ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ターン
- 日時: 2009/12/03 16:15
- 名前: BATAKO (ID: vl1Udskn)
「うわ!!」どーん。。。。
ターン
がちゃ
「おせーよ、ゆい!!何してたんだ」
「ごめんなさい;;ちょっと転んじゃって・・・あれ、みんなは?」
「もう帰った」
「えぇ!じゃあ祝賀会は?買出ししてきたのに・・・」
「おそいおめぇが悪い!」
しゅん、、、『そりゃそうなんだけど・・・帰んなくても・・・』
「・・・・・・でもついに行けるんですね。全国大会!なんか夢みたい!」
「・・・おまえはなんで全国大会目指したんだ?」
「だって先輩達の夢だったし」
「他人の為かよ」
「あ、イヤ アタシ自身陸上やってるうちに目標みたいになってて・・・それに・・・」
「・・・なんだよ」
「自分が先輩達と走り続けるには、目指さなきゃいけない場所だったから」
「・・・・・・ほーお、で?」
「え?」
「目標だった全国大会まで来て、次に目指すは優勝か?」
「ゆっゆ、ゆ、優勝なんてそんなッ・・・」
「てめぇハナから負ける気か!?」
「そ、そういう訳じゃないですけど、すごすぎて想像できないっていうか」
「ハンッ小市民が!」
「そういう先輩こそどうなんですか?」
「あ?」
「だって念願の全国大会ですよ?この大会に行ったら・・・・行ったら」
—————その後は?
ああ、そうだ
この大会が終わったら
先輩はもう———
「先輩は大会が終わったらどうするんですか?」
「?まだ始まってもいねぇのに、もう終わった後の心配か?」
「そういうワケじゃないですけど・・・・・・ただ、卒業したら陸上とか・・・どうするのかなって。ちょっと思
ったりして・・・」
「ほーお、知りてぇか?」
「えっ!?ハイ知りたいです」
「んじゃ教えねぇ」
ガーン『そうだった、この人はこういう人だった・・・』
「まぁどうしても知りたいんならぴったりついて来て、自分の目で確かめるんだな」
「ついて行くってどこへですか?」
「当ててみろよ」
「陸上・・・は続けるんですよね?」
「まぁな」
「進学、はしないんですか?」
「どうかな」
「あ、実業団とか?」
「さぁな」
ブツブツ「ええ〜?陸上は続けて、部活じゃなくて、プロじゃないの?ゔ〜〜〜〜〜!!」
「∑・・・まさか、まさか目指してる所って、、、あのS大って言いませんよね?」
沈黙が流れた。
「そうだな。だったら・・・だとしたらどうする?」
「え・・・」
「来るか?俺と一緒に・・・来るか?」
そうして手を差し伸べる。
「ゆい」
「あなた!また来てたのね。駄目じゃない!いくらOBだからって。
卒業生が用もないのに勝手に校内に入ってこないで」
「なーんだまだ先生、消えないんだぁ」
「んまぁ!失礼ね!!アタシは死ぬまで教師続けるわよ」
「へーへーそうかよ」
「ムキー・・・・・・私だって、私だってあなたの気持ちぐらい分かるわよ。
でも、だからってここに来ても、、、、、、陸上部はもう・・・・・・ないのよ!!ゆいさんだって」
「知るか・・・そんな事」スタスタ・・・
「ちょ、ちょっとあなた!!」
打ち所もタイミングも最悪だった
大会出場決定
大雨の後の部活での祝賀会
階段は濡れていた
両手は荷物でふさがっていた
———マヌケな話だ
しかも更にマヌケな事に
あいつは自分の死んだことにも気づかず
毎日 部室のあった場所に現れる
その度に———オレはあいつに問いかける
たとえ今日 答えがなくても
どうせ あいつは明日も来る
その度に聞いてやるさ
オレと来るか オレと来るかと
何度でも—————
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