ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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キラーゲーム2クリムゾン・パズル(現在第2章を執筆中)
日時: 2009/12/01 16:49
名前: トム君105 (ID: htYXwhzX)
参照: http://ameblo.jp/tomukun105/

こんにちはみなさんトム君105です。
前作キラーゲーム(http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=12446)を見てくださったみなさん本当にありがとうございます!!
もちろん前作を見ていない人もありがとうございます!!
本作の舞台設定は前作の二年後です。
そして前作に引き続き佳奈美が再登場します。
どんな役割かは秘密です・・・。
とにかくキラーゲーム2クリムゾン・パズルスタート!!

Page:1



Re: キラーゲーム2クリムゾン・パズル(現在第2章を執筆中) ( No.1 )
日時: 2009/12/01 16:50
名前: トム君105 (ID: htYXwhzX)
参照: http://ameblo.jp/tomukun105/

プロローグ 悲劇からの生還者
2013年3月6日閉ざされた施設で行われた残酷なゲーム。
その名はキラーゲーム。
一人の少年の怒りがそれを引き起こした。
そしてその惨劇を生き延びた人間が一人いた。
その名は野上佳奈美。
彼女は出口を抜けトンネルの様な所を歩いていた。
暗黒が続き気が狂ってしまいそうになる。
しかしやっと光が見えてきた。
「あ、あはははは」
彼女は狂ったように笑いながら光へと走った。
それもそうだ彼女はずっと暗黒にいたのだから。
ひたすら走る。
そして外に出た。
そこは森だった。
木々が生い茂る森。
「あははやった・・・」
彼女は思い切り空気を吸い込んだ。
「あ!!誰かいるぞ!!」
どこからか男の声がした。
彼女はびくっとしてマシンガンを構えた。
そして男が近づいてきた。
佳奈美が銃を向けているのにびくっとする。
「落ち着きなさい、君まさか野上佳奈美さん?」
男は警察の制服を着ていた。
そして後ろから同じ服装をした男たちが次々と現れる。
「よかった無事だ!!」
先頭の男が叫んだ。
しかしすぐにその言葉は消える。
「君足大丈夫?そんで血だらけだけど何があったの?」
男が不安げな顔で聞く。
「変なゲームをさせられて・・・」
佳奈美はその場に座り込んだ。
「みんな死んじゃった・・・龍一もみんな・・・」
彼女は泣きだした。
「まあこんなところにいちゃ駄目だから一緒に落ちつけるところに行こう」
男は泣く佳奈美を起き上がらせると肩を支えながら歩き出した。
その後彼女は富岡精神病院で一年を過ごした。
そして今彼女は普通に生活していた。
キラーゲーム2クリムゾン・パズル
1 二年後
PART1(電話)
川村きょうや
俺は警察のオフィスにいる。
ぷるると電話が鳴り響く。
それに答える同僚の声。
俺の近くの電話が鳴った。
俺はそれを取った。
「もしもし」
彼は電話に出た。
「あの警察の方ですか?」
電話の向こうの声はおびえていた。
「はいそうです何かありましたか?」
「なんかへんな手紙がポストに置いてあって・・・」
「どんな手紙です?」
「キラーゲームの招待状・・・」
「はい?」
「キラーゲームの招待状が届いたんです・・・」
「キラーゲームとはなんですか?」
「え?知らないんですか?二年くらい前11人の人間が拉致され殺しあわされた事件・・・」
「では捜査に行きます住所は?」
「えっと・・・」
そこで電話は切れた。
なんだイタ電か。
俺は受話機を置いた。
でも今のは考えてみるとノイズが混じった様だった。
俺は念のため署長に報告することにした。
PART2(キラーゲーム)
署長室まで歩く。
その戸をノックする。
「誰だね?」
声が返ってきた。
「新人の川村でございます」
「で用件はなんだね?」
「キラーゲームの件でお話が」
「入りたまえ」
俺はドアノブをひねると戸を開けた。
「しつれいします」
念のためそう言う。
署長室には本棚などがあり大きめのデスクがあった。
「話したまえ」
署長はデスクに手を置きあごの下に手を当てた。
「キラーゲームの招待状が来たという電話がかかってきました」
「またか〜」
署長はめんどくさそうにため息をついた。
「え?以前にもあったんですか?」
「ああその様ないたずら電話が一、二年前に流行ったんだよ」
「署長お聞きしますがそもそもキラーゲームとはなんなんですか?」
「君は知らないのかね?」
「はい」
「キラーゲームはその名の通り殺し合いをするゲームだ」
「誰がその様な事を始めたんです?」
「たしか18歳の少年が復讐のためにやったと生き残りの女性から聞いたが」
「生存者がいるんですか?」
「ああ野上佳奈美という女性だ」
野上佳奈美・・・たしか二年前テレビで聞いた名前だ。
「唯一の生還者ってわけですか」
「まあそんなところだ」
「で電話の件はどうします?」
「え〜」
署長が言おうとした瞬間コンコンとノックの音が聞こえた。
「何か用かね?」
署長は俺の時と同じ様に聞いた。
「キラーゲームの招待状が来たという電話が掛ってきました」
署長は「むっ」と唸ると「入りたまえ」と言った。
「しつれいします」
俺と同じように言うと女性の刑事が入ってきた。
「状況を話したまえ」
「私がデスクに座っていると電話が掛ってきました」
「それで?」
「署長にご報告しようと向かう途中に同じ電話を受けた何人かに出会いました」
「なんだって?」
署長は目を丸くした。
「電話の内容は?」
「キラーゲームの招待状が来たと不安げな声でいましたそれで私が住所を聞くとノイズが混じった様に突然切れました」
俺の時と同じだ。
「二年ぶりにデスゲーム再びか・・・」
署長はしばらく考え込んだ。
そして10秒後に言った。
「君手は空いているかね?」
「いえ今は殺人事件を捜査しておりまして」
「そうか・・・では君は?」
署長が俺に聞く。
俺は特に何も無く暇だった。
「手は空いております」
俺は正直に言った。
面倒くさそうだったがチャンスを逃すわけにはいかない、もしこれが本当にキラーゲームの予告だったら俺がそれを解決したら
昇任かもしれない。
「なら君捜査してくれないか?」
予想通りだ。
「はい分かりました」
俺はうなずいた。
「君は戻っていいよ」
署長は顔を上げ椅子によりかかると女性にそう言った。
「はい」
女性はそう言うと戸に向かった。
「じゃあ捜査のヒントになるように野上佳奈美の住所を教えよう」
「お願いします」
俺は腰からメモ帳とボールペンを取りだす。
「言うぞ」
俺はメモ帳を開き空いているページを開く。
「はい」
「霧尾見県 名和室市 斉賀町 5−13−25 305 」
俺はそれをメモする。
俺はメモが終わるとメモ帳を閉じた。
「ありがとうございます」
俺はメモ帳とペンを腰にしまう。
「なんかあるとイケないから武器庫から武器を持って行くといい」
署長はデスクから立ち上がると部屋の隅の金庫に向かった。
「ちょっと後ろ向いててくれるかい」
「分かりました」
俺は金庫が見えないように後ろを向いた。
暗証番号が知られないためだろう。
後ろでダイヤルを回す音がする。
そしてガチャリと戸を開ける音。
そしてドスンという音。
署長が中から何かを取りだした様だ。
そしてボタンを押す音がする。
そして何かを開ける音。
その後鍵束の音。
おそらく鍵の保管庫だろう。
「おおこれだ」という署長の声。
そして鍵を鍵束から外す音。
そして鍵をしまう音 何かを閉める音 何かを入れる音 戸を閉じる音がした。
「もういいぞ」
俺は署長の方を向いた。
署長がこちらに歩いてくる。
手には銀色の鍵。
「これが武器庫の鍵だ」
俺にそのカギを渡す。
プレートには武器庫と書かれていた。
「ありがとうございます」
俺は礼を言い鍵を受け取る。
「それとちょいと待ちなよ」
署長がデスクから何かの書類とボールペンを取り出し書類を書き始めた。
それが終わると署長はその書類を俺に渡した。
それを見てみる。
それは武器の貸出許可だった。
許可されたのは小型拳銃二丁と分解可能なショットガン一丁。
「それは武器の貸出許可書だ武器はそれくらいあればいいだろう?」
「はいあの・・・」
「何だ弾薬か?弾薬なら武器庫でもらえる」
「あのこの紙をどうすればいいんですか?」
「武器庫にいる奴に渡すだけでいい武器庫の場所は分かるか?」
「はい」
「言ってみろ」
俺は武器庫の場所を思い出す。
B1Fつまり地下一階の左端一番奥の部屋。
「地下一階の左端一番奥の部屋です」
「正解だ」
署長は首を縦に振った。
「では行ってこい幸運を祈る」
「ありがとうございます」
俺は署長に頭を下げると戸に向かった。
ドアノブをひねる。
俺は署長に頭を下げると署長室を後にした。
エレベーターへ向かう。
下りのボタンを押す。
エレベーターが到着しドアが開いた。
エレベーターに乗り込む。
俺はB1Fと書かれたボタンを押す。
ドアが閉まった。
軽い圧迫感があった。
目的のフロアに着くとドアが開いた。
俺はエレベータから出た。
二つに分かれた廊下を左に進んだ。
目指すは一番奥の部屋。
見えた。
その戸だけほかの戸より大きかった。
その戸の前にたどり着く。
鍵穴に鍵を入れ回す。
ガチャリという音。
俺は戸を引いた。
そして中に入る。
そこはわずかだが暗かった。
窓口の様なものが見える。
俺は窓口に向かった。
誰もいない。
ふと窓口前の板を見るとベルが置かれていた。
ベルには紙が付いていた。
そこにはこう書かれていた。
係が見当たらないときはこれを鳴らしてください。
俺はベルを鳴らした。
すると奥から「ちょいと待ちな」という声が返ってきた。
しばらくすると奥から年配の男性が出てきた。
「何の用だい?」
「銃をもらいに来たんだ」
「署長からの許可書を出してください」
俺は署長からもらった書類を男性に渡した。
男性は俺から書類を受け取ると「ちょいとお待ちを」と言って再び奥に消えた。
それから5分くらい経っただろか。
男性が小型拳銃を二丁ホルスターに入れて肩に下げジェラルミンケースを持ってきた。
「これが小型拳銃になります」
男性はそう言うと俺に小型拳銃入りホルスターを二つ渡した。
「これが分解可能小型ショットガンです」
ジェラルミンケースを俺に渡す。
「組み立て方はご存じですか?」
「ああ」
訓練でいやというほど教え込まれたから組み立て方は覚えている。
そもそも組み立て方はとても簡単でコツを覚えれば素人でも出来る。
しかしそれを繰り返し習った。
いったいなぜなのだろう?
「これが弾薬です」
管理人がもう一つジュラルミンケースを俺に差し出した。
「ありがとう」
俺はホルスター二個を両脇に付けるとジェラルミンケースを持って武器庫を後にした。
PART3(野上佳奈美)
俺はパトカーに乗って佳奈美の家を訪れた。
そこはマンション。
俺はエレベーターに乗った。
3Fと書かれたボタンを押す。
グーンとエレベーターが上昇する。
三階に着くとエレベーターが止まりドアが開いた。
俺はエレベーターから出た。
305号室に向かう。
見つけた。
そこにはアルファベットでNOGAMIと書かれた板がぶら下がっていた。
俺はインターホンを押した。
ピンポーンという音。
そしてカチャという受話機を持ち上げた音。
「はい・・・」
女性の声が言った。
おそらく野上佳奈美の声だろう。
「警察です」
俺は短く言った。
「何の用ですか?」
佳奈美の声は不安に震えていた。
「ちょっと捜査に協力していただきたくて来ました」
しばらくするとドアが開いて女性が顔を出した。
なかなか美人だ。
佳奈美は髪を後ろで一本に束ねていた。
「どうぞ・・・」
佳奈美に言われ俺は彼女の家の玄関に入った。
靴を脱ぐ。
「こちらへ」
佳奈美の導きでリビングらしき場所にたどり着く。
かなり整理されている。
俺とは大違いだ・・・。
「座ってください」
佳奈美に言われ俺はテーブルに座った。
「今お茶をお出しします、それともコーヒーがいいですか?」
「いえ大丈夫ですお気づかいありがとうございます」
俺は遠慮した。
正直なところ外が寒かったので暖かいコーヒーを飲みたかった。
そんな気持ちを見透かしたように佳奈美が「遠慮なさらずに」と言って俺の前にコーヒーを置いた。
「ありがとうございます」
俺はコーヒーを一口飲んだ。
喉を流れる暖かい物。
コーヒーカップを皿に置く。
佳奈美が自分の分のコーヒーをテーブルに置くと俺の向かいに座った。
「どんな事件なんですか?」
佳奈美が不安げに聞いてくる。
「お話しずらいのですが・・・実はキラーゲームのことなんです」
「え?・・・」
佳奈美の表情が曇る。
野上佳奈美
PART4(悲劇の記憶)
私の頭の中で悲劇が再生を始めた。
断片的に蘇る記憶。
私がおびえながらホールにたどり着いた時の事。
その先の部屋で川崎守が機織恵子を射殺したこと。
その先で道が分かれていたこと。
第二のゲームで知った伊藤錬の残忍さ。
龍一を庇って死んだ田村早苗。
そして第三ゲームで死んだ清隆慶介。
そこから記憶は悪夢の鬼ごっこへと飛ぶ。
私は通路を走っている。
その後を走る龍一。
そして私たちを追ってくる錬。
龍一が必死に撃ち返している。
その先の部屋で私は足にボウガンを撃ち込まれた。
あの痛みは今でも覚えている。
そして信じていた福田が犯人だったと知った時の悲しみ。
そして流れ込んできた福田=幸の怒り。
そして私が幸をナイフで刺し殺した時の恐怖。
もしかしたらあの時私は心のどこかで快感を覚えていたのかもしれない。
その後龍一が死んだ。
最後に私は彼と唇を合わせた。
そしてその後私は精神病院に収容された。
ここで記憶の再生が終わった。
川村きょうや
「記憶を掘り返すようで悪いんですがその原因と内容を話していただけないでしょうか?」
俺は戸惑いながらも佳奈美に質問した。
「原因は私たちが彼の父の会社にして罪、内容は生き残るためにほかの人間を皆殺しにしろというものです」
佳奈美の表情が一変した。
先程の曇った表情からきりっとした表情に変わったのだ。
「あなたの罪は?」
「忘れました」
素っ気なく答える佳奈美に俺は不安を抱いた。
「そうですか、では今回の事件の内容を話します」
俺は一度深呼吸をした。
「ついさっき警察署にキラーゲームに招待状が来たという電話が何本もかかってきました」
「それで?」
佳奈美が無表情で言う。
「それが嘘かもしれないし本当かもしれない、だから捜査に協力してもらいたいんです」
「たとえばどんな?」
「そうですね〜犯人の名前とか」
「それなら覚えていますよ、けどその人もう死にましたよ?」
「え?」
俺は言葉に詰まった。
てっきり犯人が逃走中でそいつが招待状を送ったと思っていたからだ。
じゃあやっぱりいたずらか?
しかしそれならほぼ同時にかかってくるのはおかしい。
数人で同時に掛けたのかもしれないが・・・。
「じゃあ誰が・・・」
「さあどっかの狂ったおやじじゃないですか?」
佳奈美がまた無表情で言った。
「とにかく警察署に来てくれないかな?」
「別にいいですけど」
佳奈美は無表情で言った。
いや今度は笑みが隠れていたのかもしれない・・・。
PART5(謎の手紙)
俺と佳奈美は警察署にたどり着いた。
俺はパトカーのドアを開けて外に出た。
雪が降っている。
俺は佳奈美の横のドアを開けた。
「ありがとうございます」
佳奈美は無表情ではなくなっていた。
そして彼女もパトカーから降りる。
「うわあ、きれい」
佳奈美は降りるなり雪を見て呟いた。
「でも寒いね」
俺は身体をさすりながら言った。
「ですね」
「早く警察署に入ろう」
「はい」
俺と佳奈美は警察署に入った。
エレベーターに乗りオフィスに向かう。
オフィスに入るとだんぼうが効いていて暖かかった。
俺は自分のデスクに向かった。
佳奈美が後をついてくる。
「よお川村」
俺に同僚の重石けいろが言った。
名前の通り重いおデブちゃんだ。
「おおけいろ」
俺はけいろの方に向かった。
「お前どこ言ってたんだ?」
「ちょいと捜査でね」
俺は手で銃の形を作った。
「なんの捜査だい?」
「キラーゲームだ」
「お前面白いジョーク言うな」
けいろが笑う。
冗談だと思ったようだ。
「ジョークじゃないんだ」
俺の言葉にけいろの笑いが止まった。
「どういうことだ?」
「詳しい事は今度話す、人を待たせてるんでな」
俺は佳奈美のことを思い出し会話を中断し俺のデスクに戻った。
するとそこに一通の封筒が置かれていた。
「野上さんこれはなんだい?」
俺は現場を見たであろう佳奈美に聞いた。
「さあ私がちょっとここを離れて戻ったら置かれていました」
「なんで離れたんだい?」
俺は念のため聞いた。
「ちょっと落し物しちゃって・・・」
「そうなんだ」
俺は封筒を手に取った。
表面を見る。
そこに字が書かれていた。
<静かに刑事さん、黙って封を切ってごらん>
俺はわずかに驚きながらも封を切った。
中から一枚の手紙。
俺はそれを読んだ。
          手紙
       やあ刑事さん僕を捕まえようとしている様だね
       ならちょいとゲームをしようよ
       君が僕を捕まえるのが早いか
       ゲームのプレイヤーが死ぬのが早いか君が僕を捕まえるのが早いか
       言っとくけど署長とかにちくったら罰が待ってるよ
       僕に関するヒントはZERO
       ゲームの会場に関するヒントもZERO
       まあがんばってね 
              ゲームマスターつとむくんより
俺は驚愕のあまり声が出なかった。
ゲームをしようだと?
僕を捕まえてみろ?
ゲームのプレイヤーだと?
こいつはマジでやばい話みたいだ。
「何が書いてあったんですか?」
佳奈美が覗きこんできた。
「え・・・」
佳奈美は口を押さえた。
「これなんなんですか?」
佳奈美が不安気に聞く。
「分からない・・・でもこれは俺一人で解決しなきゃならないようだ・・・」
「でもどうやって捜査するんですか?」
「さあね・・・まあ君を家に送ってから考えるよ」
「私も協力します」
「え?」
予想外のコメントに俺は驚いた。
過去のトラウマの様な出来事には関わりたくないはず、しかし彼女はトラウマに挑むと言う。
「過去のトラウマと決別したいんです」
彼女は決意に満ちた顔でそう言った。
「そうか、なら早速パトカーにゴーだ!!」
俺は小声でそう言った。
同僚に聞かれてもまずい・・・。
俺はけいろに言ったことに不安を感じた。

2 デスゲーム
PART1(目覚め)
鏡総一郎
俺は誰かの声で目を覚ました。
「起きろ!!」
男の声。
「う・・・」
視界が徐々にはっきりしてくる。
周りには男と女が数人。
「え!!」
俺はあわてて立ち上がった。
そして辺りを見回す。
俺がいる場所は奥に大きなドアが一つだけある殺風景な部屋だった。
「どこだよここ・・・」
俺は呟いた。
「お前ら誰だよ!?」
俺は周囲にいる人物を見回す。
男が4人。
女が4人。
合計8人。
いや俺を入れると合計9人。
「おちついて!!私たち目覚めたらここにいたの」
俺に髪を短く切った女が話しかけてきた。
「なんで・・・」
「分からない・・・とにかく聞きたいことが一つだけある」
女が真顔で言う。
「あなたどこの中学?」
は!?そんな事今の状況と何が関係ある?
「そんなの今は関係ないだろ」
「いいから答えて」
「川名技県の北星中学校だよ・・・」
俺は仕方なく答えた。
「やっぱり・・・」
「何がやっぱりだよ?」
「実はねここにいる全員が北星中学校の出身なの」
                    killergameクリムゾン・パズル参加者一覧
                     室川康平 23歳 男 (むろかわ こうへい)
                     郷田照正 23歳 男 (ごうだ てるまさ)
                     矢野久美子 23歳 女 (やの くみこ)
                     鏡総一郎 23歳 男 (かがみ そういちろう)
                     室橋直美 23歳 女 (むろはし なおみ)
                     斎藤尚也 23歳 男 (さいとう なおや)
                     中川香 23歳 女 (なかがわ かおり)
                     木村馨 23歳 男 (きむら かおる)
                     佐野和美 23歳 女 (さの かずみ)
PART2(始動)
俺達は自己紹介を終えた。
なるほど思い出せてきた。
常に二人で行動していた室川と郷田。
クラスのあねき肌だった矢野。
クラスのアイドルだった室橋。
結構頭のよかった斎藤。
ちょっとイケ面だった木村。
そして親友同士だった中川と佐野。
「なるほど3年E組全員集合ってとこか」
ここにいる全員がかつてのクラスメイト。
「しかしこれからどうすんだ?」
俺が聞くと矢野が答えた。
「あそこに戸があるよね」
矢野が大きな戸を指差しながら言う。
「ああでもあそこ開くのか?」
「それがねあそこの戸は全員が目を覚ましたら開くって戸に張られていた紙に書いてあったよ」
「まじかよじゃあとっとと開けようぜ」
室川が戸に近づく。
「俺も行くよ」
その後に郷田が続く。
俺も戸に近づいた。
戸は鉄で出来ていた。
近づくとさらに大きく見える。
戸にはドアノブの類は付いてなかった。
「押すぞ?」
矢野が戸に肩を当て言う。
「OK俺も手伝うよ」
郷田がその横に並ぶ。
「3、2、1で押すぞ」
「おう」
「いくぞ3 2 1!!」
二人は同時に動き出した。
押すというよりは戸に突進しているという感じだ。
そして戸が完全に開く。
「ふー」
二人が手で額をぬぐった。
その先の部屋には見える限りでは次の戸と小さな焼却炉があった。
「さ、先に進も」
矢野が笑顔で言った。
川村きょうや
俺と佳奈美はカフェに来ている。
まずは佳奈美から前回の事件の犯人の事を聞くのが先だ。
そのためにもちょっとでもリラックスしてもらおうと俺のおごりで駅前のカフェに来たというわけだ。
「コーヒーでございます」
店員がコーヒーを俺の前に置く。
「アップルジュースでございます」
店員が佳奈美の前にアップルジュースを置く。
彼女によるとコーヒーよりもアップルジュースの方がリラックス出来るらしい。
店員が頭を下げ去って行った。
「野上さんは好きな歌手とかいる?」
俺は彼女の緊張を少しでもほぐそうとそんな話題を出した。
女の子なのだから好きな歌手ぐらいいるだろう。
「う〜んメディアの村橋さんですかね」
佳奈美がにっこりして答えた。
メディアとは最近流行りの音楽グループで4人のイケ面で構成されている。
「へえ結構いい趣味してるじゃん」
俺はこの場を明るい空気で満たそうと努力した。
「やっぱり村橋さんかっこいいですよね〜」
佳奈美がうっとりした表情を作った。
「だよね」
俺は出来る限りの笑顔でそう言った。
そろそろ本題に入らなければならないから・・・。
PART3(首輪)
鏡総一郎
俺達が次の部屋に移動すると入ってきた戸が閉まった。
「え!!何これ!!」
中川が叫んだ。
「落ち着いて」
矢野がそう言った。
やっぱり矢野のあねき肌は変わっていない。
「やほ〜みんなキラーゲームクリムゾン・パズルの始まりだ〜」
どこからか声が響いた。
その声はニュースで登場する被害者の声を変えたのと同じ声だった。
「みんなのいる部屋に焼却炉があるよね?見える?見えるか?バーカ!!くひひひひひひ」
声の挑発的な言葉に俺はイラついた。
「んだとコラ!!」
室川が言った。
彼はクラスで一番ケンカが強かった。
キレやすいのが欠点だったが彼にはそれに負けないくらいの優しさがあった。
だから郷田はとても彼を尊敬していた。
中学校時代「兄貴」と呼んでいた。
彼らは卒業式の別れの日に号泣して抱き合った。
その時の光景はまさに青春の代表だった。
「ジョークだよ機嫌を損ねないで!!ほらほらいないないバアーしてあげるからさ」
「誰だテメー!!素直に出てきたらどうだ?」
その言葉を無視して声が続ける。
「焼却炉の中に首輪が9つ入ってる」
その言葉に全員の視線が焼却炉に集中した。
もちろん俺もだ。
中で火が燃えている。
本当にあそこに首輪があったとしてももう溶けてしまっているだろう。
「つーか溶けてんじゃね?」
室川が声に負けないくらい挑発的な声で言った。
もちろんそれは無視される。
「焼却炉の戸を開けてみな」
俺達は焼却炉の前に移動した。
中で火がボウボウと燃えている。
室川が戸の取っ手に触った。
「あっつ!!」
そう言って室川はあわてて手を離した。
「これをどうやって開けろっていうんだよ〜」
そして悔しそうに唸る。
俺達は開けるヒントを期待したがいくら待っても声は流れなかった。
という事は素手で開けろという事だ・・・。
川村きょうや
「ねえ野上さん前回のキラーゲームの犯人て誰だったの?」
俺は本題を切り出した。
また佳奈美の表情が変わった。
今度は不気味な笑みを浮かべている。
「犯人は富山コーポレーション社長の息子富山幸」
「で、犯行の動機は?」
「私たちが彼の父親の会社を潰す原因を作ったから」
「私たち?」
俺はだんだん佳奈美が恐ろしくなってきた。
さっきの彼女の自宅での時もそうだ。
キラーゲームの話をすると豹変する。
キラーゲームの話はタブーなのか?
あの悲劇が彼女の精神に異常を作った?
まあどんな状況にしろ彼女から前回の模様を聞き出さなければならない。
「私のほかにも何人かプレイヤーがいたわ結局みんな死んだけど」
「何か今回の事件の手がかりになるような事はある?」
「ない」
彼女は無表情で素っ気なく言い放つ。
「たとえば幸が別のゲーム会場を作っていたとか」
「さあ私はこの手で彼の身体をズタズタにしただけ」
佳奈美が自分の手を見ながら不気味に笑った。
「なんちゃって」
佳奈美が下をぺろりと出して笑った。
とても愛嬌のある顔だ。
俺はほっとした。
佳奈美が異常じゃないと分かったから。
じゃあマンションの時のは?
俺はその事を考えるのをやめた。
「冗談はよしてくれ」
俺はコーヒーを飲みながら言った。
「ごめんなさい」
佳奈美がにっこり笑いながらアップルジュースをストローで飲んだ。
鏡総一郎
「どうやって開ける?」
矢野が全員を見回して言った。
「素手で開けろって事じゃないのか?・・・」
室川が恐怖に満ちた表情で言った。
「え!?あたしはやだよ」
室橋が叫んだ。
「私たちもやだよ」
中川と佐野が手をつないで言った。
「こんなの触ったら大やけどしちまう・・・」
郷田が不安げに言った。
「誰かやってくれ・・・」
俺は心の中でそう言った。
しかしその言葉は実際に俺の耳に聞こえた。
俺は気付かないうちに呟いていたらしい。
まったく自分がみっともない・・・。
「じゃあ私がやるよ」
そう言ったのは矢野。
みんなが恐れているから彼女は勇気を振り絞ってそう言ったのだろう。
「いや俺がやるよ」
そう言ったのは先程焼却炉に触れた室川。
「いいの?」
矢野が遠慮気味に聞く。
「ああやってやるぜ」
室川が笑って言った。
やっぱりあいつは優しい。
室川の手が焼却炉の戸の取っ手に触れた。
ジューと肉の焦げるような音がする。
「うああああああ!!」
室川が絶叫しながら勢いよく取っ手を引いた。
そして焼却炉が開く!!
戸が開いた瞬間炎の強さが落ちた。
さっきと比べると比べ物にならないほどになった。
しかしそれでもまだ燃えている。
「う・・・」
室川が手を押さえている。
「大丈夫か室川!!いや兄貴!!」
郷田が室川に駆け寄った。
室川の手から出血していた。
焦げたのだろう。
黒い部分もある。
「室川君!!」
矢野も駆け寄る。
俺と残りのメンバーはしばらくその場に立ち尽くしていた・・・。
川村きょうや
「君はどこに手がかりがあると思う?」
俺は佳奈美に聞いた。
もしかしたら手がかりを知っているかもしれない。
「う〜んお父さん思いの彼の事だから・・・」
佳奈美はしばらく考え込んだ。
「残ってればですけど富山コーポレーションの本社の跡とかにあるんじゃないですか?」
考えたあげく佳奈美はそう言った。
「本社がどこか知ってる?」
「知りません」
そう言って佳奈美はうつむいた。
「パソコンで調べるしかないか〜」
俺は自宅のパソコンで調べることにした。
佳奈美の家と俺の家では俺の家の方がここから近い。
「じゃあちょっと面倒だけど俺の家のパソコンで調べよう」
「あ、ちょっと待ってください」
そう言うと佳奈美はケータイを取り出していじりだした。
「何してるの?」
俺が聞くと彼女は「ちょっと待って」と答えた。
そして「あった!!」と言うと俺にケータイの画面を見せて来た。
そこには富山コーポレーションの案内サイトが映し出されていた。
そして今佳奈美が開いているのは本社の住所が映し出されたページ。
その画像に俺はとてつもないヒントを感じた。
鏡総一郎
俺は焼却炉の中を覗き込んだ。
中には首輪が9つ。
首輪は棒でぶら下げられていた。
「首輪があったぞ」
俺はみんなに知らせた。
みんなが次々に中を覗き込む。
室川も手を押さえて中を覗き込んだ。
「あんな高温で溶けてないとわ・・・」
手を焦がした室川が信じられないといった声で呟いた。
「なんとか焼却炉を開けたみたいだね」
あの声が再び喋り出した。
「中に首輪が入ってるだろ?僕嘘言ってないだろ!?きききききき!!」
声が不気味に笑った。
「さあて問題はそこから中からどうやって首輪を取り出すか・・・」
俺達は黙って耳を傾けた。
「素手で取り出すしかないよ」
その声に俺は絶望した。
「炎を弱めたのは僕からの配慮ありがたく思いな」
「あんな熱そうなの素手で取るの!?」
中川が叫んだ。
「首輪を取りだしたら首に付けな、付けないとそこから出られないよ、まあそこで餓死するのもいいけど」
川村きょうや
俺と佳奈美はカフェを出た。
そして停めてあったパトカーに乗り込む。
本社の住所は杉岡県開尾身(あけおみ)市13−56ー32。
ここから高速道路がすいていれば1時間ぐらいで着く。
俺はパトカーのハンドルを握った。
鏡総一郎
俺は叫びたかった。
あんな熱そうなものを首に付けろだと!?
くそ!!こんな狂った事を考えたのはどこのクレイジー野郎だ!!
「ねえどうするの!?」
佐野が叫んだ。
「どうするって聞かれても・・・付けるしかないでしょ・・・」
「私はやだよ!?そんなの付けない!!」
「じゃあここで餓死するのを待つっていうのか?」
佐野に室川が反発した。
「警察の人が助けに来てくれるよ」
佐野がそう言った。
「そうだよね警察が来るよね」
中川が笑みを浮かべた。
俺は正直助けは来ないと思っている。
これほどのクレイジー野郎だ警察への注意も忘れないだろう。
つまりこの首輪は付けなければならないのだ。
「そんなの来るわけないだろう!!世の中はそんな甘くないんだよ!!」
室川が叫んだ。
「兄貴・・・」
郷田が呟いた。
「付けるしかないだろ」
そう言うと室川は首輪に手を伸ばした。
首輪は完全に連結されておらずそこに隙間がある。
「やってやる!!見てろよサイコ野郎!!」
彼はそう言うと首輪をつかんだ!!
「ぐおおおおおおお!!」
彼は急いで首輪を棒から外した。
彼が手を焼却炉から出すと首輪が床に落ちた。
手からさらに出血している。
しかしさっきの取っ手よりは高温ではない様だ。
しかしなぜだ?それはおかしいじゃないかなぜ中で火にさらされていた首輪より外側の取っ手の方が熱いんだ?
もしかして取っ手の方が熱くなるように設計されてる?
俺は頭を振って考えを振り払った。
今はそんな事を考えている場合ではない。
「うぐう・・・」
室川が手を押さえている。
「兄貴!!」
郷田が室川に駆け寄った。
そしてそばにしゃがみ込む。
「大丈夫?」
矢野も室川を心配して声をかける。
中川と佐野は相変わらず叫んでいる。
「落ちつきたまえ」
木村がどこかの博士の様に中川と佐野をなだめようとする。
彼の髪型は七三分け。
髪は薄い赤色に染められていた。
そしてクラブのボーイの様な身なりをしている。
木村は昔から博士の様な偉そうな喋り方をしていた。
それでもイケ面だった彼は女子に人気があった。
彼はそのイケ顔を自慢に思っていたナルシストだった。
俺は木村の性格が気に入らなかった。
しかし彼はクラスメイトに嫌われてはいなかった。
俺がなぜあの性格が嫌にならないのかとクラスメイトに尋ねるとクラスメイトは「あの性格は嫌いだけどなんだか彼といると楽しいんだよ」
と答えた。
「相変わらずうぜー性格」
斎藤が言った。
彼もそれなりにイケ面で頭もよかったため女子には人気があったが毒舌なためあまり友達はいなかった。
そのため彼はよく女子と会話をしていた。
「なんだい?友達のいない斎藤君」
木村が斎藤に負けないくらいに毒づく。
「元祖ナルシストに言われたくないな」
斎藤がさらに毒づく。
「もう二人ともやめてよ今はどうやって生き残るか考えるべきでしょ?」
室橋が言った。
彼女は自己中心的な性格が原因で女子の友達がいなかったがアイドル並みの可愛さに惚れた取り巻き男子達がいた。
「まあそうですね」
室橋の前には流石の木村も降参だった。
「まあね」
それは斎藤も同じだ。
「この後はこれを付けるんだっけ?」
室川が痛みを必死に押さえた顔で言った。
「そ、そうよ・・・」
矢野が顔を曇らせて言う。
「よしみんなよ〜く見てろよ男室川の生き様を!!」
室川がそう言って立ち上がった。
かっこつけしている様な言い方だがこんな大げさな言い方をしなければ覚悟が決まらないのかもしれない。
「あなたこれ付けるの!?」
矢野が驚愕した顔で言った。
「付けるっきゃない!!」
室川が明るい表情で言った。
きっと無理に作ったのだ。
「あ、兄貴・・・」
郷田が複雑な表情で言った。
きっと室川を応援したい気持ちと室川を止めたい気持ちが重なっているのだ。
「よし、やってやる・・・」
室川が恐る恐る首輪に手を伸ばした。
その手が首輪に触れた時わずかに煙が上がった。
「うぐう・・・」
室川は唸りながら首輪を首に押しつけた。
そして後ろに手を回しガチャリと首輪を連結させる。
「う・・・く・・・へへ装着完了ってとこだ・・・」
室川が苦痛を押さえながら手でグッドサインを送ってきた。
「兄貴!!」
「室川君!!」
郷田と矢野が同時に室川に駆け寄る。
メンバーの中でほかの人間の事も考えているのは室川と矢野と郷田くらいだろう。
俺は正直他人の命はどうでもいい。
そうだ自分さえ助かれば・・・。
     ー18分後ー
室川が首輪をつけてからだいぶ状況が変わっていた。
あの後郷田と矢野が決心して首輪を着けた。
それに続くように木村と斎藤が首輪を着けた。
その後室川と郷田が残りのメンバーの首輪を取ってくれた。
やはり彼らは俺達の事も考えてくれていたのだ。
その首輪は床に放られた。
その後室橋が叫びながら首輪を着けた。
そして俺は今首輪の前にいる。
恐る恐る首輪に手を伸ばす。
首輪に触れた。
熱が俺の手を駆け抜ける。
「う・・・」
俺は唸った。
しかしこの熱さは室川達が味わった熱に比べれば甘いものだろう。
それを首に付ける。
途切れている両端を連結させる。
俺はその場にへたれこんだ。
圧倒的な達成感が熱を消していた。
「やった・・・」
俺は思わず呟いてしまった。
「ねえ和美もうあたしたちだけだよ・・・」
中川の声が聞こえ俺はそちらに顔を向けた。
「着けよ?」
中川が言った。
「え?着けるの?・・・」
佐野が信じられないといった顔で中川を見る。
「うんみんなも着けたわ残るはあたしたちだけ、選択肢なんてないのよ」
そう言い中川は佐野の手を離し首輪に近づいていった。
「ちょっと香!!あなた正気?」
佐野があわてて中川を止める。
「ならあなたはここで餓死するのを待つってゆうの?」
「それは・・・」
佐野が黙ってしまった。
「ほら選択肢なんてないのよ、あったとしても首輪を付けて生きるかここで餓死するかのどちらかよ」
中川の顔は覚悟が出来てるというものだった。
「どっちがいい?生きるか死ぬか」
「もちろん生きたいわよ」
「なら付けましょ?」
「分かった・・・」
中川が佐野に手を伸ばした。
佐野も手を伸ばす。
手がつながれた。
二人はならんで歩き出した。
二人は同時に首輪を取った。
「う・・・」
二人の口から呻きが漏れた。
「うおおおおお!!」
中川が叫びながら首輪を装着した。
「うあああああ!!」
佐野も同じように叫んで首輪を着ける。
これで全員が装着出来た。
ガラガラと戸が開く音が聞こえた。
PART4(パズル)
鏡総一郎
俺達は次の部屋にたどり着いた。
部屋に入るとまたもや戸が閉まった。
しかしもう誰もそれに驚かない。
全員の視線が中央に置かれた不気味な装置に集中した。
それはよく遊園地にある垂直落下型アトラクションの椅子の様なものの背後に死神の鎌の様な鋭い刃物があった。
「やあみんな」
再びあの声が聞こえた。
「今度は何をするんだ?」
室川が右手を腰に当て挑戦するような視線を天井に向ける。
俺は天井を見上げた。
天井の中央にスピーカーがあった。
「中央のアトラクションに座ってくれたまえ〜」
声がいい加減に言い放った。
俺達は次の言葉に耳を傾けたがもう声は聞こえなかった。
おそらくあの装置に座ったら再び喋り出すだろう。
「あ、あの装置何なの!?」
室橋が中央の装置を指差して叫んだ。
「だ、誰か座ってみてよ!!」
室橋が叫ぶ。
自己チュー度マックスのスーパームロハシの登場だ。
「みんな一斉に座ろうぜ」
室川が言う。
彼の意見ももっともだろう。
そうすれば誰か一人が恐怖を味わう必要がなくなる。
しかしあの装置が罠だったら一気に全員が死ぬことになる。
「あんたが座りなさいよ!!」
室橋が叫ぶ。

Re: キラーゲーム2クリムゾン・パズル(現在第2章を執筆中) ( No.2 )
日時: 2009/12/06 14:53
名前: クックマン01 ◆nSmq1h.fP. (ID: rUpk0CSp)

トームくん

イイネイイネ

特に七三分けのナルシーとか流月のバカやんけ
あとけいろって俺の名前に似てるな

Re: キラーゲーム2クリムゾン・パズル(現在第2章を執筆中) ( No.3 )
日時: 2009/12/06 17:19
名前: (( `o*架凛 ◆eLv4l0AA9E (ID: 81HzK4GC)

こんばんゎ☆
またまたキラーゲーム炸裂してますねッ!!
肉が焦げるって……想像すると、というか想像したくもないですね……ww
今度は一体誰がゲームマスターなんでしょうか!
続きが気になりますね((o> <)oワクワク
楽しみにしてます〜☆

Re: キラーゲーム2クリムゾン・パズル(現在第2章を執筆中) ( No.4 )
日時: 2009/12/11 19:48
名前: クックマン01 ◆nSmq1h.fP. (ID: rUpk0CSp)

みなさん犯人を当てっこしません?

Re: キラーゲーム2クリムゾン・パズル(現在第2章を執筆中) ( No.5 )
日時: 2009/12/17 17:08
名前: 読者 (ID: QdQNOOXC)

流月のバカとかそれも悪口じゃん


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