ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 鬼ごっこは永遠に。
- 日時: 2009/10/03 11:14
- 名前: *美玖亜 (ID: lTlVXzN9)
おはようございます、『*美玖亜』です!
あー…、今はこんにちはの時間かな?((ty
———とにかく『*美玖亜』です、初めまして!((逝ケ
ライト小説しか書いてないので、ダークにも挑戦してみることにしましたっ(((
文力0な私ですが、見守ってくださると嬉しいです←
全ては読者様のために!!((読者いるのか
宜しくお願いしますっ('-'*)ヨロシク♪
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山瀬 美奈/ヤマセ ミナ
主人公。南翆蘿中学に通う14歳。
丁度1年前に転校してきた。
何故か1年前の過去のことを思い出せない。
波松 和哉/ナミマツ カズヤ
準主人公。美奈のクラスメイト。
優しくて頼れる人。
東 ひな/アズマ ヒナ
美奈のクラスメイトで友人。和哉に片思い。
森重 夕夏/モリシゲ ユウカ
美奈の幼馴染。
一年前に起こった事件——美奈が忘れている過去のこと——を教えに転校してきた。
謎の女の子。
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- Re: 鬼ごっこは永遠に。 ( No.1 )
- 日時: 2009/10/03 11:39
- 名前: *美玖亜 (ID: lTlVXzN9)
00.prologue 「闇夜の記憶」
「・・・・・・美奈、ちゃん・・・」
「こっ、来ないでよっ」
闇夜に光る満月で照らされた「それ」に私は言った。
何で私はこの子から逃げてるの?
分からない。
どうして?
「美奈ちゃん・・・待って」
枯れ葉や湿った地面を蹴りあげて、私はただ走る。
いや、走っていた。
「だ、誰かっ・・・・・・」
誰に言っているわけでもない、ただ恐怖から逃げようとする気持ちが言わせる、その言葉。
その言葉さえも、心臓の鼓動をより一層早く、大きくする。
「・・・・・・っ!?」
恐怖で思考が混乱していたのだろうか、足が木の根に引っ掛かり、私は当然というように転倒した。
枯れ葉とその間から覗く湿った冷たい土。
その冷たさは、余計に私の恐怖を大きくした。
「・・・・・・逃げ、なきゃ・・・・・・」
後ろから「あれ」が走って来てるかもしれない。
いや、もう追いついて後ろから手を伸ばしてる?
それとも追い越して前で待ち構えてるかも・・・!?
そんな恐怖に駆られながら、ただ必死に走った。
制服が汚れたっていい。
綺麗にまとめた髪がぐしゃぐしゃになったっていい。
あの子からもらったキーホルダーがどこかに落ちてしまってようと、お小遣いをためて必死に買ったケータイが無くなったっていい。
だから「あれ」に絶対捕まりませんように。
「っ・・・」
恐怖で涙がでた。
涙腺が弱まり、視界が一気に小さくなる。
涙で視界もぼやけた。
運動会のリレーのとき4位になっても、どれだけ怖いホラー映画を見たときも、おばあちゃんが死んだときも、泣かなかったのに。
なのに。
この涙は何?
恐怖から?
罪の大きさから?
「うっ・・・・・・く」
神様、お願いします。
罪を犯してしまった私を許してください。
- Re: 鬼ごっこは永遠に。 ( No.2 )
- 日時: 2009/10/03 12:25
- 名前: *美玖亜 (ID: lTlVXzN9)
01.「一年」
一面が白い部屋。
何もない空間。
「美奈、明日はね、学生でいうと・・・・・・入学式なんですって」
「・・・・・・ふーん」
あと少し日にちが過ぎると、ココに居る日数はちょうど一年になってしまう。
「あのこと」を一年が過ぎるまでに思い出せなければ、永遠にココに居ないといけなくなる。
この白い空間の中で、永遠に。
「・・・・・・あと少しで、一年が過ぎるわ。・・・・・・美奈、何か思いだしたことは無い?」
「ない」
私だってココに居たいわけじゃない。
何度も必死に思いだそうとした。
けれど、思い出せなかった。
『美奈さん、貴女なら思い出せるでしょう?』
『大丈夫よ。ママの娘だもの』
『まったく・・・・・・やっかいな娘だ』
『403号室の女の子、過去のことが思いだせないらしいわよ』
『怖ぁい・・・過去に殺人でもしたんじゃないの?』
『ありえるーっ、きゃはは』
皆、自分勝手なことを言う。
嘘ばっかりついて笑うんだ。
ママだって蔑むみたいな目をして私を見てる。
どうせ私は、
『美奈ちゃん』
「っ・・・・・・!?」
今、ほんの一瞬だけ、なつかしい女の子の声が聞こえた気がした。
かすかな、声・・・・・・。
「美奈? どうしたの?」
「今・・・・・・」
「あの子」の声がした。
思いだせないけど、なつかしい声。
昔、よくあの子と遊んだ・・・・・・。
「お母さん・・・・・・私、思い出したよ」
この時、過去の事を思いだした事を私は奇跡と思っていた。
実際は奇跡なんかじゃなくて「運命」だったのに。
愚かな私は「あの子」に捕まる事を自分から選んだのだ。
- Re: 鬼ごっこは永遠に。 ( No.3 )
- 日時: 2009/10/05 19:50
- 名前: *美玖亜 (ID: lTlVXzN9)
02.「懐かしい世界」
久し振りだった。
何もかも。
「———山瀬さん?」
「え、あ・・・・・・」
気が付くと隣の席の女の子が、心配そうに私の方を見ていた。
初めての学校で色々と驚いていたのだが・・・・・・変な奴に思われただろうか。
「ね、山瀬さんは学校に来た事ってないの?」
「う、うん・・・・・・私、その・・・病院にずっといたから」
「・・・・・・ふーん」
隣の女の子はそれだけを言うと、黒板に向き直った。
何がしたかったんだろう?
それにしても・・・・・・何、この意味不明な文章。
私の前には、ただひたすら文字———いや数式と言ったらいいのだろうか———が連なっている教科書が置かれていた。
元々、馬鹿だったし・・・・・・一年も勉強してないのに分かるワケないじゃん←
「・・・・・・でも、何か別世界って感じ・・・」
思わずハッとする。
ただボーっと考えていただけのつもりだったのだが、声に出てしまっていたらしい。
周りに聞こえていないかキョロキョロしてみた。
幸い、誰も気が付いていなかったらしい。
・・・・・・知らないうちに言ってしまうほど「学校」というのは私にとって別世界に思えていた。
緑の黒板、先生が言っている数式・・・一年前にも見た光景。
なつかしい光景。
それらは全て、これからの生活を楽しみにさせた。
・・・・・・期待してただけで、今からの生活に楽しいとこなんて何一つなかったけど。
- Re: 鬼ごっこは永遠に。 ( No.4 )
- 日時: 2009/10/12 11:54
- 名前: *美玖亜 (ID: lTlVXzN9)
03.「友達」
キーンコーンカーンコーン…
授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
それと同時に先生は教室から出ていく。
「・・・・・・・・・」
休み時間といっても、私には何もすることがない。
ただ窓の外の風景を眺めて過ごすことしか出来ない。
私にとっては休み時間なんて「一人」を実感させるだけの時間。
それなら授業を受けていたほうがマシというものである。
「やーませさんっ」
声がした方向に目をやるとクラスメイトが立っていた。
「・・・・・・えっと、東さん・・・」
「うん、東ひな。宜しくねー」
東さんは明るくて優しいと評判だ。
だからきっと、クラスで独りぼっちな私と友達になりにでも来たのだろう。
「山瀬さん」
「・・・・・・何でしょう」
東さんは可愛くニコッと笑うと言った。
「放課後、空いてる?」
*
「・・・・・・ここはどこなんでしょうか・・・」
思わずそんな疑問が口に出る。
「どこって・・・・・・執事喫茶だよ?」
「そんなこと平然と言わないで下さい・・・・・・」
「大丈夫大丈夫、すぐ慣れるよー。あ、太郎くんお水ちょうだいっ」
「お待ちくださいませ、お嬢様」
そう言うと「太郎くん」は笑顔で店の奥へと消えていった。
つか東さん・・・・・・常連でしょ、絶対。
「ほらほら、リラックスして山瀬さん」
呆れながらため息をつく私に、気がついた東さんはニコニコと笑いながら言った。
「こんなところでリラックスなんて出来ません」
「そうかなぁ・・・・・・僕はリラックス出来るけど」
「・・・・・・今『僕』って言いましたか?」
「え、あ、ううん……言ってないよ、気のせいじゃない?・・・あはは」
嘘だ。さっき言った、絶対……。
そんなことを考えながらも、わたしは気が付かないうちにリラックスしていくのだった。
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