ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

名前のない悪魔が語る物語
日時: 2009/09/06 16:02
名前: 姫条 (ID: aJ6GzmmV)

初めまして、姫条と申す者です
文章能力はとても低いのですが、文を書くことは好きなので、ここで小説を書かせて頂きます

*注意*

・大変お見苦しい文かとは思いますが、荒らしや中傷はお止め下さい

・姫条はとてもめげやすい人です
 コメントやアドバイスなどは優しい言葉でお願い致します

・更新は多分遅くなると思います

以上のことをご理解頂いた上で読んで下さると嬉しいです

Page:1 2



Re: 名前のない悪魔が語る物語 ( No.1 )
日時: 2009/09/06 16:19
名前: 姫条 ◆HTN2Bs2lrU (ID: aJ6GzmmV)

〜プロローグ 森の中に住む者〜

夏の生暖かい風が吹く夜。
月は高く上り、闇よりも深いとさえ思われる森を、明るく照らし出していた。

深い、深い、森の奥。
月の照らす、森の奥。

月とは別に、森の中を照らす小さな光があった。

その小さな光の正体は、森の奥の少し開けた場所にポツンと建った、小さな小屋の窓から洩れる光であった。


この小屋の主は、限りなく人に近く、そして…

———人ではない者。


深い、深い、森の奥。
小さな、小さな、小屋の中。


住んでいるのは、一人の悪魔と…

Re: 名前のない悪魔が語る物語 ( No.2 )
日時: 2009/09/06 16:33
名前: 姫条 ◆HTN2Bs2lrU (ID: aJ6GzmmV)

〜第一話 寝付けぬ少女〜

小屋の中、ドアをくぐったすぐ目の前には、今はまだ使われていないのだろう、鉢植えの花や観葉植物などが飾られた暖炉があった。

そして、その暖炉の前に置かれた揺り椅子に座り、本を読んでいる青年が一人…。

彼はこの家の主。
限りなく人に近い…

———悪魔。

艶やかな黒髪と、深い藍色の瞳が美しい端正な顔立ちの悪魔は、揺り椅子に座ったまま、ただ黙々と本を読み進めていた。

…と、

カチャリ

小さな音がして、暖炉を挟んで右側の壁に付けられた
木のドアが、ゆっくりと開いた。

Re: 名前のない悪魔が語る物語 ( No.3 )
日時: 2009/09/08 19:48
名前: 姫条 ◆HTN2Bs2lrU (ID: VJgd52Wn)

「ん?」

悪魔は本を閉じると、静かに顔を上げ、ドアの方を見た。

「……。」

彼が視線を向けた先、ドアの前には、白いノースリーブのワンピースを着た、13歳くらいの年齢の少女が無言で立っていた。

パタン

少女はトロンとした眠そうな瞳をこすりながら、後ろ手に、今自分が出て来た木のドアを閉めた。

「おや、ユリア。起きてしまったのですか?」

悪魔はそう言って、少女…ユリアに優しく微笑みかけた。

「……。」

しかし彼女は相変わらずの無言のまま、ススス、と悪魔に近付いた。

「それとも…寝付けなかったのですか?」

悪魔も悪魔で相変わらず笑みを絶やさず、自分の足元にちょこんと座った少女に声を掛けた。

「……。」

「……。」

数秒の沈黙のあと、ユリアは悪魔の膝の上に上半身を乗せると、やはり何も言わずに、ただ悪魔を見上げた。

「ふふ…。」

そんな彼女を見下ろしながら、悪魔はふわりと笑う。

「どちらにしろ、今貴女が起きていることに変わりはありませんね。
 …それなら」

彼はそこで1度言葉を切ると、

「お話を、1つ。」

変わらぬ笑顔でそう続けた。

Re: 名前のない悪魔が語る物語 ( No.4 )
日時: 2009/09/08 23:02
名前: 姫条 ◆HTN2Bs2lrU (ID: VJgd52Wn)

「これは、私が実際に見たお話です。」

そして、名前のない悪魔は語りだす。

〜第二話 【永遠のお姫様】〜

昔あるときあるところに、それはそれは美しいお姫様がおりました。
お姫様は美しいだけではなく、とても強い方でした。

お城のパーティーではいつも花形、剣術のお勉強ではお国の騎士にも勝っていたそうです。

しかし、姫の18の誕生日のときでした。

お城での盛大なパーティーを終え、自室に戻ったお姫様はこう呟いたのです。

「私(わたくし)は…全てのものに恵まれている。
 強さも美貌も財産も…全ては私の意のままになる…。」

「でも…」

「でも、強さも美貌も財産も…全ては全て、永遠ではない…。」

姫はそこで一息吐く(つく)と、こう続けました。

「私はこのまま年老いてただ虚しく死んで逝くのはいや…!」

「私は…」

「私は、永遠が欲しい!!」

彼女は「永遠」を欲しがりました。


可哀そうに、そこから全てを狂わせて行くとも知らずに…。


Page:1 2



この掲示板は過去ログ化されています。