ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 『自殺部』
- 日時: 2009/12/01 21:56
- 名前: らりえもん (ID: qc1RdKQl)
友達のリクエスト「暗いモノ」で。
題名『自殺部』。
注意書き。
・浅井も谷在家もソラもここでは女です。キャラが気に入っているので名前だけ出しました。
・三人は友達で、谷在家には一部お色気刑事設定。よくある感じで。
・話が良く分からないかと思いますが、それは色々省いていたりするので・・・。ここが良く分からない、というのがあれば伝えてくだされば説明いたしますが・・・orz。
友達からのリクエストなので、こちらが先に終わりそうなので新しく作りました。他二作品はもーちょい待ってくださいw。一応受験生ですので・・・。
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- Re: 『自殺部』第一話「僅かな変化?」 ( No.1 )
- 日時: 2009/12/01 21:58
- 名前: らりえもん (ID: qc1RdKQl)
「なーなー谷在家ー。」
彼女———俺の友達の浅井は、少し離れた席から俺のところへ来た。いつもこうして俺のところへ話に来てくれる。今度は何だろうか。
「ん?なんだ?」
俺は振り返った。ただ、いつもと浅井は少し違うような気がした。理由なんかわからないけど。
返事を待つ俺に、浅井が口を開く。
「明後日の日曜日、遊ばない?私んち集合で。」
明後日・・・特になにもないはずだ。
それに最近遊んでいなかったし、いいだろう。
「ああ。久しぶりだな。何時頃行けば良い?」
「いつもどおり、1時30分に。」
「ああ。」
俺が短く返事をすると、浅井は少しだけ微笑んで席に戻っていった。
・・・いつもなら、もっと話をするはずなのだが。まあ、話題が無い時もあるだろ。
「・・・っと、もうこんな時間か。」
俺は大して気にもせずに、英語の授業の準備を始めた。きっと、時間が無かったからだろう。
———昼休み。
昼休みが始まると、大抵隣のクラスのソラが俺達のところに話しに来る。本当は、他クラスの教室に入っちゃいけないけどな。皆、そうしている。
浅井とソラは先になにかを話して盛り上がっているようだ。俺は鉛筆を削りまだしまっていないテーブルクロスを鞄に突っ込んでから彼女たちの話に加わる。
ソラのマイブームだとか、浅井の兄ちゃんの話だとか・・・他愛もない話をした。
しばらく話していると、予鈴が鳴った。
「やべっ、次理科じゃん。行かないと。」
「あっ、そうだね。」
「じゃあ、うちは戻るね。」
俺と浅井がそう言うと、ソラはじゃあまた、と言って戻っていった。
「うん。」
「あとでね。」
俺と浅井は理科の教科書やらノートやらを持って、理科室へ歩き出した。
「谷在家。」
「あん?」
「私の良い所ってどこ?」
「え!?いきなり言われてもなぁ・・・うーん・・・。」
まさかそんな質問をされるとは思わなかった。だが、浅井にも良い所は結構ある。答えを出すのに大した時間はかからなかった。
「そうだなあ、」
「うん。何?」
「頭が良い。」
そういうと、浅井は少し眉をひそめた。
「・・・それだけか?」
「いや、」
俺はそう聞かれたので続ける。
「あとは、思いやりがあるところだな。お前、結構人のことを考えていると思うよ。迷惑にならないようにしているし。」
「そうかなぁ・・・。」
浅井はそう言って、少し自信のなさそうな顔をした。
「そうだってば。それに結構色んな人と話しているじゃないか。声も掛けられているし。お前の性格のおかげだって。」
「うーん・・・。」
自信のない顔をされると、なんとなくこちらまで暗い気分になったので、少しテンションが上がりそうな趣味の話に切り替えた。
- Re: 『自殺部』第二話「不安と期待」。 ( No.2 )
- 日時: 2009/12/01 21:59
- 名前: らりえもん (ID: qc1RdKQl)
———校門前。
帰りは、俺と浅井とソラの三人で帰る。十五禁くらいの大声で言うと危ない話から、テストの話まで。色々話した。そして、帰り道が分かれ、俺とソラの二人だけになる。浅井だけは別の道だからだ。しばらくソラと話していて、思い出した。・・・そういえば。明後日は遊ぶんだっけか。なにをするか、ソラと話しておくか。
「ソラ、明後日浅井ん家で遊ぶんだよな。なにする?」
「え?知らないよ、そんなこと。」
「え・・・?聞いていないのか?」
意外だった。別に、二人だけ、という必要も特にはないからだ。・・・いつもなら、三人で遊ぶはずなのに・・・何故だ?
「あれー?おっかしいなぁ・・・。」
まあ、二人だけでないといけない理由でもあるのか・・・?ちょっとエロい話をするとか・・・?
・・・いや、それでも——・・・・・・。
俺は「まあ気のせいだろ。」とだけソラに言ってその話を無理やり終わらせ、話を逸らした。
———谷在家の部屋。
俺はベッドに横たわり、腕を組みさっきから頭から離れないことについて考えた。・・・明後日のことだ。
・・・大丈夫、だろうか。明後日。・・・いや別に大して気にするようなことでもないとは思うが・・・ただ、なんか不安なんだよな。・・・いや、考えるな。あいつがなにかするわけがないだろうに。
「・・・・・・・・・。」
・・・・・・もし、なにかあるとするならば。もう俺に嫌気がさしてたってことだろうか。
それで、絶交。別れを告げられて、「知人」・・・「クラスメイト」に格下げ・・・?
・・・まあ、それならそれで良いんだけどさ。俺には人を引きとめる権利もないし、無理に引きとめたって不幸にするだけなんだからな。・・・まあなんにせよ、明後日は覚悟しておいた方がいのかもしれない。心配し過ぎなら、気持ちを切り替えてただいつも通りに遊べばいい。・・・それだけ、だ。
俺は俺の妙な気持ちに対し、片方の口許を不自然に釣り上げ嘲笑ってから、瞼を閉じた。
- Re: 『自殺部』第三話「悪夢」。 ( No.3 )
- 日時: 2010/01/31 13:32
- 名前: らりえもん (ID: GXT1iSs/)
聴き覚えの、ある声。取っ組み合う、男達。
誤字っぽいのはわざとです。・・・なんか小説っぽくない?
その場にいた数名の視線の先には、凶器を持った知らない男。そして隣でへたりこんでいる女。悲鳴。
これは夢だって、わかっている。
それは夢では無かったと、『知っている』。
・・・わかってはいるが。
耳を塞ぎたかった。
目を瞑りたかった。
でも、俺は過去の夢を見ているわけで。
俺の体はあの時と同じ動きしかしない。
言うことも、やることも、見るものも同じ。
あの男を、本当は殺してやりたい。
なにもできなかった俺を、殺したかった。
そして夢ですらなにもできない俺を、殺したい。
目の前には、見覚えのある、死体が二つ。
目の前には、ナイフを持った男が、一人。
視界の端には、金属バットが、一つ。
目の前には、見覚えのある、死体が三つ。
視界の端には、震える手が二つ。
『なにか』に胸を斬られた。
『なにか』を殴った感蝕。
『なにか』が音を出す。
低い音を。空気の漏れるような音を。
なにか、背後で音がした。
誰かが、俺を抱きしめる。
「警察だ!———」
視界の端には、鏡。
見覚えのある、知らない奴が赤に塗れて映っていた。
- Re: 『自殺部』 第三話「夢」 ( No.4 )
- 日時: 2010/03/12 20:12
- 名前: らりえもん (ID: luklZ16E)
「———ッ。」
身体中が汗に塗れていた。
まただ。
また・・・この夢だ。
昔の夢。
家族が殺された俺以外の全員が殺された。
家族が殺されて俺は斬られて俺はあいつを殴っていて警察が来て俺は家族とあいつの返り血に塗れていて自分の血でもいっぱいになっていて———!?
・・・駄目だ。これ以上考えるな!思い出すなッ!!
昔の夢じゃないか!もう終わったことじゃないか!!
・・・夢じゃ無い。夢なら良かった。
今のがただの『有り得ない夢』で。昔の・・・『現実で起こった有り得た夢』じゃないのなら。
どれほど良かったことか!!?
・・・もし本当に。ただの夢なら。
今頃俺は目が覚めたことに安堵して。
いつも笑って迎えてくれる家族の顔を見て・・・また安心するんだ。
もう『過去』のことなのに。
あれ以来いつだって、そんな『未来』を夢見ていた。
———なんて馬鹿らしいことなのか!!!
・・・吐き気がする。いつもこうだ。
あの夢を見たときは。
・・・・・・もうどうでも良い。
吐き気がしようが、悪夢を見ようが。
だって、俺は生きているのだから。
父さんの。母さんの。兄ちゃんの分まで生きてやる・・・・・・!!!
- Re: 『自殺部』第四話「集中」 ( No.5 )
- 日時: 2010/03/15 19:59
- 名前: らりえもん (ID: luklZ16E)
気分が落ち着いた頃、俺は時計をみた。
・・・俺が寝てから、十五分ほどしか経っていない。
まあ、今日はよく寝れない、そんな日なんだ。
身体は汗でべとべとだし、いつもより早い時間だが気分転換に風呂にでも入ろう。
・
・
・
「ふぅ、気持ち良かった〜。」
パンツ一丁で、首に僅かに湿り気のあるタオルを巻いたまま、台所へ行く。独り暮らしでなくではなかなかできない芸当ともいえよう。
そして今がとても大事な時だ。漢なら・・・やらねばならない、重要条項。
それは———・・・風呂上がりの牛乳イッキ飲み!
しかも今日はちょっと奮発をしてフルーツ牛乳だッ!!
・・・イッキ飲みというものは、案外技術が必要である。
精神を研ぎ澄ませ牛乳をただ流し込むことだけに集中し、且つ舌の味蕾(みらい)を総動員させその味を楽しまなくてはならない。
勿論、農家の人や牛にも感謝をしながら。
・・・しかし、それだけイッキ飲みの達人ともいえる(?)俺なのだが、思わぬ失態を侵していた。
———テレビが、ついている・・・!?
しかも、これは相当面白い番組だ。毎週ほぼ欠かさず見ているが、必ず十回以上は吹く。
しかし、もう後の祭りだった。もう牛乳を飲み始めてしまったからだ。
・・・いや!牛乳を飲むことだけに集中をすればいい!何も聞こえない・・・テレビなんてない・・・。
あと少しで!あと少しで飲み終わる———!
だが。
「〜〜〜〜〜〜ってか!」
俺の鼓膜にそのクオリティの高い、高評価をせざるをえなくなるような、拍手でも送りたくなるような話が響いた。ただ今は賞賛の言葉を送りたい気分では無かったが。
そしてその次に聞こえたのは、なにかが噴き出されるような音だった・・・・・・。
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