ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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人 形 ワ ル ツ
日時: 2009/09/20 16:27
名前: 紅姫 (ID: vQ/ewclL)

—————ねぇ、知ってる?





この学校の不思議。








ほら、体育館倉庫に古いフランス人形あるじゃない?


その人形、夜な夜な活動してるみたいよ?







嘘じゃないってば。

目的はわかんないけど、なんだか不気味じゃない?














あくまでもうわさなんだけど。

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Re: 人 形 ワ ル ツ ( No.1 )
日時: 2009/09/20 16:32
名前: 紅姫 (ID: vQ/ewclL)

第一章  愚かな人形









体育館倉庫にあるフランス人形の噂。

あたしの学校はその話で溢れている。



馬鹿らしいなんて思っている。

そんなオカルト…。







でも、少し興味があったのは嘘ではない。








これからあたしがやる行動は、ほんの些細なことで始まったんだ——————。











「ナナ!一緒に理科室行こー。」



「うん。」






あたしはナナ。高校二年生。


背が小さいためか、年が下回るのはよくある話だ。






今話しかけてきた子は、あたしの友達の愛美(マナミ)だ。

Re: 人 形 ワ ル ツ ( No.2 )
日時: 2009/09/20 16:36
名前: 紅姫 (ID: vQ/ewclL)

「そう言えばナナもう知ってるよね?体育館倉庫の謎。」





「愛美までその話?」






愛美が言ってるのは、言うまでもなくあのフランス人形のこと。


ちょっと呆れる。






「あ、そうか。ナナはあまりこんな話信じないよね。」







愛美は思い出したように言う。

確かに興味はあるが、全くと言っていいほど、こんな話は信じない。



というか信じる方がどうかしてると思う。







「当たり前でしょ?証拠もないのに馬鹿らしいと思う。」



本当に…。




誰がこんな噂を流したのだろう。

どうせ暇つぶしに全校生徒を騙そうとしてる奴なんだろうけど。

Re: 人 形 ワ ル ツ ( No.3 )
日時: 2009/09/20 16:44
名前: 紅姫 (ID: vQ/ewclL)

「う〜ん、証拠って言うか、証言はあるみたいだよ?」



愛美がなだれるように言う。






「証言?」




「うん。ある一人の先輩がね、体育館倉庫を掃除してたらしいの。そうしたら昨日までは正面を向いていた人形が、窓側を向いてて座ってたらしいの。」








愛美は淡々と話す。

あたしは小さくため息をついた。






「それが証言?誰かが動かしたんじゃないの?」








あの体育館倉庫は、古いが誰もが使っている。

体育で使う道具は一式そこに入ってるし、不良のたまり場にもなってるらしいし…。




そして愛美が言ったように、掃除場所ともあるし…。








「まぁそうなんだけどね。だけど面白くない?ワクワクしてこない?」



愛美はあたしに同意を求める。





「別に…。まぁちょっと興味はあるけど。」




愛美は、「そうだよね。」と付け足した。

Re: 人 形 ワ ル ツ ( No.4 )
日時: 2009/09/20 16:49
名前: 紅姫 (ID: vQ/ewclL)

あたしはその日の放課後、体育館倉庫に向かった。

愛美と一緒に。






愛美がいきなり、「真実を追い詰めよう!!」なんて言い出して、あたしは渋々ついてきてる…ってわけなのだが。








「ほこりっぽね〜。ちゃんと掃除してるの?」




なんて愛美は文句を言う。

確かにほこりっぽいし、そこらへんにタバコの吸殻が落ちている。



さらにまだ昼間なのに、窓が一つしかないせいか薄暗い。







…こんなのあたしが言うのはおかしいが、本当にお化けとか出てきてもおかしくないくらいの雰囲気だった。





「あ、これだよ。例のフランス人形。」






愛美は窓の方の人形に指差した。

そこには小さくて可愛らしい人形があった。






金髪に長い髪をやわらかいパーマにかけて、吸い込まれそうな青い瞳。

綺麗で豪華な人形が着ているワンピースは、桃色で包まれていた。





こんな体育館倉庫には合わないくらいに、美しくて華やかな人形だった。


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