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- 喫茶店での推理
- 日時: 2009/11/05 21:13
- 名前: ジャン太 (ID: XTwzLzPc)
「おーい、悠二、ここだ」
そう言われてあたりを見回すと、店の一番奥の席に貴志が座っていた。
ここは喫茶店ひまわり。今はさびれているが、昔はかなり繁盛していたらしい。
僕は貴志の隣の席に座り、コーヒーを注文してから言った。
「清隆と亮子ちゃんは?」
「もうちょっとで来るだろ、たぶん」
貴志がそう言ったので、僕は運ばれてきたコーヒーを飲みながら待つことにした。
しばらくすると、亮子ちゃんが店に入ってきた。その10分ほど後に清隆も入ってきた。
全員がそろったところで自己紹介をしておこう。
僕の名前は尊川悠二。K高校の3年生だ。
僕の前に座っているのが入瀬清隆。背もスラリと高く、なかなか整った顔立ちをしていて、うちの高校の女子からの人気も高い。が、性格は結構悪く、ひどいことをさらっと言っては、何事もなかったかのような態度をとる奴。
僕の斜め前に座っているのが如月亮子。ゆるそうな髪をおさげにした、明るい性格が印象的な2年生だ。
そして、僕の隣に座っているのが橘貴志。全てにおいておおざっぱな性格で、それが災いしてか、去年も留学しそうになったという。今はコンビニでアルバイトをしているらしい。
亮子ちゃん以外の3人は現在3年生。僕を含めたこの4人は、全員K高校の生徒で、去年の夏に学校で起きた、とある事件に巻き込まれてから度々こうして会うようになった。
「で、貴志、今日はどうしたんだ?」
と僕が言った。
「ああ、そうだった。今日集まったのは、火澄から面白い手紙が届いたからなんだ。」
深町火澄は学校で起きた事件に巻き込まれたもう1人の人物で、現在3年生。
本当ならK高校に通っているはずなのだが、ある事情で今は大阪に住んで、工事現場でアルバイトをして生活しているらしい。
前に電話で火澄に、勉強はちゃんとしてるのか、と聞いたことがある。そのとき火澄は、
「はは。そんなことしなくても大丈夫だって」
と答えた。火澄は、学校でもトップレベルの成績で、確か2年生のときにはすでに3年生までの学習をすべて終えていたような気がする。ほんと、うらやましい限りだ。
「面白い手紙って、どんな内容なんですか?」
と亮子ちゃんが言った。
「まあまあ、まずは俺が読むから聞いててくれ」
貴志はそう言うと、火澄から送られてきた手紙を読み始めた。
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