ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 改訂版、(コメは禁止っす……) ( No.53 )
日時: 2008/04/29 06:22
名前: НΙММЁL ◆MEER.m/asI (ID: Wl8kRSYB)
参照: 電脳空間に閉じ込められた彼らは脱出できるのか……?【 『REGAINⅩ』  】                  ____________『 Turns 』〜小説掲示板物語〜 もよろしくお願いします

   +31日目+


朝の目覚めは最悪だった。
結局、あの後2時まで起きていたが、返事は来なかった。
収穫なし、おまけに寝不足という不要なおまけ付きだ。
学校に行っても宏喜の姿は見当たらず、僕は教室で孤立している。
未だに、宏喜が僕を信じられなかった理由もはっきりとしない。
その日の学校でも、結局何一つわかることはなかった。


放課後、僕は鞄を担いで教室を出る。
当然ながら、さよならの挨拶をいう人もいない。
一刻もはやく家に帰りたかった。
もうレナの返事も来ているかもしれないからだ。

そのとき、僕はふと昨日のことを思い出した。
宏喜に呼ばれて行った、あの校舎裏のことだ。
もしかしたら、今日もいるのではないかと一瞬思ってしまった。
けれど、そんな偶然が起こりうるはずはない。と心の中で思ってはいても、なんとなくその場へ足が向いてしまう。

生徒がほとんどこない校舎裏。クラブをしている声もほとんど聞こえない。
まさに静寂そのものだ。
僕は自分の足音を聞きながら、あの場所へ向かった。
すると、何やら話し声が聞こえてきた……

(やっぱり、宏喜が……!?)

僕は壁際に隠れながら、そっとその先を見てみた。
やはり宏喜がいた。それと、僕に協力していた男子たちもだ。
何やらもめているように見える。宏喜は真剣に話そうとしてるようだが、
他の男子達は鬱陶しいと言わんばかりにしかめっ面をしている。

僕はさらに近寄っていって、話し声が聞こえる場所まで接近した。

「……だから、なんであいつを巻き込もうとするんだ!?」

「言ってるじゃん、ただうざいから。宏喜もこれ以上邪魔するようならこの学校から消えて貰うからね」

そう言ってひとりの男子が写真をぴらぴらとさせた。
おそらく宏喜が暴力を振るっているシーンを撮ったものなのだろう。

「俺はどうなってもいい。あいつには手を出すな!」

宏喜はひとりの男子に掴みかかった。
しかし、いくら宏喜とは言えども、複数を相手にすることは困難なようだ。
すぐに引き離されてしまう。

「お前に指図される筋合いはないね。……おっと、噂をすればやらだな」

ひとりの男子が僕のいる場所に視線を向けた。ばれてしまったようだ。
僕は大人しく彼らに近づいていった。

「お前……なんで……」

宏喜は驚いたような、また悔しげな表情をした。

「どうして僕を信じられないのかは知らないけど、少なくとも僕は宏喜を信じてるから」
「ち、違う。信じてないんじゃなくてっ!」
「はいはいそこまで」

男子のひとりが僕と宏喜の会話を無理矢理終了させた。

「ちょうど良いときに来たじゃないか。さっそくやろうか」

僕はその男子の言っている意味がわからなかった。

「この証拠を職員室に持って行けよ。お前自身でコイツを学校から消せ」
「!?」

目の前に差し出されたのは、おそらく宏喜がイジメをしていたと思われる証拠がたくさん詰まったフィルム。

「そ、そんなこと出来るわけないだろ!」

僕は思わず怒鳴った。

「いいのか?俺たちが報告したら、さらに酷いことになるよ?裁判とかも考えられるね。
 それに、その後はお前も俺たちの良いなりになってもらう」
「……そ、そんなのって……」

僕は差し出されたフィルムを眺めた。
実は最近、この男子たちもイジメをしていると聞いたことがある。
それはとっくに教師の間にも知られているらしい。
だからもし、この男子たちがこの証拠を出したとしても、恐らく相手にされないのだろう。
だから僕を利用しようとしている、と。

チラリと宏喜を見る。
宏喜はただじっと目を閉じていた。

(どうするんだ……?こいつらに任せたら、宏喜が大変なことに……。でも僕は出来ないよ……)

この男子たちは、僕はどちらかを選ぶことしかしないと思っているのだろうか?
第3の選択もあるんじゃないか?
そのとき、僕はあることを思いついた。
そっとポケットの感触を確かめる。

「わ、わかったよ。僕が行く。行けばいいんだろ」

僕はそう言ってフィルムを受け取るために手を差し出した。
男はニヤリとして僕にフィルムを渡した。
その瞬間を僕は逃さなかった。

Re: 改訂版、(コメは禁止っす……) ( No.54 )
日時: 2008/04/29 06:23
名前: НΙММЁL ◆MEER.m/asI (ID: Wl8kRSYB)
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思いきりフィルムを受け取った拳で男子の顔に強烈なパンチを繰り出してやった。

男子は予想外の僕の攻撃に仰向けに倒れる。
人を本気で殴ったのは初めてだった。感触がよくわからない。

宏喜もその隙を狙って、男子のひとりにドロップキックをお見舞いしていた。
僕はフィルムを、迷うことなく近くに置いてあったレンガの植木鉢に放り込んだ。

シュッ、シュッ、シュボッ!

ポケットに入っていた想い出のライターを取り出して、火をつける。
そして、植木鉢の仲に一握りの乾いた草木を放り込み、同じくそこにライターを放り込んだ。

僕はその瞬間、後ろからの打撃で吹っ飛んだ。
倒れた僕に男子が馬乗りになる。
僕はガムシャラに拳を繰り出した。すると、運良くなのか運悪くなのか、それが男子の顎にクリティカルヒット。
男子の力が抜ける。僕はその隙を狙って男子を押しのけて立ち上がった。

「来い!」

宏喜が走り寄ってきて、僕の腕を掴んで走り出した。

「へ、ひとり残らず骨折るぐらいにたたきのめしてやったぜ!」

宏喜がさも楽しそうに言う。
僕は走りながら後ろを振り返るが、男子達が追ってくる気配はなかった。

さっきいた場所からは、細い煙がもくもくとたっている。
恐らく僕が放り込んだライターの火がうまく広がってくれたのだろう。
駆け抜ける僕らの横を、数人の教師が今まで僕らがいた場所へ慌てている様子で走っていった。

「あいつら捕まるな」

宏喜がぼそりと呟く。
学校から脱出した僕らの背後から、ジリリリリリ……とけたたましい音が聞こえてきた。
恐らく誰かが警報機を押したのだろう。

「な、なんかすごい騒ぎになったね……」
「ああ」

おそらく、あの場で教師に捕まったであろう男子たちは、迷わず僕らがやったと教師に伝えるだろう。
だが、あの男子達が今までやったこともあるし、たぶん教師は信じることはない。
自らが、自らを殺した。あの男子達のやったことはそういうことなのだ。
僕と宏喜はお互いに笑い合った。

「そう言えば、あれはなんだったの?」

僕は宏喜に問いかけた。

「あれって?」
「なんで僕に関わるな、なんて……」
「ああ、あれか……」

宏喜は頭をポリポリと掻きながら、少し恥ずかしそうに……

「お前を巻き込みたくなかった。ただそれだけだ」
「僕を……巻き込みたくなかった?」
「お前はこんな俺に優しくしてくれた。友達にまでなってくれた。
 だからお前が俺のために傷つくのを見たくなかったってことだよ」

宏喜は後ろを向きながら言った。

「俺はもう帰る。じゃあな」
「あ、ちょっと!」

宏喜は走り去っていってしまった。

「……」

やはり宏喜はいいやつなのだ。
前は、きっと何か理由があってあんな風になっていたのかもしれない。
そうとしか考えられなかった。いや、そう考えたかったのだ、僕は……。


Re: 改訂版、(コメは禁止っす……) ( No.55 )
日時: 2008/04/29 06:23
名前: НΙММЁL ◆MEER.m/asI (ID: Wl8kRSYB)
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家に帰った僕は、ベッドにばたりと倒れ込んだ。
いろいろと疲れたのだ。やはり慣れないことをするものじゃないな。

僕はベッドの上で仰向けになって、ボンヤリと天井を眺める。
なにを考えるわけでもなく、また天井を見ているわけでもない。
僕の視線は、どこか遠くへ向けられている。
何か、ある一種の喪失感と疲労感に襲われているようだ。

そして、頭の中で思う。
何かを忘れていやしないか?とても重要なことを。
僕はそれを思い出すため、ゆっくりと遡って考えてみる。

まず、今の状況。
慣れないことをしたためか、脱力、疲労、虚無感にあるのが現状である。
その前は校門の前で警報の音を聞いていた。
逃げる、燃やす、殴る……
どんどん、簡単にかいつまんで僕は記憶を遡っていく。
学校に行く、その前は寝ている。昨夜は……

そこで、僕はようやく思い出した。
ベッドから飛び起きて、PCの電源を付ける。
まさかこんな大事なことを忘れていたとは……
僕は椅子に座りながら自分を蔑んだ。

そう、忘れていたこととは……レナからの返事である。
PCが起動するのが、このときばかりはとても遅く感じられた。
とてももどかしい……。
指で机をトントンと叩きながらじっと画面を睨みつける。
すでに、疲労感なんてどこかへ吹っ飛んでしまっていた。

ようやくデスクトップが表示される。
そこに置かれていた、掲示板へのショートカットをダブルクリックして、サイトへ一気に飛ぶ。
だが、どうしてもインターネットエクスプローラーの最初の起動には、若干時間がかかってしまう。

「うう……早く早く……」

PCをせかしたところで何も変わらないのだが……。
ようやく、掲示板のトップが表示された。

「返事は!?」

僕は自分の小説を開いた……。

「来た……」

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   Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 
  名前:レナ ◆6GuKmWraSc
 
   返事遅れて ごめんなさい

   バレちゃいましたね〜
   TILさんの言うとおり私は佳奈美と同一人物です
   ちなみに、前に何度もコメをしていた留美子とは親友でもありません
   たまたまクラスが一緒なだけ
   中学3年生の受験生だって言いましたけど、それも嘘。本当は高校生
   荒しだって何度かやっていました
   あの時、佳奈美の名前でTILさんに謝ったのは
   罪悪感からでしょうね
   でも、レナの名前の方でで本当の事を言うのは、気がひけたので
   佳奈美で謝りました
   そのときから、もうこれ以上荒しをしないと決めたのですが
   癖になってたんでしょうね
   名前を変えて何度も何度も荒しをしました
   所詮ネットなんて何しても現実とは違う 誰も悲しまない
   そう思っていました
   でもパクリ騒ぎは驚きました。私と同じトリップだったんだから
   それでもTILんは私の事を信じてくれた
   正直びっくりでしたよ 
   私は佳奈美と同一人物で荒しを何度もやっています。
   罪悪感のない自分に罪悪感があります
   まぁ、今までありがとうございました
   そしてごめんなさい

————————————————————————————————————————

以上のような文が書かれていた。
まず、一つずつ整理して考えよう。

留美子とは佳奈美(レナ)のリアの親友だと聞かされていた。
しかしそれは親友でもなんでもないそうだ。
まあもっとも、違う人物かもわからないが。
そこは置いておくとしよう。

次に、年齢のこと。
本人は前から中学3年生で、受験真っ最中だと言っていた。
だが、実際は高校生。
わからないのは、なぜ中学3年生と偽ったのか?

あと上げるとすれば、同じトリップのレナがいたということ。
本人の証言では、トリップは同じだけれど、自分はやっていないらしい。

ようするに、レナ本人以外のだれかが、同じ名前、そして同じトリップを使って書き込んだ、ということになる。
まあこれも信じる信じないの話でしかない。

ネットとはそういうものだ。

Re: 改訂版、(コメは禁止っす……) ( No.56 )
日時: 2008/04/29 06:25
名前: НΙММЁL ◆MEER.m/asI (ID: Wl8kRSYB)
参照: 電脳空間に閉じ込められた彼らは脱出できるのか……?【 『REGAINⅩ』  】                  ____________『 Turns 』〜小説掲示板物語〜 もよろしくお願いします

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   Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 
  名前:TIL◆LIrXODpGRg

   ……。
   最初から、実はすべて見えていた。
   それでも、そんな現実を真実と見切れず、
   僕はなんとなく過ごしていた。

   最初気づいたのは、留美子が来てから少し後。
   口調に疑問を持った。
   さらに疑問を持ったのは、レナと留美子の出没する時間帯がほぼ一緒だったということ。
   最近になって、佳奈美も増え、その信憑性がさらに上乗せされた。
   最終打となったのは、レナが返信ミスをしたとき。
   衝撃的だった。

   それでも、僕は心の中で自分を偽り続けた。
   必ず、そうではないという証拠が見つかることを信じて。
   それでもやはり、真実はどう曲げたところで、真実に過ぎなかった。
 
   僕が気になることが一つだけある。
   なぜレナは荒らしをした?    それを聞かせてくれ。

   そして………。
   今までありがとうございました??

   ……ふざけるな!!
   お前は逃げるつもりか?
   みんなに迷惑をかけて、そのままばれたら逃げるつもりか!?
   自分の罪がただ消えるのを逃げて待つのか!!

   そんなの何の罪滅ぼしにもならない。
   お前はここに残るべきだ。
   そして、全てを背負って残り続けるべきだ!!

————————————————————————————————————————

かなり感嘆の表現が入った文だが、いたしかたあるまいと自分で思う。
それぐらい今、意識が朦朧としているのだ。

さっきのことのせいか、またあるいは今のこの現状のせいか。

————————————————————————————————————————
    Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 
   名前:レナ◆6GuKmWraSc

   TILさん……
   あなたの言葉に感動しました

   たしかに私はここに残りたいと思う
   でも、そんな勇気は私にはない
   荒しをいろんなところでやったし、たくさんの人を苦しめて悲しませた
   これからもここに残るとしても、今までどおりに皆が友達でいてくれるかが不安だ
   現実から目をそらしてはいけないのはわかっている
   でも、怖いのだ。あの頃の用に戻れるか……

————————————————————————————————————————

過去は、少なくとも人間には変えることは出来ない。
過去は事実であって、曲げられない真実。
そして経験でもある。

だから、あの頃に戻るのではなく……

————————————————————————————————————————
   Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 
  名前:TIL◆LIrXODpGRg

   戻る必要はない。
   新たに上乗せすればいい。

   全ての罪が見えなくなるまで……

————————————————————————————————————————

真っ白な雪のように、すべてを覆い尽くしていく。
過去の間違いを完全に覆い尽くすほどに……
いつかは溶けてしまうかもしれないけど、それもしかたない。

でもそのころには、もうだれもとがめる人はいないはずだから……だから……

————————————————————————————————————————
   Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 
  名前:美華◆huruitiban

   お初です!
   なんか影から今の状況を見ちゃってました(ぇ
   レナさんに一つ言いたいことが
   逃げちゃだめ、ちゃんと前から向き合って!
   いきなり失礼しました^^

————————————————————————————————————————

そうだよ……
美華の言う通り、逃げちゃだめだよ、レナ。
ここで逃げたら、きっと何も変わらないから……
きっと、また同じことを繰り返してしまうから!

————————————————————————————————————————
    Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 
   名前:焔 白牙◆tr.t4dJfuU
 
   お初です。
   私も昔、あるサイト……ここではない場所で荒らしをしたことがあります。
   主に成りすましたりして楽しんでましたけどね。
   今は止めていますよ、当然。
 
   何が言いたいのかというと……
   レナさんにはここに残って、もう一度やり直し……じゃなくて新たな一歩を踏み出して欲しいのです。
   まあ、それだけなんですけどね(汗

————————————————————————————————————————

たとえ、ほんの数行でも伝えたいことはよくわかった。
これがレナに届くのかは別としても……
誰も、本気で去って欲しいんて思う人はいないのだ。
それはただの僕の希望的観測かもしれない。

だが、そう信じたい。
このサイトは、みんなが本気で仲良く、楽しくやれるはずだと……

————————————————————————————————————————
   Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 
  名前:TIL◆LIrXODpGRg

   ただ……
   いくら残って欲しいとはいえ、けじめは付けて欲しい。
   他のみんなの謝っておいで。
   荒らしをした人、騙した人とかに
   すべてはそれからだよ

————————————————————————————————————————
   Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 
  名前:レナ◆6GuKmWraSc

   わかりました

————————————————————————————————————————

ここからどうなるのか……まだ見当もつかない。
だが、言い方向に進む……そう感じるのだ。

ただ、今僕は非常におかしい状態にある。
意識が朦朧とし、画面を見ているとまるでそこに吸い込まれていくかのような錯覚に陥る。
現実につなぎ止めておくのもやっとだった。

この状況は……この心境はなんだ?
———————————————————————————————————————— 
   Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 
  名前:TIL◆LIrXODpGRg

   ……。
   最初から、実はすべて見えていた。
   それでも、そんな現実を真実と見切れず、
   僕はなんとなく過ごしていた。

   最初気づいたのは、留美子が来てから少し後。
   口調に疑問を持った。
   さらに疑問を持ったのは、レナと留美子の出没する時間帯がほぼ一緒だったということ。
   最近になって、佳奈美も増え、その信憑性がさらに上乗せされた。
   最終打となったのは、レナが返信ミスをしたとき。
   衝撃的だった。

   それでも、僕は心の中で自分を偽り続けた。
   必ず、そうではないという証拠が見つかることを信じて。
   それでもやはり、真実はどう曲げたところで、真実に過ぎなかった。
 
   僕が気になることが一つだけある。
   なぜレナは荒らしをした?    それを聞かせてくれ。

   そして………。
   今までありがとうございました??

   ……ふざけるな!!
   お前は逃げるつもりか?
   みんなに迷惑をかけて、そのままばれたら逃げるつもりか!?
   自分の罪がただ消えるのを逃げて待つのか!!

   そんなの何の罪滅ぼしにもならない。
   お前はここに残るべきだ。
   そして、全てを背負って残り続けるべきだ!!

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かなり感嘆の表現が入った文だが、いたしかたあるまいと自分で思う。
それぐらい今、意識が朦朧としているのだ。

さっきのことのせいか、またあるいは今のこの現状のせいか。

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    Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 
   名前:レナ◆6GuKmWraSc

   TILさん……
   あなたの言葉に感動しました

   たしかに私はここに残りたいと思う
   でも、そんな勇気は私にはない
   荒しをいろんなところでやったし、たくさんの人を苦しめて悲しませた
   これからもここに残るとしても、今までどおりに皆が友達でいてくれるかが不安だ
   現実から目をそらしてはいけないのはわかっている
   でも、怖いのだ。あの頃の用に戻れるか……

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過去は、少なくとも人間には変えることは出来ない。
過去は事実であって、曲げられない真実。
そして経験でもある。

だから、あの頃に戻るのではなく……

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   Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 
  名前:TIL◆LIrXODpGRg

   戻る必要はない。
   新たに上乗せすればいい。

   全ての罪が見えなくなるまで……

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真っ白な雪のように、すべてを覆い尽くしていく。
過去の間違いを完全に覆い尽くすほどに……
いつかは溶けてしまうかもしれないけど、それもしかたない。

でもそのころには、もうだれもとがめる人はいないはずだから……だから……

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   Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 
  名前:美華◆huruitiban

   お初です!
   なんか影から今の状況を見ちゃってました(ぇ
   レナさんに一つ言いたいことが
   逃げちゃだめ、ちゃんと前から向き合って!
   いきなり失礼しました^^

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そうだよ……
美華の言う通り、逃げちゃだめだよ、レナ。
ここで逃げたら、きっと何も変わらないから……
きっと、また同じことを繰り返してしまうから!

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    Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 
   名前:焔 白牙◆tr.t4dJfuU
 
   お初です。
   私も昔、あるサイト……ここではない場所で荒らしをしたことがあります。
   主に成りすましたりして楽しんでましたけどね。
   今は止めていますよ、当然。
 
   何が言いたいのかというと……
   レナさんにはここに残って、もう一度やり直し……じゃなくて新たな一歩を踏み出して欲しいのです。
   まあ、それだけなんですけどね(汗

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たとえ、ほんの数行でも伝えたいことはよくわかった。
これがレナに届くのかは別としても……
誰も、本気で去って欲しいんて思う人はいないのだ。
それはただの僕の希望的観測かもしれない。

だが、そう信じたい。
このサイトは、みんなが本気で仲良く、楽しくやれるはずだと……

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   Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 
  名前:TIL◆LIrXODpGRg

   ただ……
   いくら残って欲しいとはいえ、けじめは付けて欲しい。
   他のみんなの謝っておいで。
   荒らしをした人、騙した人とかに
   すべてはそれからだよ

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   Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 
  名前:レナ◆6GuKmWraSc

   わかりました

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ここからどうなるのか……まだ見当もつかない。
だが、言い方向に進む……そう感じるのだ。

ただ、今僕は非常におかしい状態にある。
意識が朦朧とし、画面を見ているとまるでそこに吸い込まれていくかのような錯覚に陥る。
現実につなぎ止めておくのもやっとだった。

この状況は……この心境はなんだ?

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   Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 
  名前:ミノ◆durj42k

   横いりになっちゃうんですが……
   TILさんに一つ質問したいことが……
   どうして今まで、レナさんはアク禁にならなかったのでしょうか?
   荒らしのことに関しても、佳奈美と言う名前でTILさんにやったことにしても……

————————————————————————————————————————

それはいとも簡単なことだった。

————————————————————————————————————————
   Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 
  名前:TIL◆LIrXODpGRg

   簡単なことですよ。
   レナのやった荒らし行為は軽度の物ばかりだった。
   佳奈美の名前でやったことに関しても、あとで謝ってきた。
   だから誰も通報しなかった。
   ある意味でテクニシャンな荒らしということでしょうか?
    
————————————————————————————————————————

荒らしと謝罪。
この二つを均等に保つことで、アク禁にならずに何度も同じことを繰り返す……
まさにある意味のテクニシャン、そして言い換えれば、無限ループにはまってしまった哀れな人……

……と、そんなことはどうでもよかった。
そんなことよりも、やはり今の僕はおかしいと自分でも感じる。
この胸のザワザワ感はなんだろうか?

僕は自問自答する。
まず、この胸のざわめきはなんだ?
楽しい?……違う。嬉しい?……違う。怒り?……これも違う……
苦しい?……そうだ、苦しいのだ。
悲しい?……これも合っていると思う。
では、なぜ?

……レナに裏切られたから。
いくら状況が良くても、裏切られたことには変わりなかった。
なぜレナは、佳奈美の名前で僕に荒らし行為なんてものをしたのだろう?
嫉妬?何か恨み?……楽しさ?
佳奈美を荒らしにまつりたてあげ、それをレナの名前で注意する。
そうすることによって、偽装の正義感を得られたのだろうか?

いや、そんなはずはない……と言いきれないところがまた僕の弱いところだった。
もう過去なんかどうでもいいじゃないか。
僕自身も思っているはずだ。
過去は振り返らずに、新しい一歩を踏み出そうと!

僕は気を紛らわすために、小説の続きを書くことにした。
だが、書こうとしてもすぐに手が止まってしまう。

ようやく書き始めても、それは自分自身の文章とは思えないほど悲惨だった。
気持ちが文章に出ているのだ。
僕はそれ以上書く気にはなれなかった。
こんな状態でまともな小説が書けるはずがない。
こんな文章で伝えたいことが伝わるはずはない。

今は……無理だ。

そして、みんなと普通に接することも無理だと感じた……

Re: 改訂版、(コメは禁止っす……) ( No.57 )
日時: 2008/04/29 06:25
名前: НΙММЁL ◆MEER.m/asI (ID: Wl8kRSYB)
参照: 電脳空間に閉じ込められた彼らは脱出できるのか……?【 『REGAINⅩ』  】                  ____________『 Turns 』〜小説掲示板物語〜 もよろしくお願いします

僕はすべてのことを雑談掲示板で他の人に伝えて、その後、自分の小説にあることを書き記す。


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   Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 
  名前:TIL◆LIrXODpGRg

      大事なお知らせです。

   僕は、しばらくこの掲示板から去ろうと思います。
   理由はご存じかもしれませんが、あえて言う気はありません。
   わかってくれている人はそれでいいし、知らない人は知らなくてもいいと思うからです。

   いずれにしても、僕の気持ちの収集がつくまで小説も書けませんし、
   皆さんと楽しく会話することも無理かと思われます。
 
   ただ、約束したいのは……
   かならず、戻ってきます。
   それだけです。
 
   ……って、別に僕がどこへ行こうが関係ないですね。
   失礼しました^^

   では、この辺で。
   また会うときまで……

————————————————————————————————————————

今は、去らないといけない。
前にも一度……確か荒らしの緑ってやつのときも去ろうとした。
しかし、そのときとはまったく状況は異なる。

親しい親友の裏切り。
それは荒らしをされることよりも、何十倍も僕の心に衝撃を与えていたのだった。
それを僕は認めたくなくて、誤魔化しながら今を耐えていた。
だけど……それももう限界だった。
ここに来たコメントの返事は、詩穂がちゃんと返してくれるはずだ。
さっき雑談掲示板にてそうお願いしたのだ。
詩穂は暖かく受け入れてくれた。


————————————————————————————————————————

   Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 
  名前:ミノ◆durj42k

   私はレナさんが好きなようにやればいいと思います。
   レナさんがやり直したい!また皆さんと仲良くしい!
   って思っているのならみんなと仲良くしたらいいですよ?
   逆に私はもうココにいる資格なんて無い!ッて思うのならば、そうすればいい。
   まあ、こんな事おもってなさそうですが……。 
   でも、私ならココにいます。
   もう一度、やり直します。
   なぜって、ココが好きだからです。
 
   レナさんもやり直してみればどうでしょうか?
   って、私が決めることも、こんな事を言う立場じゃないですけど……。
   TILさんはきっと戻ってきます。
   必ず。
   だから、戻って来た時のために誤って許してもらって、
   それで、今までのことを悔い改めて、また出発したらいい、と 私は思っています。
   けど、悔い改めたからって、今までの事を忘れるのではなく、協力してみてはどうでしょうか?

   長文失礼しました。
   でも、これが私の気持ちです。

————————————————————————————————————————
   Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 
  名前:YUI◆NHenENwLeo

   レナさん、残ってください!
   それが罪の償いでもあり、TILさんへの謝罪にも繋がると思うんです。
   私の勝手な想像ですけどね。

  もしかしたら、レナさんはTILさんをとても傷つけてしまったかもしれない。
   それでも、私はレナさんには残って欲しいです!
 
————————————————————————————————————————
   Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 
  名前:雪蝶,セラ◆mu19bua

   TILいなくなっちゃうの!?
   あ、でも帰ってくるんだ。よかった。
 
   正直、レナを責めたい気持ちもある。
   でもね、そんなことをしたらきっと、逆にTILを傷つけちゃうと思う。
   だから責めないよ。
   それよりも、やっぱりここで全部償うべきだよ。
   それが一番正しい道だと思う。

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   Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜 
  名前:レナ◆6GuKmWraSc

   みんな、ありがとう。
   全部が全部、私のために言ってるわけじゃないってことはわかってる。
   TILの身を案じてるんだよね。

   でも、ありがとう

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そこにつづられていくのは、ただの電子情報。光によってデジタル化された文字でしかない。
だがそれは、このネットという媒体を通じて、この大きな世界を繋いでいる。

その文字にはなんの意味もないかもしれない。
だが、それの先には人の思いが詰まっているのだ。
たとえそれが、顔の見えないただの赤の他人だったとしても、だ。

人にしか成し得ない、人の作り出したこの世界。
それはとても素晴らしいものだった。