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キエヌ、キエヌ……
日時: 2009/10/25 00:53
名前: mAnAmI ◆elL9xUvTdI (ID: 6XpHmYt9)

*


ども、愛実です。
まなみでも愛実でもMANAMIでもどうぞ。
ただ、漢字間違いだけはやめてください。笑

ぞくぞく来るホラー小説を目指します。
どうか、やわらかく見てください。


*

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Re: キエヌ、キエヌ…… ( No.1 )
日時: 2009/10/25 00:58
名前: mAnAmI ◆elL9xUvTdI (ID: 6XpHmYt9)

-プロローグ-


ザッザッザッザッ..
砂利道を駆ける音が、静かな夜に響く。
ザッザッザッザッ..
その音を追いかけるようにして、違う足音が響く。

「嫌ぁぁぁぁっ!! こ、来ないでェェッ!!」
「キエヌ、キエヌ……」

ぽつん。ぽつん。
雨が、降ってくる。
少女は、振り向かない。と心に決めていたが……
足音が止まったことに安心したか、振り向いた。
その瞬間だった。

「きゃああああぁああああっ!!!!!」
静かな夜を打ち砕く悲鳴が、上がった。
同時に、紅い涙も流れた。


「キエヌ、キエヌ……呪イハ……キエヌ……」

Re: キエヌ、キエヌ…… ( No.2 )
日時: 2009/10/25 01:34
名前: mAnAmI ◆elL9xUvTdI (ID: 6XpHmYt9)

-一話-



『今日の午前3時過ぎ、少女が目玉をくりぬかれて亡くなっている事件が発生しました』

「うげぇ……空気読んでよ、テレビ……」
私は、そう呟くと目玉焼きを飲み込む。
まあ、朝ご飯の時間にふさわしいニュースではないだろう。
しかも、目玉焼きが定番だというのに。
憂鬱な月曜日が、更に重たくなる。

「まぁ、仕方ないじゃん。それにさ……面白い、し」
双子の妹、日高由愛が嬉しそうに言う。
昔から由愛はこういうのが好きだった。
そのくせ、怖い映画とかは無理やり私を引っ張って一緒に見させられるけど。
というか、由愛は異常だ。
黒猫を見ては、死神だのなんだの言うし。
急に道路を指さしては誰か死んだだのなんだの言うし。
まあ、霊感が強いのか?
多分、ただの気まぐれだろう。その時の。

「由愛はさ、好きだよね。こういうの」
「当たり前じゃん。なんか、こう、血が騒ぐっていうか」
きっと、由愛の血液は今頃サラサラだろうな。
いや、違いない。顔色は良いし。肌がイキイキしてきたし。

まあ、触らぬ神に、祟りなし。
マシンガントークが始まる前に家を出よう。

「由愛、遅刻するから先行くね」
「待って待って! わかったって、もう言わないから。
 今、牛乳飲んだらすぐ行く!」
そういえば、由愛は牛乳を毎朝飲むけど…
牛乳をほぼ飲まない私と身長同じ。
これは、私が高いのか、由愛が低いのか。
まあ、いっか。

そんなことを考えていると、由愛は来た。
靴下が左右色違いだけど、言わないでおこう。
……っていうか、あの色私のだし。

私は、ふと足元を見る。
……やはり姉妹。由愛と同じ状態だった。

「ねぇ、菜々」
由愛が、私の名前を呼ぶ。
「はい?」
「あのさ〜これからサボろ?」
急に何を言い出すんだ、この人は。

「は? 何で? やだよ、どうせ怒られるし」
「お願いだからっ! このままじゃ……危険だよ」
それに、意味不明なことも言い出すし。

「だからさ、何?危険って」

「ねぇ、お願いだから!! 一生のお願い!
 なんか、ヤバいの。朝から思ってた……」
意味が、分からない。
でも、由愛は涙目。
なんなんだろう? いきなり言われても意味が不明。
なんとなーく危機感は感じるけど。

「もー、仕方ないな。じゃ、今日だけ」
そう、言いかけた時だった。

ふいに、辺りが静かになる。
風の音も、小鳥の鳴き声も。車の音も。
何もかも全て全部、消えたようだ。
まるで、異世界に来たかのように。

「…えっ?」
「……どうしよッ…鬼が……鬼が!!」
「ちょ、由愛?」

由愛が、頭を抑えて蹲る。
わけが分からない。
何? これは、夢?
うまくまとめたつもり。だけど、無駄。
遠くで、何か声が聞こえた。

『キエヌ、キエヌ……』

そう、聞こえた。
その瞬間だった。

由愛が、突然起き上がると私の腕を掴み急いで家に戻った。
そして、玄関の鍵を厳重に閉める。
でも、おかしいことに気がつく。
お母さんとお父さんの気配がしない。

さっきまでいたはず……なのに。

「ねぇ、由愛っっ!!」
「……来た…菜々……あのね、本当は」
菜々が言いかけたとき。
ふっ、と風の感じが変わった。

何かの気配を感じて、振り向いた。
そこには、お母さんがいた。

「ひゃあっ! ……あら、菜々と由愛じゃない。
 いきなり出てきたりしてびっくりさせないでよ、全く」
情けない悲鳴を上げる母。
車の音も、遠くで聞こえる。
「も、戻って…きた?」
自然に、声が出る。

「……。」
由愛は、黙って家を出た。
私も、あわててついていった。

「由愛。どういうこと?」
私たちは、今図書館でサボってます。
だって…あんなことがあったのに、学校に行けるわけないし。

「……あのね。これはマジな話なんだけど…
 あたし───いや、あたし達……
 ……鬼が見えるんだ」
「は??」
ごく自然に、声が出る。

いやあ、当然。
いきなりあんな事言われて。
小学生に理解、出来ますか。
しかも、こんなクソ寒い秋に(寒がりです)

あれだよね、漫画的な流れ。
ほら、なんとかの系統、みたいな。
どこかの血が流れてますよ、みたいな。

「……あのね、私たち……
 前世は……僧侶だったの」

はい、前世来ました。
ちょっとはなれたけど、ある意味正解。

どうなっちゃってんだ、この世界。


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