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オヤスミナサイ…
日時: 2009/11/05 18:14
名前: もゆ ◆XSUxMbBDok (ID: lm8tIa56)

初めまして!

怖く書けるかどうか解りませんが、よろしくお願いします!

◆登場人物◆

凛 rin
銀髪の少女。 無口で冷血。

ベア
凛の手先のぬいぐるみ。 

笹原 奏 kana sasahara
凛に妹を殺される。 復讐の時を狙っている。

神埼 龍弥 ryuya kanzaki
奏の幼馴染。 奏の事が好き。

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Re: オヤスミナサイ… ( No.1 )
日時: 2009/11/05 18:26
名前: もゆ ◆XSUxMbBDok (ID: lm8tIa56)

00 プロローグ


真夜中。
立っているのは、女の子。

世界が、ゆらめく…。

ぬいぐるみの目が、誘っている。

—オイデ。

—コッチニオイデ。

もうその力から、逃げることはできない。

一歩一歩、彼女は死へと足を踏み出す。


可愛らしいぬいぐるみは、恐ろしい牙を剥きだして…




後に残ったのは、女の子の手。

白い小さな手が、手首から上を失くして、
ぽとり、と落ちている。

ぬいぐるみは、何も知らない。


聞こえてきたのは、高笑い。
背筋の凍る、少女の声。

「ウフフ…オヤスミナサイ」

Re: オヤスミナサイ… ( No.2 )
日時: 2009/11/05 18:43
名前: もゆ ◆XSUxMbBDok (ID: lm8tIa56)

01

奏の目から、一筋涙がこぼれた。

「詩音がいないの…!」

泣いているお母さんに見せられたのは、妹の手だった。

すっぱりと手首から上のない、妹、詩音の手。

おかしな、冗談かと思った。

嘘をついていたんだと思った。


でも、本当のことだった。
詩音は、家のどこにもいない。

片手を残して。

まだ詩音は5歳なのだから、他の所に一人で行ける訳がない。

詩音が、消えた…


「…詩音っ!…ど、どこ…っ…行ったの…!?」
お母さんの悲鳴のような泣き声が、響き渡った。

奏は、とめどなく流れる涙をそのままに、家中を駆け回った。

どこへ行ったの、詩音?

遊びに行ったの、詩音?

片手を置いていったの…、詩音?

がたん!…がしゃん!
足がもつれ、奏は泣き崩れた。

Re: オヤスミナサイ… ( No.3 )
日時: 2009/11/05 18:54
名前: もゆ ◆XSUxMbBDok (ID: lm8tIa56)

02

奏は冷たい床に倒れこんだ。
つん、と何かのニオイが鼻を突く。

「…え?」

目の端に、赤いものが映る。

—血…!

血のニオイだ。

周りを見渡すと、詩音の部屋の前まで来ていた。
血は、詩音の部屋のドアの下から漏れてきていた。

開けちゃ、だめだ…。

でも、開けなくちゃ。

何かにとりつかれでもしたかのように、素早く奏はドアノブに手を伸ばした。

がちゃ。

「……きゃあああぁ!!!!」

中には、血。

詩音のおもちゃにも、ベッドにも、何もかも血がかかっている。

…でも、詩音はいない。

それを頭が確認したとたん、奏の記憶は途切れた。

Re: オヤスミナサイ… ( No.4 )
日時: 2009/11/07 17:21
名前: もゆ ◆XSUxMbBDok (ID: lm8tIa56)

03

豪華な食卓には、一人の少女が腰かけていた。
長いテーブルに、たったひとり。

ろうそくの炎がちらちらと揺れる。
締め切った分厚いカーテン。
銀の皿に、真珠のフォーク。

かたん。

銀の皿の上には、透き通ったゼリーのような物が乗っている。

銀髪の少女は無表情に、虚空を見つめている。

どこからともなく、泡立つ紅い飲み物が注がれると、彼女はゆっくりとフォークを手に取った。

ゼリーのような物にフォークを入れる。
簡単にゼリーは崩れ、ろうそくの炎できらきらと輝いた。

彼女がそれを口にした途端、

…がたん。

何かが命を失った。

部屋の向かい側にある、檻の中。
片手を失った、女の子。


メヲミヒライテ、死ンデイル。

ついさっきまで、静かに眠っていたのに。
魂を食べられて、死んだ…。


彼女は命を食べる者。

人を殺して、命を繋ぐ…

Re: オヤスミナサイ… ( No.5 )
日時: 2009/11/07 17:38
名前: 咲 (ID: r7gkQ/Tr)

先ほど(?)コメいただいた、咲です♪

面白そう・・・魂を食べる・・・ってか食べられる。

イヤァァァ(泣

死にたくないよぉ・・。
ぬいぐるみにチューイじゃんか・・・


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