ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 改訂版、(コメは禁止っす……) ( No.58 )
- 日時: 2008/04/29 06:26
- 名前: НΙММЁL ◆MEER.m/asI (ID: Wl8kRSYB)
- 参照: 電脳空間に閉じ込められた彼らは脱出できるのか……?【 『REGAINⅩ』 】 ____________『 Turns 』〜小説掲示板物語〜 もよろしくお願いします
5,『The Answer is……』
+32日目+
まるで夢から覚めたかのような朝だった。
何かが僕の中からすっぽりと抜けてしまったような……解放感、いや、喪失感と言うべきか。
自分が何を考えているのかもはっきりしない。
僕はしばらく、そのままベッドの上に寝転がったままボンヤリとしていた。
「学校遅れるわよー!」
下から、母さんの声が聞こえてくる。
僕はなぜか、そんなことはどうでもいいと思ってしまった。
もう何をやる気力すら起こることはなかった——
結局、僕はそのままベッドに寝転がったまま、学校が始まる時間になってもそこから動くことはなかった。
無断欠席になるだろうが、そんなものは気にするに値しない。
今の僕はそんな考えしかもつことが出来なかった。
なぜこうなってしまったのだろうか……
レナのせい……いや、僕の意識が弱かったせいだ。
そして、夢と現実の区別が付かない自分……
そもそも、PCの世界は夢なのだろうか?
その考え方がおかしいのではないだろうか……
まず、PCの世界と現実の相違点とは何か?
現実は、相手と直接向き合いながら、表情、動作、口調、そして周りの状況を把握しつつ話をしていく。
より精度の高い会話が出来るが、その文躊躇というものが出てくる。
例えば、相手の表情が怒っていたときに、わざわざ自分の勝手な発言をしたりはしないだろう。
それに対して、PCの世界はどうだ?
顔、表情、しぐさ、口調(これは何とか言葉で表すことができるかもしれない)など、
言葉以外のものを把握することはできない。
しかし、それ故に年齢、性格、容姿など、初めから持っている固有のものを出す必要もなく、
他の人間として生きることができる。
だが、文章でしか自分の考えを伝えられないため、思想のすれ違いや摩擦などが生じやすいし、
他の人が今どのような気持ちなのかも知りうるのは難しい。
この、PCと現実の差は、まさに理想の夢と、変えることの出来ない現実だ。
だが……ひとつだけ本物の夢ではないところがある。
現実と密接に関係しているのだ。
例えば、現実で嫌なことがあって気分が鬱気味のとき、それはネットにもはっきりと表れる。
おそらく、そこで気持ちをころっと変えることが出来る人は少ないだろう。
そして逆も言える。
ネットで嫌なことがあれば、おそらく現実で物や他人に八つ当たりすることもあるだろう。
またはひとりで塞ぎ込むか……。
今の僕がその状態だ。
ひとりで塞ぎ込んでいる。
ネットは仮想空間で、夢でもある。
だが、その向こう側にいるのはまぎれもなく現実の人間。
自分が作り出した妄想でも、コンピューターでもない。
間をつなげているのはテクノロジーであるが、それを使うのは自分と同じように生きている人間。
現実とそう変わらないのだ。
ということは、やはりPCの世界を夢と考えるのは間違ってはいないだろうか?
そこで僕が考えついた言葉。
『夢は現実の続きであり、現実は夢の中から生まれる』
実際にそうではないか?
夢は現実で成し得なかったことを理想として作り上げられ、その理想を現実として実行しようとする。
要するに、僕の夢とは、寝ているときに見る夢ではなく、希望として見る夢……理想だったのだ。
僕はベッドから起き上がり、PCの電源を付けた。
コメントはしないとは言っても、見るだけは見るつもりだったのだ。
学校さぼってPCやっているとばれたら、ただごとでは無いが……
まあ、母さんもどこかへ出かけてしまっているし、問題はないだろう。
いったい、今の僕はどうしたいというのだろうか?
あの場所へ帰りたい?
それとも永遠にあの場所へ行きたくない?もう辛い思いはしたくない?
自問自答したところでわかるわけもなく、その間にPCのデスクトップ画面が表示された。
僕はゆっくりと、小説掲示板αへのショートカットをダブルクリックする。
それが、最後の別れのためなのか、再びそこへ戻る軌跡となっていくのか……僕には予想できなかった。
- Re: 改訂版、(コメは禁止っす……) ( No.59 )
- 日時: 2008/04/29 06:26
- 名前: НΙММЁL ◆MEER.m/asI (ID: Wl8kRSYB)
- 参照: 電脳空間に閉じ込められた彼らは脱出できるのか……?【 『REGAINⅩ』 】 ____________『 Turns 』〜小説掲示板物語〜 もよろしくお願いします
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Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜
名前:レナ◆6GuKmWraSc
TILさん!
私は今思うととても悲しいことをしていました。
それをTILさんがわからせてくれました。
うしても戻ることはできないんですか?
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まずはそう書き記されていた。
「ごめん、レナ。今は君と向き合うほどの力はない……」
ひとり、僕はモニターに向かって呟いた。
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Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜
名前:詩穂◆SLootE8BKs
どうも〜
TILに代わって、詩穂が返答させてもらいます!
私の意見ですが、レナさんにもなにかしら事情があったんですよね?
私はレナさんをただ楽しむだけで荒らしをする人だとは思っていません。
でも、他の人を傷つけてしまったのは事実…しかも、友達を裏切るなんて言語道断です。
でもレナさんは戻りたいんですよね??またみんなと仲良くしたいんですよね??
だったら私が止める資格はありません。
TIL、そしてみんなにも謝って許してもらえれば、もう大丈夫だと思います。
謝ったあとは普通にここの住人として仲良くしましょう。
きっとみんなもわかってくれるはずですから…
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詩穂がちゃんと返答してくれていたようだ。
頼んでおいてよかった……
僕は画面をスクロールしていく。
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Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜
名前:焔 白牙◆tr.t4dJfuU
本当なら、レナはここから去ったほうがいいんでしょう。
でも、だれもそんなことは願っていない。
TILさんもきっと同じ。
たぶん、TILさんはレナさんがここでやり直してくれることを願っているんだと思う。
だって、そういう人だと思いますから((
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そう、僕が一番に願っていることは、レナがここからやり直す……新たに再出発すること。
過去を消すことは出来ない。だけど未来を変えることは出来る。
もしレナがここからいなくなったとしても、何かが変わるだろうか?
いや、何も変わらないだろう。レナも、僕も……
きっとまた、同じことを繰り返すだけ。
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Re:FΟЯЕVЕR『ΙЛΜЕ』〜俺に出来る最善のことを〜
名前:レナ◆6GuKmWraSc
正直、早く帰ってきてくれないと、悲しくなるなぁ・・・
今までこの場所にいることが当たり前だと思っていた
でもそれが突然いなくなる
いつ戻ってくるかわからない
私のせいで居なくなってしまったのかもしれない
ていうかきっとそう。
自分じゃ何もできない
ただ帰ってくるのを祈るだけ
こんなに悲しい事だったんだねぇ・・・
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僕は、この場所に戻りたいのだろうか?
それとも、二度と行きたくないのだろうか?
自らの心に問いかけたところで、答えなど出るはずもなく、その言葉はただ頭の中を回転するだけ……
僕はPCの電源を落として、ベッドに潜り込んだ。
今の僕に、あの掲示板の続きを見る気力はなかった。
ただこの現実から離れたかった……。
だから、友達なんて作らなかった。
それは、他人と関わることが苦手でも、嫌いでも、さらには必要ないということでもなかった。
僕は、友達に裏切られることを恐れていただけだった——