ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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 掃除の時間
日時: 2009/12/05 17:02
名前: 屍鴉 (ID: iYyccJ4w)

プ ロ ロ ー グ


     さぁ 皆さん掃除の時間です


    ゴミは一つ残らず排除して下さい


     汚れは全て消し去って下さい





        では 掃除を開始します






登場人物プロフィール >>2

一話>>1 二話>>3

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Re:  掃除の時間 ( No.1 )
日時: 2009/12/05 14:15
名前: 屍鴉 (ID: iYyccJ4w)

第一話

世界は腐ってた。
反吐が出るようなものだった。
表面的な汚れも酷かったが
何よりもこの社会は酷い有り様で
ほうっておけばそのうち崩れてしまうくらいに腐っていた。
実際この東京も美しい都とはもう言えない。
そこら中人間で溢れ ゴミの臭いが漂い 曇天の空には鴉が徘徊していた。

誰しもが世界を変えるための力を持っていながら
自分が頑張ったって何も変わらないと言って逃げていた。

僕もその一人だった。
僕もその一人だったはずだった。
この世界に嫌気が差しながらも何もしないでいた
人間の一人だった。
 
 はずだった。


きっと出来心だった。
今まで参加したことさえなかったボランティアに参加したのが悪かった。
後悔なんて無駄なだけだが
今僕が考えなければならないのは 
どうやってこのボランティアから逃げるかと言う事だけ。

隣で震える彼女のためにも 死んで言った仲間達のためにも
残された僕の人生のためにも 




  僕は  死ねない






ブザーが鳴ってアナウンスが入る。

ーさぁ 皆さん掃除の時間です

   ゴミは一つ残らず排除して下さい

   汚れは全て消し去って下さい


        では 掃除を開始しますー


震えながら彼女が聞く。
  「どうしよ、、、」
僕は何も言わずに彼女をまた抱きしめた。


僕は 生きる。

世界なんて もうどうでもいい。



        僕は




   鴉のように醜い生き方になっても

       最後まで生きる
    

Re:  掃除の時間 ( No.2 )
日時: 2009/12/14 16:09
名前: 屍鴉 (ID: iYyccJ4w)

登場人物プロフィール


小野 雄大 (おの ゆうだい)
23歳 会社員  ボランティア班「カラス」に所属
妹と一緒にボランティアに参加した


浅草 由里  (あさくら ゆり)
22歳   ボランティア班「野良猫」に所属
保育士


伊藤 康介  (いとう こうすけ)
25歳   ボランティア班「ハイエナ」に所属
若手の刑事


小野 三咲 (おの みさき)
11歳 小学生  ボランティア班「鴉」に所属
小野雄大の妹

Re:  掃除の時間 ( No.3 )
日時: 2009/12/05 16:59
名前: 屍鴉 (ID: iYyccJ4w)

第二話

この世界は腐っている。
前から薄々は感じていたが今日はそれを痛感した。
僕の職場はおかしい。
どうかしている。

気に入らない職員はすぐにクビ。
自分の会社の邪魔になる他の会社は潰す。
職場のいじめは日常茶飯事。
会社の金はもう誰のものかも分からない。

そんなの おかしい。

やっと見つけた職場。
僕の期待を大きく裏切った。
期待していた生活は絶望的。
世の中はこんな所ばかりなのか?

やっぱり おかしい。

そう思ってた時 妹の小野三咲が声をかけてくれた。
  「お兄ちゃん。三咲ねっ小学校でこんなのもらったよ」
渡されたのは一枚の紙。

「  ボランティア募集!!
 〜あなたの頑張りは世界を変えます〜
  集合場所  中央公園前
  奉仕内容  掃除
  奉仕場所  世界

   参加をお待ちしております  」

そう書いてあった。
その紙についての第一印象は
  「なにこれ 気持ち悪っ、、」
そのまんまだ。
特に奉仕場所は世界と言う所が
なにか嫌な感じがした。
  「三咲はこれに参加するんだけどお兄ちゃんも一緒に行かない?」
いくき満々の妹はそう言った。

正直ボランティアなんてどうでもよかった。
だけど妹を一人でいかせる訳にもいかないし
なにより自分の心が疲れていた。
とりあえず何も考えたくなかった。
だから僕は行くと妹と約束してしまったのだ。
ボランティアという名前の
世界規模の闇の掃除に参加すると言ってしまったのだ。




今は後悔ばかりだ。
小野雄大は過去の自分を振り返って激しく悔やんだ。


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