ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- Fate of Chains
- 日時: 2009/11/14 15:46
- 名前: 某さん ◆PHKOj6t3P2 (ID: YpJH/4Jm)
〆ご挨拶
どうもこんばんは。今が何時でもこんばんはry
お初の方が多いと思いますが、某さんと申します。まあ元々ステハンなので、知らない方が多いと思いますが。あ、「某さん」で名前なので決して某が名前で、自分にさん付けをしているわけではありませんのであしからず。
今作は「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」をモチーフとした、ダークファンタジーでしかもハイ・ファンタジーです。はい意味分かりませんね←
つまりは異世界で繰り広げる、ダークファンタジーだと思って下さい。
自分はまだまだ駄文なので、アドバイス大歓迎です。まあこんな駄目作者ですが、「Fates of Chains(フェイト・オブ・チェーンズ)」共々宜しくお願いします。
※荒らしはお断り。
※どっかの某漫画と似てね?とか思っている方は、作者自覚しているんで心の奥に仕舞っておいて下さい。
〆目次
Episode00 Proiogue-ウサギの涙- >>3
Episode01 Peace the World -ありふれた日常- >>4
Episode02 Temptation-隠者の呼びかけ- >>5
Episode03 Darkness-闇黒の渦- >>8
Episode04 Two Rabbits-ウサギともう一匹ウサギ- >>9
〆訪問者
〆たきばね様 〆er027様
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- Re: Fates of Chains ( No.1 )
- 日時: 2009/11/11 21:33
- 名前: たきばね ◆rvP2OfR3pc (ID: AzSkpKat)
アリスかー。頑張れ、某さんさん!!
内容早くみたいです。(^^
- Re: Fates of Chains ( No.2 )
- 日時: 2009/11/12 18:41
- 名前: 某さん ◆PHKOj6t3P2 (ID: YpJH/4Jm)
>たきばね様
そうです、アリスネタやります。
ご声援有難うございます。ご期待に添えるよう頑張るので、宜しくお願いします^^
- Re: Fates of Chains ( No.3 )
- 日時: 2009/11/12 18:59
- 名前: 某さん ◆PHKOj6t3P2 (ID: YpJH/4Jm)
Episode00
Proiogue-ウサギの涙-
灰色の空が泣いている。雫を落ちる。たくさん、たくさん、君の心を映し出しているかのように。
ねえ? 君はどうして泣いているの? 何が君を悲しませているの? オレは君の泣き顔が嫌い。だからこの雨が早く止む事を願う。
灰色の空が狂っている。風が吹き、竜巻になり、ゴロゴロと音が鳴る。今の君のように。
ねえ? 君は何で壊しているの? 何が君をそうさせたの? オレはそんな君が好きじゃない。だからこの嵐が早く止む事を願う。
だけど君は狂って、狂って、狂って。地上が血の色に染まった頃——。
確かに嵐も雷雨も止んでいた。空はすっかり静まりかえっていた。だけど、あまりにも静まり返りすぎていたんだ。
君はもう、泣かない、怒らない、笑わない——君は灰色の曇り空の様。
ねえ? 何で笑わないの? 何で空は晴れないの? オレには分からない。
君が望むなら、何でも手に入れる。君を傷つけるものも、苦しめるものも、オレが壊してあげる。
だから笑って。オレの大切な、大切な——。
- Re: Fates of Chains ( No.4 )
- 日時: 2009/11/14 12:38
- 名前: 某さん ◆PHKOj6t3P2 (ID: YpJH/4Jm)
Episode01
Peace the World -ありふれた日常-
「シド様! シド様!」
長いメイド服の裾を掴み、庭園を駆け回るメイドが一人。”シド”と呼ばれる人間を探しているようだが、一向に見つからず焦っている、というところか。顔に焦りの色が見える。
それもその筈、この屋敷の庭園はエヴェレット家と言われる大貴族が所有する、この国最大の庭園だからだ。たくさんの花が咲き誇り、噴水もあってとても美しい庭園だが、それはまるで巨大な迷路のような広さ。人一人探すだけで一苦労である。
「ああ……シド様、こんなところにいましたか……。シャーロットお嬢様が探しておられましたよ?」
メイドが話しかけたのは、黒猫と無邪気に遊ぶ、綺麗な銀髪とオッドアイを持つ一人の少年。”やっと見つけた”とでも言いそうな息を切らしたその顔を見ると、この少年が”シド”で間違いないらしい。
「ん? 姉さんが僕を……? そういえばそろそろ昼食の時間か」
シドはベストのポケットから懐中時計を取り出す。時刻は十二時半とお昼時。懐中時計を仕舞うと「また後でねキティ」と、先刻までじゃれていた黒猫を腕から離した。
「シャーロットお嬢様は庭園の噴水の場でお待ちです。なんでもシド様と庭園ランチをお楽しみになりたいと……」
「有難うメリッサ。じゃあロッティのところに行ってくるね」
シドはにこやかな笑みを浮かべて、メリッサにお礼を言った。噴水の方向に走り始めようとした時、ドスッと音がしてシドは尻餅をついた。何かにぶつかったらしい、シドはお尻を摩りながら上を見上げると……。
「シド! 中々来ないから探したわよ」
「ロッティ!? 噴水の方に居るはずじゃあ……」
「シドが中々来ないから探しに来たのよ」
腰の辺りまで伸ばした、これまた綺麗な金髪を持つ少女、シャーロット——通称ロッティは尻餅をついたシドの手を掴むと、よいしょとシドを引き上げた。
「シャーロットお嬢様……わざわざ申し訳ありません」
「いいのよメリッサ。私が勝手に探しに来ただけだから」
メリッサは言葉通り申し訳なさそうに一礼する。シドが「メリッサは悪くないよ」と言っても、何故かメリッサは謝り続けた。どうやらメリッサは謝り癖が強いらしい。
これは止めないと終わりがなさそうだ。シャーロットもシドも、呆れ顔で笑っている。だがいつまでもこれでは仕方ないので、そんな空気を打ち破るように、ロッティがパンと手を叩いた。
「さあ、折角のランチが冷めてしまうわ。有難うねメリッサ、行きましょうシド」
シドは尻の砂埃を払いながら「うん!」と元気良く答えて、噴水の方へと走って行った。
- Re: Fates of Chains ( No.5 )
- 日時: 2009/11/12 21:12
- 名前: 某さん ◆PHKOj6t3P2 (ID: YpJH/4Jm)
Episode02
Temptation-隠者の呼びかけ-
「有難うロッティ姉さん、美味しかったよ」
「そう? 良かった」
噴水の傍のテーブルで、にこやかな笑顔の兄妹が二人。日光が噴水の水に反射し、二人を照らす。絵に描いたような、とても微笑ましい光景だ。
「私もメイド達と一緒に作ったのよ。美味しいなら良かった」
「……姉さんが、一緒、に?」
いきなりシドの口調がぎこちなくなる。ぎこちなくなった理由としては”シャーロットがメイド達と料理を作った”という事だ。
——姉さんが料理を……。姉さんが料理なんてしたら、四次元にも無さそうなある意味ミラクルな料理ができるからなあ……。あの不味さはある意味奇跡だよ……。
シドの脳裏に浮かんでくる幼い頃の記憶の数々。初めてシドがシャーロットに「お菓子を作って欲しい」と頼むと、まだ12歳のシャーロットは喜んでクッキーを作ってくれた。だが……どうやったらそんなクッキーを作れるのかと思うくらい、いやこれは最早失敗どころのレベルではない程の、ゴミのような粉の塊がシドの目に映ったのだ。
当然そのような食べたら腹でも壊しそうなクッキー(そもそもクッキーと言っていいのか)など食べたくないとシドは拒んだが、シャーロットは顔はにこやか、だがとても黒いオーラを纏いながら大量のクッキーをシドの口の中に詰め込んだのだ。案の定次の日シドが腹痛を起こした事は言うまでもない。
現在シャーロットは18歳だが、いまだにあの摩訶不思議な料理を作ってしまうのである。過去のトラウマを思い出したせいか、シドの顔はすっかり青ざめていた。
——メイドさんが一緒に作ってくれたから、美味しい料理が出来たのかな……。姉さんが作ってたら今頃僕はどうなってたんだろう……。
「シド? どうしたの?」
「あっ、いや何でもないよ。僕は美味しい料理を作れる義姉を持って、し、幸せ……なだけ」
気分でも悪いのかと心配そうにシドの顔を覗きこむシャーロットに、シドはぎこちない口調ながらも無理矢理笑顔を作って見せた。
いや、問題はそこではないだろう。シドは今シャーロットの事を”義姉”と言った。
「そう、有難う。……義姉、か。シドを拾ってからもう10年になるのね」
そう、シドはシャーロットの本当の弟ではない。10年前、エヴェレット家の令嬢であるシャーロットがお忍びで街へ出かけた時、その頃推定4歳程と思われるシドを雨の降る街の裏通りで見つけ、家へと連れ帰っていたのだった。
暗い話になってきたな、そうシドは思った。だがどうこの空気を打ち破ればいいのか、シドには分からなかった。だから
「ロッティ、ちょっとキティの様子見てくるね」
そう言って、逃げるようにその場を立ち去った。ああ、過去の話になると自分は駄目だな……シドは昔の話が出てくる度にそう思う。
”おいで、おいで、こっちに……”
突然シドの頭に聞き慣れない声が、だがどこか懐かしい声が響く。シドは慌てて周りを見渡すが、誰もいない。声はまた響く。
”おいで、こっちに……”
その声は、段々と自分の頭を圧迫するかのように響いていく。
——頭痛とは何か違う……何なんだこれは……。
その言葉が頭に浮かんだのを最後に、シドは完全に怪しげな言葉に頭を支配され、意識を失った。
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