ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- あいつと悪魔と……
- 日時: 2009/09/21 16:25
- 名前: 葬儀屋 ◆cQaFbCAsNs (ID: mZiC8SdU)
初めまして〜♪
黒執事と神話が大好きな小6でぇすw
物語としては、死後の世界の住人が悪魔を交えて繰り広げる、最初はシリアス感溢れない話ですが、徐々に暗くなってくと思いまする(・ω・)
小学生なんで、文の作り方とかなってないと思いますが、どうかよろしくお願いしま〜す(´ー`)ノ
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- Re: あいつと悪魔と…… ( No.1 )
- 日時: 2009/09/21 16:33
- 名前: 葬儀屋 ◆cQaFbCAsNs (ID: mZiC8SdU)
人間は死んでも、また来世に生まれ変わることが出来る——そんな話を、一度は耳にしたことがないだろうか。
そんな話あるわけがない、あるいは次は何に生まれ変わるだろうなど、反応は人様々だろう。
しかし、断言しておく。信じるにしろ信じないにしろ、その話は実話だ。ただ厳密には、「生まれ変わる」のではない。
人間は死ぬと、体から抜けた魂がこの世とは違う世界で、ある選択ができる。「天魔監視協会」の一員になるか、そのまま天に昇って、死後を過ごすかだ。
天魔監視協会とは、「天より悪魔の監視を命ぜられた」、死後の世界「冥界」に存在する機関である。
悪魔とは、自然界における「負の気」が実体化した精霊だ。
本来は魔界という、人間たちが住む世界とは異なる世界に住んでいるが、度々魔界から出てきては人間たちを言葉巧みに誘惑し、その者の願いを叶える代わりに、命を奪っていく——。
その悪魔を監視し、人間界で好き勝手して、世界のバランスを崩さないようにするのが、天魔監視協会の仕事だ。
天魔監視協会に勤める者は、"悪魔祓い師"と言う。死後、望む者は誰でも悪魔祓い師になることができる。
基本的に不死の体になり、人間界と自由に行き来ができたり、魔力という悪魔と戦うための特別な力を得たり——と、様々な特権があるが、同時に悪魔祓い師としての義務を果たさなければいけない。
悪魔祓い師は、皆が皆"同じこと"をするわけではない。天魔監視協会にはいくつかの分野に分かれていて、人間界で悪魔が関わっている可能性があると指摘した事件の調査をし、悪魔を鎮圧する実戦部隊の「治安維持課」、対悪魔用の武器や、様々なサポート用品を作る「技術開発課」、悪魔の犯した行動に有罪か無罪の判決を下し、「治安維持課」へ強硬手段による悪魔の鎮圧許可(現行犯なら許可なしで可能)も出す「司法課」、その他事務全般を担う「総務課」。
これらが主要となって(他にも課はある)、天魔監視協会を支えるのだ。
この話は、天魔監視協会日本地区の「治安維持課」に属する悪魔祓い師の少年の物語である。
*
冥界にそびえ立つ、建物全体が白い大理石で出来た、「天魔監視協会」日本地区の巨大なオフィス。
オフィスの周辺には、悪魔祓い師用の住宅が多数建ち並んでおり、大規模な住宅街のようだ。
その中の一軒家、グレーを基調とした二階建て家。ここには、男とは思えないほどの美貌を持つ少年が住んでいる。
雪のように真っ白な肌に、腰が隠れるくらい伸びた美しい銀髪、目が大きく幼さの残る、女性のような顔——加えて長身ときたもので、見る人はほぼ確実に「モデルのような"女性"」と間違える。
今現在、この少年は自宅の二階、自分の部屋のベッドで……。
「ぐぅ〜……」
非常なマヌケな顔をしながら寝ていた。
彼は榊原凛。享年でいうと、16歳だ。
前記にある通り、非常に綺麗な容姿をしているために、男女関係なく慕われるが、本人は自覚していない。だからこそ、凛が慕われる一因になっているのかもしれない。
そして凛の家には、彼が預かっている少女がいる——。
「おっはよ〜! り〜んきゅ〜ん!」
部屋の扉が勢いよく開き、中に黒いキャミソールを着てミニスカを穿いた、肩にかかるくらいまで伸びた黒い短髪の小柄な少女が入ってきた。
彼女こそ、わけあって凛が預かっている少女、名を叶(ゆな)という。
天真爛漫で純粋、色々なことに興味を持つ少女で、叶にとって凛は親であり、兄みたいな存在となっている。
裏表のない優しい少女なのだが、享年は9歳と非常に短い人生だった上、死因がいまいちはっきりしていないなど、無邪気な笑顔の裏に謎がちらちらと見え隠れしている。
「ほらほら凛く〜ん、早く起きて〜。ボクお腹減っちゃったよぅ」
叶はベッドで寝ている凛に馬乗りになり、ゆさゆさと凛の体を揺する。
すると、凛は「うーん……」という唸り声を上げて、目を覚ました。
「……叶……今、何時だ……?」
「ふぇ?」
凛に現在時刻を聞かれたので、叶は先程リビングで見てきた時計が指していた時刻を思い出す。
「う〜ん、7時くらいだよ」
それを聞いて、凛は体の上半身だけを起こした。
今日は非番だが、叶は腹を空かせている。食事の支度をしなくては……と、凛はこれ以上、おちおち寝てもいられなかった。
「とりあえず……降りてくれない?」
「ふえ? あ、ごめ〜ん」
叶は「よいしょ」と、凛の——ベッドの上から降り、それに続いて凛もベッドから降りると、窓のカーテンを開けた。
今日は快晴だ。冥界の太陽は、人間界の太陽と何ら変わりない輝き見せる。……が、どこかが違う気もする。
凛は、部屋の箪笥から黒を基調とした私服を取り出して、叶に言った。
「さて……着替えるから、ちょっと下で待ってて」
「あ、うん……凛くんも一応、男の子だっけ」
叶はいそいそと、部屋を出ていった。
「……そんなに女っぽいか? 俺……」
*
凛は着替え終わった後、洗面所で顔を洗ったり身嗜みを整えたりする。
その後、朝食を作るのだ。叶を預かってからというもの、炊事洗濯などを以前よりもこなさなくてはならなくなり、そのお陰もあってか現代のちゃらけた女性などより、格段に上手くなってしまった。……いいことではあるだろうが。
キッチンで凛は、愛用の黒いエプロンを身に着け、冷蔵庫から食材を出す。
(今日の朝は……あれとこれと……)
メニューを頭の中に浮かべ、凛は調理器具を取り出して、作業に取り掛かる。
すると、リビングでソファーに座りながらテレビを見ていた(なぜ冥界で映るのかは不明。ある施設が、人間界から電波を拾っているとか)叶が立ち上がって、ひょこひょこと凛の傍に寄ってきた。
「ボクもお手伝いする〜!」
流し台で野菜を洗っていた凛は、首を後ろの方へ捻って叶を見ると、
「ん? じゃあ……まず、卵を溶いてもらおうかな」
と、言って野菜に視線を戻す。
叶は「はーい」と言って、キッチンのテーブルに置いてあった卵を割り、近くのボウルに中身を入れると、テーブルの脇にある箸立てから箸を取り、掻き混ぜる。
「ねえ凛く〜ん、今日お仕事ないんだよね〜?」
卵を掻き混ぜながら、叶は前を見て凛に聞く。
「まあね。呼び出しさえなきゃ」
凛は、既に野菜を洗い終えていて、それをテーブルの爼に乗せ、椅子に座りながら包丁で切っている。凛と叶は、テーブルを挟んで向かい合った状態になっていたのだ。
「じゃあじゃあ、リリスちゃんのお家に行こうよ〜」
すると途端、凛の顔が引き攣った。
「べ、別にいいけど……」
「どうかしたの?」
叶はそれが気になって、尋ねてみた。
「いや……ちょっと、気が引けるな……」
「?」
なぜ乗り気ではないのか、叶には理解できなかった。
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