ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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GRANDIAS
日時: 2009/10/27 17:06
名前: Ruin ◆o3vr1rJiTI (ID: LpcnUUvD)

どもっ!!Ruinです!
頑張るので宜しくお願いします!
感想・アドバイス等大歓迎です!
更新が遅くなる事もありますが、よろしければ見ていって下さい!


+Contents+
1.<M>     >>1>>2>>3>>4
2.旅立ち     >>5
3.ナーダ砂漠   >>6
4.夢       >>7
5.ノームの滝   >>8

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Re: GRANDIAS ( No.1 )
日時: 2009/11/07 08:09
名前: Ruin ◆o3vr1rJiTI (ID: LpcnUUvD)

今日は晴れだった。
太陽の光が中庭を照らし、木が影を作っている。
デュランダルは、その木陰に座っていた。
妻であるレミスの出産が城の中で行われている為、デュランダルにはこうして時間を潰す他なかったのである。
あと、二時間程度で出産が終わるらしいが、まだ三十分しか経ってない。
時計を確認するが、時間は過ぎない。
デュランダルは、眠る事にした。
だが、その時誰かがデュランダルの名を呼んだ。

「デュランダル様。デュランダル様!!」

デュランダルはゆっくりと目を開いた。

「誰かと思えば・・・ナーシェじゃないか。どうした?」

デュランダルはナーシェに訊ねた。
ナーシェは満面の笑みを浮かべている。

「生まれました!」
ナーシェは言う。

デュランダルは首を傾げた。

「それは・・・お前が飼っている蛙の子供か?」

デュランダルは訊ねる。

ナーシェ・クォイスは城一番の変わり者だ。
ミミズを沢山集めて花束にしたり、団子虫で巨大な団子を作ったり・・・・・・。
蛙の子供が生まれると「生まれた〜!」と叫びながら城中を走り回ったりする。
それが一日だけならまだ許せるが何日も続くと最悪だ。
年に一度は必ず、城下町の住民から煩いとの苦情が来る。
ナーシェは、デュランダルがそんな事を考えているのかと悟り、首をぶんぶん振った。

(もげそうな速さだな・・・・・・)

デュランダルは首を振っているナーシェを見てふと思った。

「違いますッ!!レミス様の子供・・・赤ん坊が生まれたんです!!」

ナーシェは、デュランダルに大声で言った。
デュランダルは耳を疑った。

「・・・何が生まれたって・・・?」

デュランダルは再度訊ねる。

「赤ん坊ですけど。なにか?」

ナーシェが言うとデュランダルは城内へと走った。
ナーシェも後を追う。
デュランダルは近くにあった階段で三階へ上がり、レミスの居る奥の部屋へと走り、中に入った。

「レミスッ!!」

デュランダルは、レミスの名を呼んだ。
レミスは声が聞こえたため、閉じていた目を開く。
レミスが目を開くと、デュランダルは既にレミスの隣に居た。

「デュランダル。・・・生まれたわ、私達の子が」

レミスは言う。
デュランダルはレミスの手を取った。

「赤ん坊・・・見たのか?」

デュランダルが訊ねると、レミスは首を横に振った。
デュランダルはため息をつくと、レミスの手をそっと置き、ゆっくりと放した。

「俺が見てくるよ」
「頼むわ」

レミスは笑った。
デュランダルは、部屋の戸を開ける。
すると、何かがすっ飛んで来た。

「ありゃあ?!」
「うおぉっ!!」

二人は倒れた。

「痛ぇ・・・こら、ナーシェ」
「あうぅ・・・ごめんなさいぃ」

ナーシェは謝った。
そして二人は立ち上がる。

「気をつけろよ。わかったか?」
「はい」

今ので完全に馬鹿頭が刺激されたようだ。
デュランダルはナーシェの服を掴み、引っ張った。
そして耳元に口を寄せる。

「ナーシェ。赤ん坊は何処に居るんだ?」

デュランダルは小声で訊ねた。

「ディスペルクの所に居ます〜」
「有難う」

デュランダルは礼を言うと、部屋を出た。
ディスペルクの居る部屋は四階の奥だ。
デュランダルは近くにあった階段を上りディスペルクの部屋へと向かった。
四階への階段を上りきり、左折して直進。
ディスペルクの部屋へと辿り着いた。
デュランダルは中に入った。

Re: GRANDIAS ( No.2 )
日時: 2009/10/26 17:06
名前: Ruin ◆o3vr1rJiTI (ID: LpcnUUvD)

中に入ると、そこにはディスペルクが居た。
相変わらずパソコンを打っている。
城下町や隣国から来る病人・患者の状態や、今日生まれた赤ん坊の情報等を記録・保存しているのだろう。
「ディスペルク」
デュランダルはディスペルクの名を呼んだ。
ディスペルクはデュランダルを見る。
「デュランダル様でしたか。赤ん坊を見に来られたのですか?」
ディスペルクは無表情でデュランダルを見ながら問う。
「そうだが・・・何か問題があるのか?」
デュランダルは答え、問う。
ディスペルクは、ため息をつきながら立ち上がった。
「いえ。特にはありません。ですが、気を悪くしないで下さい。・・・こちらです」
ディスペルクは歩き出した。
デュランダルは後に続く。
コンピューターが沢山並んでおり、足元はコードだらけだった。
机の上にも、多くの人のデータが入っているコンパクトディスク(CD)が高く積まれている。
そのため薄い魔力のシールドが張ってある。
このシールドが無ければ、今ごろどうなっているだろう。
想像がつかなかった。
奥の扉を開き少し歩くとディスペルクが立ち止まった。
「あの中の赤ん坊です」
ディスペルクは指差した。
部屋の奥に立派なカプセルがある。
デュランダルはカプセルに近づき、中を見た。
だが、最初に出た言葉は・・・明らかに尋常ではなかった。
「右手が・・・無い・・・・・・?!」
デュランダルは表情を驚きのそれに変える。
ディスペルクが相変わらず無表情のまま、後ずさったデュランダルの前に立つ。
デュランダルはもう一度赤ん坊の前へと戻った。
「右手の素材が足りなかったと思われます。ですが、魔力、及び体力・知力も相当なものになると思われます」
ディスペルクは言った。
デュランダルは何も言わなかった。
・・・・・・言えなかった。
「ですが・・・僕の力が及ばず、このような事態を招いてしまったこと、深くお詫び申し上げます」
ディスペルクは深く頭を下げた。。
デュランダルはディスペルクを見る。
「お前に罪は無いさ。お前だけでなく、他の者もな」
「そのお言葉だけで十分です。有難うございます」
ディスペルクは言った。
デュランダルは部屋を出ようとする。
だがディスペルクはデュランダルを呼び止めた。
「デュ・・・デュランダル様!!」
ディスペルクの声でデュランダルの足が止まる。
「・・・何だ?」
ディスペルクは走り、デュランダルの前に立った。
「あの。・・・レミス様から、預かり物が・・・・・・」
ディスペルクはポケットから預かり物を出そうとした。
だが、デュランダルは歩き出した。
「後にしてくれ」
きっと赤ん坊の事で頭がいっぱいなのだろう。
だがディスペルクはデュランダルの手を掴んだ。
これだけは・・・必ずデュランダル様に・・・・!!
「だ・・・駄目です!!お願いしますッ!!」
デュランダルは、ディスペルクが取り乱すのを初めて見た。
ディスペルク自身も取り乱すのは初めてで戸惑いを隠しきれなかった。
「・・・・・・わかった」
デュランダルは言った。
ディスペルクはポケットから封筒を取り出し手渡した。
そして、元の部屋へと戻り、ディスペルクはパソコンを打ち始め、デュランダルは、部屋を出た。

Re: GRANDIAS ( No.3 )
日時: 2009/10/26 17:08
名前: Ruin ◆o3vr1rJiTI (ID: LpcnUUvD)

階段の踊り場まで来ると、封筒を開け中を見た。
中には、手紙が入っていた。


《デュランダルへ》
あなたがこの手紙を読んでいるときには、私はもうこの世に居ないでしょう。私の中には<M>(ミュー)という異性物が存在していました。それを知ったのは三年前の秋。私とあなたが出会って二年半経った頃です。初めは何かわからず、問題も無いと思い放置しておきました。ですがここ最近、頭の中に残酷な言葉が流れてきて私を意のままに操ろうとするのです。私がこのような事で操られる事は一度たりともありませんでしたが、赤ん坊が宿った約一年前、<M>が直接私に言うのです。「お前の赤ん坊を殺す」と。私は脅しだと思い放置しようとしたのですが、三ヶ月前、異変が起こりました。あんなに動いていた赤ん坊が急に動かなくなったのです。<M>は笑いました。私はこのとき、<M>は赤ん坊を本当に殺すつもりなのだと悟り、確信しました。なので私は、<Soul>を使い、<秘術>を発動させました。なので、引き換えに私は死にます。ですが、赤ん坊のために使った<秘術>のお陰で無事に赤ん坊を産むことが出来た時は、本当に嬉しかったです。ですが、こうなった今、あなたは私に赤ん坊の名を付けてもらおうとするのでしょうね。
「ロアステイル」。私は、その名前を提案いたします。あなたが決めてもいいのよ、デュランダル。それから、お願いがあります。<M>を消滅させてください。<M>は言いました。「世界を殺す」と。お願いです。<M>を消滅させてください。私からは以上です。
後は任せました。
デュランダル・グランディアス
            レミス・グランディアス  

3枚にもわたって、レミスは書いていた。
一部かかれた字が、滲んでいた。
きっと、時間との戦いだったのだろう。
字も良く見れば、かすかにぶれている。
デュランダルは手紙を強く握り、歯を噛みしめた。
<M>という異性物は、伝説上にしか存在しないと思っていた。
黒い残酷な文字で人の形を構成していて、人の言葉を喋りその黒い巨大の中には実際に意思を持った<M>本体が居るのだという。
<M>は罪の魂であり、過去には初代のグランディアス<クレイアシル・グランディアス>だけが、<M>を滅ぼせたのだという。
どのように倒したのかは記されていない。
ただ、<my life end. story and grandias endless>と、記されているだけだった。

その<M>が存在していた。
俺は・・・・・・。
(赤ん坊を殺す。・・・・・・城にいる奴を殺す)
「!!!」
残酷な言葉が流れてきた。
デュランダルは少し混乱する。
(ロアステイルを殺す。絶対殺す)
デュランダルは、三階に下りた。
そして、レミスの部屋へと向かった。
そして、レミスの居た部屋に入る。
(レミスを食べる)
<M>が語りかける。
デュランダルは頭を抱えた。
レミスを見て嘆き悲しむ余裕も無い。
「デュランダル様!?」
レミスの側近であるクォルテが心配して言う。
「クォルテ・・・。赤ん坊・・・ロアステイルの乳母は・・・?」
デュランダルは訊ねる。
クォルテは、手帳を開いた。
「シエラです。シエラ・ラティエスです」
クォルテは言った。
デュランダルは、クォルテの肩を掴んだ。
「頼みがある。シエラを呼んできてくれ」
デュランダルは言った。
二人の子供を・・・ここから遠ざけねば。
<Grandias>の聖血が途絶えてしまう。
デュランダルは王の間へと向かった。
五階の王室にはいったデュランダルは、玉座に座り、シエラを待った。


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