ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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プレイヤーゲーム(グロあり)
日時: 2009/10/17 14:18
名前: テト (ID: VZEtILIi)

今まではグロ、といってもあんまグロくなかったけどこれはなー……、必死で控え目に書きます(笑

■登場人物■

紫藤マコト(しどうまこと)
15歳。163cm。52㎏。
シズナではちょっと有名な殺し屋。
武器名は「音速」

桃塚永久ももづかとわ
18歳。168cm。55㎏。
見た目通りのワル。一部から「モモさん」と呼ばれている。
武器名は「2ハンド」(ツーハンド)。

鬼田響きだひびき
18歳。167cm。50㎏。
クールな一匹狼。永久とは犬猿の仲。
武器名は「ウルフ」。

紅華月くれないかづき
17歳。159cm。43㎏。
しっかり者の黒髪美人。
武器名は「風月」。

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Re: プレイヤーゲーム(グロあり) ( No.6 )
日時: 2009/10/17 13:06
名前: 朝崎疾風 (ID: VZEtILIi)

        第一章
  巨大廃墟都市で彼らは騒ぎを繰り広げる


一人の少年が、シズナの道真ん中を堂々と歩いていた。
普通、いつ誰に殺されるかわからない為、道の脇を注意深く歩かなければいけない。
マフィアのボスなら、護衛はざっと数十人はいるが、少年は一人だった。

短い黒髪に、人当たりの良さそうな黒い瞳、パーカーに、黒いズボンを履いている。
その腰には、ベルトが巻かれており、そこには黒く光るパースエイダー銃が納まっている。
年齢は10代中頃ほど。

「今日も、暑いな」
空を見上げながら、そんな事を平然と呟いている。
その少年を、じろじろとシズナでたむろって居る男達が気に食わなさそうに睨んでいる。
「おい、この小僧!」
一人の男が低い声で少年を呼び止めた。
少年が振り返る。
身長は少年の2倍ほどありそうなその男は、手首をボキボキ鳴らしながら、

「ちったあ、道の脇通れ!邪魔だ、糞があっ!」
いきなり怒気を放ちながらそう怒鳴った。
少年は表情を変えずに、
「おい、おっさん。寝言言うなよ。道は広いから、俺みてぇのが真ん中歩いたっておっさん一人通れるには充分だぜ?」
「ざけんなっ!この糞餓鬼!」
「怒んなって〜。血圧上がって即死しちまうぞ」
「貴様ッ」

男がナイフを取り出す。
「今ここで滅多刺しにしてやろかあッッ!!」
「おっさん、それは……」
少年が素早くパースエイダーを抜き取る。
勢いよく、男の腹部に2発、撃ち込んだ。
「この“音速”を操る俺が誰だかわかって言ってんのかよ」
男が口から血を吐きながらその場に倒れる。
空薬莢が落ち、

「チッ。こんなグズに弾2発無駄にしちまった」
少年が舌打ちをして、顔をしかめた。
このシズナでは殺人は日常茶飯事に起こっている。先ほどの現場を見ていた人間も、やっぱり殺されたかというような目で倒れている男を見ていた。
「んで、ゲームはどこでやるんだっけか?」


発砲音が聞こえ、一人の少女が動きを止める。
黒い髪は長く、一つにまとめている。眼鏡をかけて、一見キツそうに見える美人で、動きやすそうな白い服を着ていた。年齢は10代後半頃。
その手には銀色に輝く銃。
少女は薄暗い部屋の中にいた。
眠そうだった目を開けて、窓から外を見る。

「誰か、死んだかな」
さも何でもない事のように呟いて、あくびを一つ。
「さて、と」
椅子から立ち上がり、銃をベルトのファスナーつきのスペースに入れて、
「ゲーム会場は、このシズナだったよね」
独り言を呟いた。

        
           †


「なあ、モモさん」
「んだよ、うっせーな」
シズナの中央の広場で、若い男達に囲まれた、若いボスのような少年が、煙草を吸っていた。
金髪で耳にピアスをジャラジャラ鳴らし、蒼い目を持っている。
年齢は10代後半ほど。
高価そうな服に、いかにも怪しそうな雰囲気を漂わせている。
その両手には、二つの銃が握り締められていた。

「けどよ、ホントに生きて帰れるのかねー」
「知らねーよ。でもゾクゾクすっだろ。祭りだぜ。この平凡でただ殺すか殺されるかのシズナで、こんな面白ぇ遊びはねえよ」
物騒な事を楽しそうに話した青年──桃塚永久が、八重歯を見せて笑った。

「んで?誰が出るんだよ」
「あちらに、“ウルフ”がいました」
「何?」

永久が指差された方を見て、ニヤリと笑った。
沢山の人間がいる中、その青年は一人で仏頂面で目を閉じていた。
「へぇ。あの糞野郎も参加すんのか」
「みたいですね」
永久の視線が捕らえている青年。
かなりの美形で、茶色の少し長めの髪が印象的だ。年は永久と同じくらい。
その腰に納まっているのは、とても珍しい銃だった。
一匹狼という雰囲気を漂わせている。

「あの野郎。この前俺の手に穴開けやがった」
黒い手袋をしている手の平を見て、永久が笑いながら呟いた。
「鬼田響……ッ、気に入らねぇなあ」

響と呼ばれた青年は、ゆっくりと目を開けて永久を睨んだ。
(あいつも……いるのか)
ため息を深くついていると、
「お、響もいんじゃん」
後ろからポンッと手を置かれた。
振り返らなくても誰だかわかっている。

「んだよ、このカス」
「あ、ひっどー」
先ほど、絡んできた男を殺した少年だった。
「このカス。絶対に手は貸さんからな」
「だ〜れがお前なんかの手ぇ借りるかよ」
紫藤マコトが、舌を出す。

それを見ていた永久が、
「誰?あいつ」
「紫藤マコト。ここらでちっと有名な殺し屋ですわ」
「へ〜。殺し屋ねぇ」
ニヤリと永久が笑う。
「面白ぇじゃん」

Re: プレイヤーゲーム(グロあり) ( No.7 )
日時: 2009/10/17 13:16
名前: シア ◆oQwO6pOV0U (ID: 83yASpp9)

おぉ、新しい小説だー♪←
 ずっと応援し続けます!
銃か、シアとは程遠い話だなぁ(遠くを見つめる)

Re: プレイヤーゲーム(グロあり) ( No.8 )
日時: 2009/10/17 14:14
名前: 朝崎疾風 (ID: VZEtILIi)

人の数だけ小説がある……。
             by疾風

Re: プレイヤーゲーム(グロあり) ( No.9 )
日時: 2009/10/17 15:10
名前: 朝崎疾風 (ID: VZEtILIi)

紫藤マコトは、ちょっと有名な殺し屋だ。
生半可な気持ちで入った不良たちが次々と殺される中、彼は生き延びた。
気持ちの持ち方が全然違う。
銃を持ったのは12歳の時だった。その当時、マコトの筋を見込んだ「天音」という男からその使い方を習った。
その天音も殺し屋の頂点で、マコトの実力がぐんぐん伸びた。

「んで、お前も参加すんだよな」
「当たりめーだ」
鬼田響はいつからシズナにいるのかわからない。2年前、街頭にいた男達数十人を一人で殺したという凄腕のガンマン。
どこにも所属せず、一人で生きている。
二人が話している“参加”とは、とある謎の組織から課せられたゲームの事だ。

今からおよそ2ヶ月前。

シズナに張り巡らされているスピーカーから、ある伝言がシズナに住む血の気の多い奴らに伝えられた。

『我々は、ノアールという組織です。今からシズナ地区に住む皆様に、重大なお知らせがあるので、よく聞いていただきたい』

低い男の声で、シズナの都市がざわついた。

『今から2ヵ月後、とあるゲームを始める。その内容は、名前の通りただのゲームだ。このシズナでのゲーム……殺しだ。
このシズナのどこかに、我々が紛れ込んでいる。全員で8人。適当に片っ端から殺していけ。見事我々の軍を全て殺したものに、称号として、シズナの権力と、秘宝を授ける事とする!』

その言葉に、金と欲望が全ての輩が反応した。

『参加するものは2ヶ月後の午前10時。中央広場にて集合せよ。詳しいことはそこで話す。直、参加しないものについては知らん。シズナから出て行け。
我々の目的は、ただのアソビだ』


           †

「ノアールって、何なんだろうな」
「興味ねえよ」
「つれねぇ奴。俺、ちょっくら誰がいんのか見てくる。じゃあな」
響から離れ、マコトが周辺を見る。
(へぇ。随分な輩が多いじゃねーか。やっぱシズナの権力が欲しいってか)
マフィアの下っ端から、殺し屋、名前だけは聞いた事あるが、実際に会うのは初めてだ。

「ん?」
マコトの足が止まる。
その視線の先に居たのは、少女だった。
黒く長い髪を一つにまとめ、眼鏡をかけて、一見優等生に見える。
シズナには全くいないような雰囲気を持つ。
「ねえ、アンタあんま顔見ねぇけど、新人?」
軽いノリに、少女の顔が一瞬引きつる。

「いいえ。生まれた時からここにいましたよ」
「マジで!?でも俺お前見た事ねーけど」
「そりゃそうでしょうねえ」
少女が呟く。
「俺、紫藤マコト。お前は?」
「紅華月です」
「へぇ。何かあれだな。かっちょいいな!」

ハイテンションのマコトに、
「あなたも参加するんですね」
「つか、シズナで不参加な奴いねーんじゃね?」
「それもそうですね。もうすぐで10時なんですが」
腕の時計を見ながら、華月が呟く。
マコトは待ち合わせをしているように気軽に、
「早く始まらねーかなあ」
「殺しが、好きなんですか」
「あ?まあな。一応本職なんで」
「……殺し屋ですか」
「そ」

マコトがニカッと笑う。
「お前は?」
「私はマフィアの幹部の者です」
「その年で!?わっけー」
そんな話をしていると、スピーカーから音楽が流れた。
全員が黙り込み、静かになる。
しばらく音楽が流れる。終わると、
『これで、全員か』

2ヶ月前に聞いた、あの低い声が響き渡る。
『我々ノアール軍は、これから容赦なくあなた方を殺していきます。これだけの人数です。勿論、我々の殺せますよね』
「ナメんなよ、糞」
永久が小さく小さく呟いた。
殺気立っているのか、視線が鋭い。

『反則があります。シズナから出た場合は即失格。武器は何でも構わない。制限時間は特になし。途中棄権はできません』
「もし勝ち取ったのが二人だったらどーすんだよ」
男の一人がそう尋ねた。
『その場合は、多分我々はいないでしょうから、お二人、あるいはその複数の人でお決め下さい。ただし』

ごくりとマコトが唾を飲む。
『我々は、普通の人間ではございませんのでご注意を』
「意味わかんねぇぞ!」
そんなヤジが跳び、そうだそうだと次々に声が上がる。
『ですから、強いというわけです。ご了承下さい。では、今から十秒後。音が鳴ったらゲーム開始です』

華月が時計を見る。
細い針がチチチッと動いている。
「あと3秒。2、1」
ぷううううううううううううううううううっ!
というラッパのような気の抜ける音が響く。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!」
それぞれ、中央広場から散って行った。

「見てよ、あれ。人間て面白いねえ」
「……そうですね」
その様子を、少し高い所から二人の人間が見ていた。
一人はまだ幼い子供で、一人は男性だった。
「始まりましたね」
「ふふふっ。楽しみ。ボクらに勝てる訳ねえのに。バッカみたい〜」
くすくすと笑っている子供を、愛しそうに男が見つめる。

Re: プレイヤーゲーム(グロあり) ( No.10 )
日時: 2009/10/18 14:44
名前: 朝崎疾風 (ID: VZEtILIi)

ちょいあげ


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