ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 檻の中の小鳥 後編+<解答編>
- 日時: 2009/10/30 20:31
- 名前: 結崎頼火 (ID: XTwzLzPc)
「あれ?里子ちゃんは?」
川上さんが言いました。
「あの子、気分が悪いらしいのよ。今日は1日中部屋にいるみたい」
と、遥が言いました。
みんながリビングルームでパーティーをしているとき、里子は1人で自分のベッドに寝ていました。里子の部屋はリビングルームから少し離れた家の奥にあります。里子の部屋には扉が2つあります。1つは廊下に、もう1つは部屋に入って左側の、聡吾の書斎に通じる扉です。聡吾の書斎をはさむように、右側に里子の部屋、左側に今は使われていない空き部屋があります。空き部屋には、鍵の壊れた廊下の扉以外に扉はありません。しかし、空き部屋と書斎をへだてる壁には中学生がやっと通れるくらいの穴があいています。1年前に急に壁が崩れて穴があいてしまったのです。
里子の部屋には、里子が横になっているベッドが1つと、その横に机と椅子があり、部屋の隅に車椅子があります。
「里子ちゃん、料理持ってきたわよ」
遥が料理を持って部屋に入ってきました
「食べたくない」
「そんなに気分が悪いの?」
「大丈夫だから」
「それならいいんだけど・・」
そう言うと遥は部屋を出て行きました。
リビングルームではまだパーティーが続いていました。聡吾はまだ戻ってきていません。
青ざめた顔の聡吾がガタガタと震えています。なぜだか分かりますか?猟銃の銃口が聡吾の頭を狙っているからなのです。
「やめろ…やめてくれ…」
聡吾はそう言いながら、少しずつ後ずさりしました。ボクは本当にうれしかった。聡吾が死ぬところを見られるのですから。
「助けてくれ…」
銃口は聡吾の頭を狙いつづけています。そしてついに、猟銃の銃口が火を噴きました。弾丸は聡吾の額に命中して、彼は床に倒れました。聡吾は死んだのです。そのあとすぐ、猟銃が床に落ちる音が部屋中に響きました。死体の足元に猟銃が落ちています。
この部屋は里子の部屋の隣にあります。部屋の中にはいくつかの家具があり、天井には小さなシャンデリアが下がっています。窓は1つありますが、内側から施錠されています。この部屋にも扉が2つあります。1つは廊下に、もう1つは里子の部屋に通じています。廊下側の扉も内側から施錠されていますが、里子の部屋に通じている扉は施錠されていません。
廊下の扉が勢いよく開いて、遥と川上さんが部屋に飛び込んできました。
「大丈夫?里子」
「何があったの?隣の部屋から銃声が」それを聞いた遥は、隣の部屋に通じている扉を見ました。
「里子、銃声がしてから私が入ってくるまでの間に、この部屋を通って誰かが廊下へ出て行った?」
「いいえ、誰も…」
里子が言っていることは本当です。隣の部屋で聡吾が死んでから、この部屋を通って廊下へ出て行った人間は誰もいません。里子の部屋にも窓がありますが、その窓も施錠されています。
川上さんは扉をゆっくりと開けました。
「聡吾さん!」
川上さんは一歩後ずさりしました。
「誰もいない…」
隣の部屋をのぞきこんだ川上さんが小さな声で言いました。そうなのです。聡吾が死んでいる書斎には、犯人はいないのです。
廊下の扉の鍵を開けると、田所さん、恵理子さん、和馬、貴夫が入ってきました。
「なんてことだ…」
誰かがそう言いました。
リビングルームに、全員が集まっていました。里子も、車椅子にのせて、ここに連れてきています。
「お願いします」
川上さんが警察への電話を終えて、電話を切りました。
「20分くらいで来れるそうです」
「もしかしたら…現場を見てきます」
しばらくして、川上さんが言いました。
「ちょっと待て、川上。警察が来るまで現場はそのままにしておかないと」
「心配するな、見るだけだ」
「それなら俺も行く」
田所さんが言いました。
「なるほど」
川上さんが部屋を見回しながら言いました。
「どうした?」
「これを見てくれ」
「これって猟銃のことか?べつに変なとこはないが」
「猟銃は変じゃない。落ちている場所だよ」
「場所って、死体の足元じゃないか」
「違うよ。ほら、この猟銃はシャンデリアの下に落ちているんだ」
「それがどうしたんだ?」
川上さんは、その問いには答えず、何かを探しています。
「おかしいなぁ。どこかにあるはずなんだけど」
そう言って川上さんは考え込んでしまいました。
◆さて、ここまで読んで下さったあなた、どうもありがとうございます。そして、もう謎は解けましたでしょうか?
なぜ犯人は、みんなが現場に来たとき、現場の部屋にいなかったのか?犯人は誰なのか?
聡吾が殺されていた書斎の窓と廊下側の扉、里子の部屋の窓は間違いなく施錠されていました。犯人はそこからは逃げておりません。 そして、犯人が殺してから遥と川上さんが里子の部屋に入ってくるまでの間に、里子の部屋を通りぬけて廊下に出て行った人間もおりません。ちなみに、川上さんが探していたものは「ロープ」です。
そうだ、もしかしたらあなたは、犯人は里子の部屋のベッドの下にでも隠れていたのだ、とか犯人は聡吾を殺してから、里子のいる部屋に入り、死体が発見されるまで何気ない顔をしてそこにいたのだ、と思っていませんか?だとしたらそれは間違いです。里子の部屋には隠れられる場所は一切ありません。
そうそう、最後にあなたに言っておきましょう
◆私はあなたに挑戦する◆って挑戦できるレベルじゃないんですけどねww
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- Re: 檻の中の小鳥Ⅱ ( No.1 )
- 日時: 2009/10/30 19:06
- 名前: 結崎頼火 (ID: XTwzLzPc)
やばい!小説消えちゃいました。が、かまわず解答編を書きたいと思います。問題編を読んでない方、すみません!
◆檻の中の小鳥<解答編>◆
改めて自己紹介をしておきましょう。ボクの名前は小日向小鳥(こひなた ことり)。今年で13歳になります。この家で、(正確に言えばこの家の主である小日向聡吾によって)「飼われて」いました。まさに、聡吾にとってボクは籠の中の鳥のような存在だったのです。
このような扱いをされ続けて数年が経ち、ボクは彼を殺すことを決意しました。
まず、ボクは空き部屋にある猟銃を持ち、書斎へと続いている穴を通りました。ボクは結構小柄なので、この穴もなんとか通ることができました。
書斎に入ったボクは彼を殺し、入ってきた穴を通って空き部屋に戻りました。そしてボクは、川上さんが廊下の扉の鍵を開け、みんなが部屋に入ったと同時に空き部屋を出て、みんなが死体を見て驚いている間に、あたかも今来たかのように書斎に入ったのです。
これがこの事件の真相です。里子と遥は、空き部屋に穴があいていることを知っているので、すぐにボクが犯人だということがわかったはずです。
警察もあと10分ほどでこの家に到着するでしょう。そうしたらボクが犯人だということも分かってしまうでしょう。
え? なぜ捕まるとわかっていてそんな回りくどい方法で殺したか? たしかに、捕まるとわかっているのですから、最初から里子の部屋を通って書斎に行けばよかったかもしれません。ただ、扉から書斎に入れば、ボクが入ってきたことが分かってしまいます。振り向かれてから猟銃を構えても確実に殺せる、という自信がなかったのです。それに、ボクは少しの間でも自由が欲しかった。だからボクはこの方法で彼を殺したのです。里子と遥以外の人は、1年前に壁に穴が開いたということを知らないので、すぐにばれる心配はないと思ったのです。
え?彼女たちがボクが犯人だということを話してしまったら? ボクは彼女たちを信用していました。だからこそ、この殺人を実行したのです。
おや?警察が到着してしまったようですね。
長い話に付き合わせてしまってすみませんでした。
それでは皆様、さようなら。
- Re: 檻の中の小鳥 後編+<解答編> ( No.2 )
- 日時: 2009/10/31 22:14
- 名前: サラブレッド (ID: z1wKO93N)
- 参照: http://ameblo.jp/sarabunaseikatu/
おぉww 終わりの3文しか見てないw
終わったのか・・・?
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