりあえず、レナに揺さぶりをかけてみようか?
それで自分の口から話してくれれば、それでこの気持ちはなんとかなるかもしれない。
そのとき、ちょうど僕の小説にレナがコメントを残していた。
それはこの話とはまったく関係のないものだったが、話し合うチャンスでもある。

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   Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 (No.36)
  名前:TIL◆LIrXODpGRg

   レナ、僕に何かいうことはないかい?

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これでわかってくれればいいのだが。
それで全部本当のことを話してくれさえすれば……

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   Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 (No.37)
  名前:レナ◆6GuKmWraSc

   え、ないよ?

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望み叶わず。

僕は仕方なく雑談に戻った。

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   Re:雑談しようよ!
  名前:TIL◆LIrXODpGRg

   今ちょっと揺さぶってみたんだけどダメだった。
   ……今から追求してくることにするよ。
   どうなるかわからないけど、もしかしたら僕がここに来れなくなるぐらい
   ショックを受けるかもしれないけど     

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   Re:雑談しようよ!
  名前:詩穂◆SLootE8BKs

   ダメだったか〜
   え、ここからいなくなるの?
   でも帰ってくるよね?

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   Re:雑談しようよ!
  名前:TIL◆LIrXODpGRg

   うん、いつになるかわからないけど
   絶対に帰ってくるから

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   Re:雑談しようよ!
  名前:美華◆huruitiban
   
    頑張れよぉ!
 
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   Re:雑談しようよ!
  名前:YUI◆NHenENwLeo

   なんだかよくわからないですけど、頑張ってください!

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   Re:雑談しようよ!
  名前:ミノ◆durj42k

   無事でいて!(ぇ

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もしこれが現実なら、後ろから声援を浴びながら歩き出す僕って感じなのだろう。

僕は思いのすべてを書きつづることにした。
正直に、ありのままを。

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   Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 (No.36)
  名前:TIL◆LIrXODpGRg

   レナ

   もう僕を誤魔化すのはやめろ。
   少なくとも、お前が佳奈美と同一人物だってことはわかっている。
   お前の2度のミスも確認している。
   それに、他のことにもいくつか疑問も思い浮かぶ。

   すべての真相を話せ。

   もしかしたら、お前がこの文を見て返信を返すことをしなくなるかもしれない。
   それでも僕はかまわない。
   誤魔化し続けられるより、出会わなかったことにした方がマシだから。

   お前には感謝している。
   当初から僕を支えてくれていた。
   大事な友達だ。

   だからこそ、俺はすべてを話して欲しい。
   すべてを、お前の口から……

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もう話す真相なんかないんだろうけど、どうしてもレナの口からもう一度すべてを話して欲しかった。

僕はそのまま、PCの電源を落とした。



その夜、僕は再びPCを起動させた。
いつもの調子なら、もうレナから返事が来ているはずだった。
しかし、その日に限って返事は来る気配もせず、結局24時を超えても返事はこなかった。