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グランディアス
日時: 2009/10/17 09:57
名前: Ruin ◆o3vr1rJiTI (ID: LpcnUUvD)

どもっ!!Ruinです!
頑張るので宜しくお願いします!
感想・アドバイス等大歓迎です!
更新が遅くなる事もありますが、よろしければ見ていって下さい!

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Re: グランディアス ( No.1 )
日時: 2009/10/17 13:53
名前: Ruin ◆o3vr1rJiTI (ID: LpcnUUvD)

今日は晴れだった。
太陽の光が中庭を照らし、木が影を作っている。
デュランダルは、その木陰に座っていた。
妻であるレミスの出産が城の中で行われている為、デュランダルにはこうして時間を潰す他なかったのである。
あと、二時間程度で出産が終わるらしいが、まだ三十分しか経ってない。
時計を確認するが、時間は過ぎない。
デュランダルは、眠る事にした。
だが、その時誰かがデュランダルの名を呼んだ。
「デュランダル様。デュランダル様!!」
デュランダルはゆっくりと目を開いた。
「誰かと思えば・・・ナーシェじゃないか。どうした?」
デュランダルはナーシェに訊ねた。
ナーシェは満面の笑みを浮かべている。
「生まれました!」
ナーシェは言う。
デュランダルは首を傾げた。
「それは・・・お前が飼っている蛙の子供か?」
デュランダルは訊ねる。
ナーシェ・クォイスは城一番の変わり者だ。
ミミズを沢山集めて花束にしたり、団子虫で巨大な団子を作ったり・・・・・・。
蛙の子供が生まれると「生まれた〜!」と叫びながら城中を走り回ったりする。
それが一日だけならまだ許せるが何日も続くと最悪だ。
年に一度は必ず、城下町の住民から煩いとの苦情が来る。
「違いますッ!!レミス様の子供・・・赤ん坊が生まれたんです!!」
ナーシェは、デュランダルに言った。
デュランダルは耳を疑った。
「・・・何が生まれたって・・・?」
デュランダルは再度訊ねる。
「赤ん坊ですけど。なにか?」
ナーシェが言うとデュランダルは城へと走った。
ナーシェも後を追う。
デュランダルは階段を上り三階へ上がり、レミスの居る部屋へと入った。
「レミスッ!!」
デュランダルは、レミスの名を呼んだ。
レミスは目を開くと、デュランダルはレミスの隣に居た。
「デュランダル。・・・生まれたわ、私達の子が」
レミスは言う。
デュランダルはレミスの手を取った。
「赤ん坊・・・見たのか?」
デュランダルが訊ねると、レミスは首を横に振った。
デュランダルはため息をつく。
「俺が見てくるよ」
「頼むわ」
デュランダルは、部屋の戸を開ける。
「ナーシェ。赤ん坊は何処に居るんだ?」
デュランダルは小さな声で訊ねる。
「ディスペルクの所に居ます」
「有難う」
デュランダルは礼を言うと、部屋を出た。
ディスペルクの居る部屋は四階の奥だ。
デュランダルは近くにあった階段を上りディスペルクの部屋へと向かった。
四階への階段を上りきり、左折して直進。
ディスペルクの部屋へと辿り着いた。
デュランダルは中に入った。
中にはディスペルクが居た。
相変わらずパソコンを打っている。
「ディスペルク」
デュランダルはディスペルクの名を呼んだ。
ディスペルクはデュランダルを見る。
「デュランダル様でしたか。赤ん坊を見に来られたのですか?」
ディスペルクは訊ねる。
「そうだが・・・何か問題があるのか?」
デュランダルは答え、問う。
ディスペルクは立ち上がる。
「いえ。特にはありません。ですが、気を悪くしないで下さい。・・・こちらです」
ディスペルクは歩き出した。
デュランダルは後に続く。
コンピューターが沢山並んでおり、足元はコードだらけだった。
そのため薄い魔力のシールドが張ってある。
少し歩くとディスペルクが立ち止まった。
「あの中の赤ん坊です」
ディスペルクは指差した。
デュランダルは覗き込む。
だが、最初に出た言葉は・・・普通ではなかった。
「右手が・・・無い・・・・・・?!」
デュランダルは言った。
ディスペルクが赤ん坊の前に立つ。
「右手の素材が足りなかったと思われます。ですが、魔力、及び体力・知力も相当なものになると思われます」
ディスペルクは言った。
デュランダルは何も言えなかった。
「ですが・・・僕の力が及ばず、このような事になってしまったこと、深くお詫び申し上げます」
ディスペルクは言った。
デュランダルはディスペルクを見る。
「お前に罪は無いさ。お前だけでなく、他の者もな」
「そのお言葉だけで十分です。有難うございます」
ディスペルクは言った。
デュランダルは部屋を出ようとする。
だがディスペルクはデュランダルを呼び止めた。
「デュランダル様!!」
「・・・何だ?」
「あの。・・・レミス様から、預かり物が・・・・・・」
「後にしてくれ」
「だ・・・駄目です!!お願いしますッ!!」
「・・・・・・わかった」
デュランダルは言った。
ディスペルクはデュランダルに手紙を渡し、パソコンを打ち始めた。
デュランダルは部屋を出た。
そして、階段の所に来ると、封筒を開け、中を見た。

《デュランダルへ》
あなたがこの手紙を読んでいるとき、私はもうこの世に居ないでしょう。私の体の中には、<M>(ミュー)という異性物が入っていました。それを知ったのは三年前。私とあなたが出会って二年経ったころです。初めは、何かわからず、問題も無いと思い放置しておきました。ですが、ここ最近、頭の中に残酷な言葉が流れてきて、私を操ろうとするのです。私がこのようなことで操られる事はありませんでした。ですが、一年前。子供が宿ったとわかった日に、<M>が言うのです。「お前の赤ん坊を殺す」と。私は、操られる事も無かったので脅しだと思ってそれも放置しようとしました。ですが最近、あんなに動いていた赤ん坊が動かなくなったのです。なので私は、魂を使って秘術を使いました。赤ん坊を産むためだけに。産んだときはとても嬉しかったです。ですが、こうなっている今、あなたは赤ん坊の名を私につけてもらおうとするのでしょうね。
「ロアステイル」。私はロアステイルが良いです。あなたが決めてもいいのですよ。あくまでも提案なのですから。
それから、お願いがあります。
<M>を消滅させてください。<M>は言いました。「俺は世界を殺す」と。お願いです。<M>を消滅させてください。私からは以上です。後は任せました。
デュランダル・グランディアス。 
            レミス・グランディアス  

四枚にもわたって、レミスは書いていた。
<M>という異性物は、伝説上にしか存在しないと思っていた。
けど、存在していた。
俺は・・・・・・。
(赤ん坊を殺す。・・・・・・城にいる奴を殺す)
「!!!」
残酷な言葉が流れてきた。
デュランダルは少し混乱する。
(ロアステイルを殺す。絶対殺す)
デュランダルは、三階に下りた。
そして、レミスの居た部屋に入る。
(レミスを食べる)
<M>が語りかける。
デュランダルは頭を抱えた。
レミスを見て嘆き悲しむ余裕も無い。
「デュランダル様!?」
レミスの側近であるクォルテが心配して言う。
「クォルテ・・・。赤ん坊・・・ロアステイルの乳母は・・・?」
デュランダルは訊ねる。
クォルテは、手帳を開いた。
「シエラです。シエラ・ラティエスです」
クォルテは言った。
デュランダルは、クォルテの肩を掴んだ。
「頼みがある。シエラを呼んできてくれ」
デュランダルは言った。
二人の子供を・・・ここから遠ざけねば。
<Grandias>の聖血が途絶えてしまう。
デュランダルは王の間へと向かった。
五階の王室にはいったデュランダルは、玉座に座り、シエラを待った。
そして、五分後・・・。
シエラが入ってきた。
「デュランダル様。このシエラに何か御用で?」
シエラは訊ねる。
デュランダルは立ち上がった。
「俺の子、キスティスとロアステイルを連れて、この城を出よ」
デュランダルの一言に皆は耳を疑った。
シエラは、デュランダルの前に立った。
「デュランダル様!あなたは本気でおっしゃっているのですかッ!?」
シエラは叫ぶ。
デュランダルは頷いた
「俺の中には<M>がいる。秘術を使う事意外い、<M>を取り出すことなど出来ない。レミスもそうだった。赤ん坊を産むためだけに秘術を使った。そして死に、<M>は俺に入り込んだ」
デュランダルは頭を抱える。
「俺は俺でなくなるかもしれない。だから・・・二人の赤ん坊を・・・城の者と住民の安全をッ!!!!!」
デュランダルは手をついた。
「デュランダル様!!」
シエラは近づこうとする。
その時・・・後ろから声がした。
「シエラ・ラティエス!!デュランダル様から離れろ!!」
ディスペルクは叫んだ。
シエラはデュランダルから急いで離れる。
「ぐ・・・あああああああああぁあぁぁああああ!!」
デュランダルは叫んだ。
獣の雄叫びのようにすさまじく、皆が震え上がった。
シエラは頼まれた事を思い出し、王の間を出ようとする。
すると、ディスペルクがシエラの手を掴んだ。
「シエラ。すまないが俺も死なないという保証が無い。だから、すまないが俺の子供・ヴェルフェルミナを頼む」
ディスペルクは言った。
シエラは頷き、王の間を出た。
王の間を出ると、そこにはキスティスが居た。
「シエラさん・・・お父さんは・・・?」
キスティスは訊ねた。
きっとデュランダルのことだろうとシエラは思った。
「お父さんはね、疲れたからお休みになられるの。さあ、こっちにおいで」
シエラはごまかし、キスティスを連れて行った。
少し進むと、子供が歩いていた。
「シエラさんだ。こんにちは」
ヴェルフェルミナだった。
シエラはヴェルフェルミナに近寄る。
「ヴェルフェルミナちゃん。お願いがあるの」
「何?」
「デュランダル様の赤ん坊を連れてきてほしいんだけれど」
「・・・いいの?」
「いいの」
「じゃあ連れてくるね。三階で待ってて!!」
ヴェルフェルミナは言った。
シエラは、キスティスを連れて三階に下りた。
三階に下りると、ロアステイルをかかえたヴェルフェルミナが待っていた。
「遅いよ。・・・はい、どうぞ」
ヴェルフェルミナはシエラにロアステイルを受け渡した。
「有難う」
「どういたしまして」
「じゃあ。行こうか」
シエラは言った。
「何所へ行くの?」
キスティスは訊ねる。
「キスティスのお父さんと、ヴェルフェルミナのお父さんに頼まれたの。新しい家でしばらく暮らしてくれって」
「四人のお家?」
「そうよ」
「わーい!!」
二人は喜んだ。
シエラは歩き出す。
「じゃあ行くわよ!」
「はーい!」
こうして四人は城を出た。
シエラは思う。

この子達が真実を知った時、きっとこの子達は悲しむのだろう。

シエラは四人を連れて、カシェムの民が居るシェ—ザの里に向かったのだった。   

Re: グランディアス ( No.2 )
日時: 2009/10/17 14:01
名前: Ruin ◆o3vr1rJiTI (ID: LpcnUUvD)

ちょっと長いけど読んでくれた人、有難うございます。
これからもまだまだ続くのでまた見てくれると嬉しいです。


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