ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 減亡ランアラウンド
- 日時: 2009/10/04 18:33
- 名前: 昏閭 ◆.hEDlZNDNA (ID: uNwwkKT9)
滅び亡くなりゆくセカイの片隅で、彼らは遊んでいた、走り回っていた。
勝利条件は……不明。
滅ぶも亡くなるもキミらしだい。
ねえ、遊ぼうよ?
登場人物
名前:寝白 来明 / ねじろ きあき 男
特徴:前髪が長い
名前:灯 柚也 / あかり ゆずや 男
特徴:三白眼
名前:崎阿 / さきあ 男
特徴:眼鏡
名前:楽灼 光琉 / らや みつる 男
特徴:童顔
名前:湯上 竜也 / ゆかみ たつや 男
特徴:尖った髪型
名前:未門 実鶴 / みかど みつる 女
特徴:長髪
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- Re: 減亡ランアラウンド ( No.1 )
- 日時: 2009/10/04 17:35
- 名前: 昏閭 ◆.hEDlZNDNA (ID: uNwwkKT9)
一話 「始まり」
普通なら人ごみが絶えない“はず”の交差点———…
「———鬼ごっこ?」
「ルール不明の…な」
「………」
たたずむ三人組。
一番最初に沈黙を突き破ったのはやけに前髪が長い少年——寝白来明(ねじろきあき)だった。
「……お前ら馬鹿じゃねえの?」
「?」
「そうかもな…ってゆうか馬鹿だよな。でもこんな状況だ、他に何をやらされてるのかわかないし」
無人の交差点を眺めながら言う。
「……でもさすがに「鬼ごっこ」はねぇだろ……」
…だって、起きたらなぜかここにいた…
見覚えの無いデカイ交差点、記憶喪失って訳じゃないし、こいう場合一番情報を得ている者を疑うのは当然だと思う(いや、確信はないが)。
ってゆうかなんで鬼ごっこ? 小学生じゃねぇんだからさぁ。もっとクールに、トランプとかカードゲームとか。
そんな事よりも一番驚いたのが見渡す限り無人だったことだ。
大都会のど真ん中に取り残されたような気分で周りのビルやデパートが視界を埋め尽くす。この時間帯なら人が嫌というほどいそうなだだっ広い場所だ。ちょっと不気味。ってゆうかなんで鬼ごっこ?
「だってポケットに『鬼ごっこのルールブック』なんて物が入ってたんだぜ?」
「オレニモアッタ」
……え゛?
「……え゛?」
すぐさま自分のポケットに手を入れると薄い紙のような物があった……(馬鹿な!?)
「あ……あった…」
「ほらな、だから多分鬼ごっこでもしてるんじゃないかって思ったんだよ」
「ウン」
……あ゛あ゛〜畜生…今のおれって超カッコ悪い……
あれ? でもなんでルールブックがあるのにあいつら「ルール不明」なんて言ったんだ?
そんな事を考えつつ寝白来明は自分の長い前髪を摘んだり引っ張ったりして時間をつぶした———…
- Re: 減亡ランアラウンド ( No.2 )
- 日時: 2009/10/04 19:11
- 名前: 昏閭 ◆.hEDlZNDNA (ID: uNwwkKT9)
二話 「ここは誰?私はどこ?」
十分前———…
ぇっと…ここはどこ……なのかな?
視界に広がるのはアスフェルト、ビル、デパート、エクセトラエクセトラ(その他もろもろ)灰色のコンクリート囲まれたおれ——寝白来明(ねじろきあき)はひたすら辺りを見回す。
太陽が一番高いところに昇っているということは今は昼頃だろうか?
とにかく辺りを探索することにした。寝ぼけていたのか一瞬、猫が空を飛んでいたような気がした……けどありえないよな、普通。
「…最近のネコは空が飛べんのかぁ〜〜…あははははははっ……」
でも眠かったからか、思考がイカレテ狂ったように笑ってた。
刹那、ものすごい睡魔に襲われ、一番近いベンチに腰を下ろすことにした訳さ。
———そして気がつけばドデカい交差点に横たわっていて、
「マヌケ面したヤツとアホ面したヤツがいた訳さ」
「…でぅゎれがマヌケ面だ? あ゛?!」
「マッタクダ、んぁ゛?」
いや、誰といわれましても……
「お前ら二人だってつってんだだろ〜がッ!!?」
三白眼でちょっと恐い感じのするヤツと、眼鏡をかけたいやらしい笑みを浮かべるヤツに両手の人差し指を向けた(なんか二銃流みたい)。
「「偉そうに言うなッ!!!!」」
あ〜ハイハイ解りましたよ、あははは…(さっきのおれ超カッコ悪かったなぁ……あははは)
そんな事よりも鬼ごっこねぇ〜あはははは、鬼に捕まったら爆発するのかなぁ? あははははは。それとも死んじゃうのかなぁ〜あはははは、最後まで生き残ったら願い事でもかなうのかなぁ? あははは。
ああ、馬鹿馬鹿しい。
「マズ情報収集、コノ辺リを探索シテ参加者ラシイヤツカラ得テイル有力情報ヲ手二入レタホウガ———」
「———じゃ、喉渇いたし俺達は自販機でも探すか」
「悪くないね、じゃあアホ面、情報収集頼むよ……って……あ…」
まるで世界の終わりを告げるような表情をする寝白。
「ど、どうした?」
「ハッ」
「……か、かかかか、か、」
真昼間なのに顔にものすごい陰影がつく寝白。
「かかか、か、金が……ねえ」
「な、なな何だと?!」
「…オ前ラ馬鹿ダロ?」
死ね、アホ面死ね。
「ソンナ事ヨリルール確認、お前ら読め!」
「俺は全部頭に入ってるからいい」
「ソウジャナクテコノ失礼なヤツガ、ダ」
「…へいへい、解りますた」
やる気の無い返事をしておれは『鬼ごっこのルールブック』という胡散臭い本を開いた。
- Re: 減亡ランアラウンド ( No.3 )
- 日時: 2009/10/05 18:14
- 名前: 昏閭 ◆.hEDlZNDNA (ID: uNwwkKT9)
三話 「る〜る」
『鬼ごっこのルールブック』という胡散臭い本(にも満たない薄い紙)に目を通す。
う゛……手書きだ。ポケットに入ってたせいか、グシャグシャになって読めない部分もある。
ド下手な文字の羅列に目を通しつつ、寝白はため息をこぼしていると……
「ネェ——」
「うわッ!!」
ったくなんだよ!
「ナァ、ナンヤカンヤデオレラッテモウ仲間ダヨナ?」
ああ、聞き取り辛いな、このクソッタレ。
「知らない……」
あえて否定しなかった。どんな不細工でも役に立つかもしれないと思ったからだ。
「まぁ、とにかく仲間って事で、な?」
もう一人の標準語のヤツが会話に割り込む。
「……いても困らないけど…さぁ…」
「嫌そうな顔で言うな!」
「マッタクダ」
…いても困らない、困らないのだが……
「やっぱお前らの事が信用できない…(初対面だし)…何より最初のルール不明ってのが怪しい……」
それにこれが夢って可能性もあるが万が一という事も考えて警戒心を緩めない……で、いると思う。
だって怪しすぎる。
鬼ごっこで死ぬっていう小説があるのは知っているがルールブックには死ぬという類のものがない。純粋に遊ぶためのルールとは思い難い演出だ。
それにやっぱり夢という可能性はいやがおう切り離さざろう得ないくらい鮮明な視界、かすかに聞こえる風の音、地面からくる薄っすらとしたアスファルトの臭い……
絶対に夢なんかじゃない、じゃあ、ここはどこだ?
「それどうやったら勝つのか書いてないんだぜ? 不明じゃん」
「ソノトウリ」
え゛?
「え゛?」
おれは慌ててルールブックに勝利条件らしいものが書いてないか探す……
「ねぇ…」
「だろ?」
「マッタクダ」
…でも、それじゃあゲームが成立しないんじゃないか? っつうか他にやってるヤツいんのか? それともコイツらのどっちかが「鬼」なのか? それよりも、えっと、えっと。
そんなことよりもマズおれは……お前らはいつから「ここ」にいたんだ?
「解らない」「ワカリマシェ〜ン」
……だよな。
「そんな事より名前聞いてなかったな、俺は灯柚也(あかりゆずや)だ」
灯クンね、了解しました。えっと標準語で茶髪のてめぇが灯な。覚えとくよ。って睨むな睨むな。恐いから、この三白眼とでもいうか目が恐いからちょっと見とれてただけだ。え? あ、おれホモじゃないからな。BLとかキモイとか思ってってからな。
「ふうん、で、さっきからウゼェのが崎阿(さきあ)、まぁ多少の事は流してやれ」
「ヨロシクネ」
崎阿か(クソ眼鏡で十分だ!)。
「…ぇっと…おれ寝白、寝白来明(ねじろきあき)…」
- Re: 減亡ランアラウンド ( No.4 )
- 日時: 2009/10/06 18:21
- 名前: 昏閭 ◆.hEDlZNDNA (ID: uNwwkKT9)
四話 「もう一つの場所で」
とあるデパート前———…
「えっと……」
「………」
あ゛あ゛〜もぉ、辛気臭いなぁ……
ボクは楽灼光琉(らやみつる)、
たまに小学生に間違われるほどの童顔らしい。背はそんなに低くないのにな……
服装はレモン色のパーカータイプの半袖に、地味な柄のズボンをはいている。
っま、正直どこにもいなさそ〜なレア人間ってこと、天然ってヤツ? あ、馬鹿じゃないからね?
「光琉さん、自分を棚に上げないでください」
上げてる……のかな?
そしてこの敬語を使っている少女は未門実鶴(みかどみつる)、敬語を使うのは他人行儀とかじゃなくて彼女のスタイルらしい。
昨日までショートカットだったはずの髪が必要以上に伸びている気がするが気にしないでおこう(なんかちょっぴり恐いから、嫌いじゃないけどね)……
「んな事より何でこんなとこいんのか考えろよ!」
でもってこの偉そ〜なのが湯上竜也(ゆかみたつや)、自分が殺し屋だとかふざけたこと言ってる中二病だ(中一なのに)。
特徴と言えばツンツンな髪型かな?
「それより、です」
「何?」
「何? じゃねぇ馬鹿ッ!!」
馬鹿とは失礼な、ボクは中間テストでビリじゃなかったぞ! 下から二番目だぞ! バーカバーカ。
「偉そ〜に言うなボケッ」
呆れたようすの未門。
「…学業の成績なんてこの際どうでもいいです、そんな事より———」
そんな事より何? トイレ? トイレなの? 女だから恥しい訳?
「下ネタじゃねぇか!!」
「黙っててください……」
「はい……」
さすがに今度こそ真剣に聞こうとしている湯上、彼の無駄に整った髪の毛が一瞬乱れたような気がした。
「そんなことより——」
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