ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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doll
日時: 2009/12/06 16:30
名前: ああ (ID: pqtrX.PI)

んとー
いままで見てる側だったんですけど書くのもたのしそうだなって思って書いてみました。

残酷描写や難しい表現がありますので残酷なのは無理というかたや難しい表現が分からないという消防の皆さんは戻るを押してください。

批判上等です。

ではどうぞ

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Re: doll ( No.1 )
日時: 2009/12/06 16:32
名前: ああ (ID: pqtrX.PI)

No1 いつもの日常Ⅰ

『今朝午前2時、東京都新宿で35歳の会社員、高崎繪璽かいじさんが死体で見つかりました。容疑者はいまだ分からず、K事件・・・に関与していると警察は発表しております。これで、K事件の被害者は21名となりました』

 テレビがニュースを淡々と告げていく。その声は何個も何個もニュースを告げる。いまので何個目なのだろうか。
 ニュースは嫌いだ。いい事など殆ど告げない。
 一年前まではこんなんじゃなかったっていうのに。

「物騒ね……岱箕だいきも気をつけなよ……」

 母親がそんな事を呟く。
 気をつけるってどうやって? 
 気をつける方法なんて幾らでもあるが人が死ぬと言う運命からは逃れられない。それが遅かろうが早まろうがどうでもいい。
 朝ごはんのオーブントースターで焼いた食パンを齧る。パンの耳の部分がぽろぽろと更に落ちて耳障りな音を発する。

「……でも、またK事件かよ」
「でもKって何のことなのかしら……」
「知るわけねぇよ。そんなこと……じゃあ、行って来る」

 食べ終われなかった食パンを口に銜えて椅子の横に置いてあるカバンを手に持った。カバンは然程重くはない。なぜなら教科書などは殆ど学校の引き出しに入れているからだ。所謂、“オキベン”と言う奴だ。
 廊下を歩き、玄関の靴箱から靴を取り出し素早く履く。

「今日は遅いの?」
「分からない……じゃあ」

 玄関のドアノブに手を掛け、ドアを開けてゆっくりと学校へ向かった。
 まだ時間あるな……それにしても物騒になったな。東京は……
 今の東京はK事件以来犯罪が続出している。一体何が起こったのやら警察はそれから記者会見での事件の詳細を細かく言わなくなった。だから、今の警察は“チキン”とか言われてる。
 俺は今、高校2年生で学校も割と近い。だから徒歩で通学してる。部活には入っていない。あんなの面白くもなんともない。時間を勉強に充てたほうが利口だ。まぁ勉強なんてしないが……
 もう学校についてしまった。俺の予想は外れ、ギリギリの時間だった。先生の「遅れるぞ」の言葉を無視してゆっくりと教室まで行く。
 教室は二階の端っこ。廊下の蛍光灯が切れている上、奥の方だからかなり暗い。
 教室に入ると皆、もう席についていた。
 しかし、雑談はしている。
 耳障りな音が鳴り響く中、俺もかばんを置いて席に着く。すると、前の女子二人が妙な噂をしていた。

「K事件の犯人って子供らしいよ」
「え〜子供があんなグロイことするわけないじゃん」
「ホントなんだって家のお父さんの会社の同僚が事件現場を偶然見たんだって。子供が包丁を使って、被害者をバラバラにして、適当に縫い合わせてるところを」
「うわ〜、あんたのお父さんの同僚やばいじゃん。名前なんて言うの?」
「ん? え〜と〜確か〜……高崎繪璽だったと思う…」

 その名前……あのニュースの!!
 見られたから口封じに殺したのか? じゃあこっちにくる可能性も…

「否定はできないな……」

 後ろから急にしかも俺の心を読んだかのように言葉を発したので後ろの奴に食掛かる。

じん! 脅かすなよ」
「だけど、あの話の流れからするとそうだろ?」
「うう〜ん……否定はできないけどな……」
「子供が犯罪を犯す。お前頭いいだろ? ちょっと考えてみろよ。今の警察の対応について」

 何で俺が頭いいと思ってんだろ。こいつ。天才から見ればそう思うのか?
 考えてみろって言われたら考えたくなるからか?
 警察について…か……警察は子供の犯罪について何も公表していない。警察はK事件についてほとんどのことを知っていると考えるのが妥当だな。何故公表をしないのか。普通は公表した方が捜査はしやすいだろう? なのに何故……
 ガランッ
 急に教室のドアが開き、少しびっくりした。
 教室に入ってきたのは俺たちの担任ではなかった。

Re: doll ( No.2 )
日時: 2009/12/07 19:24
名前: ああ (ID: pqtrX.PI)

市円いちまる先生は学校に来ていなく、連絡も取れませんので今日は私が担任としてここへ来ました」

 その先生は副担任の髭駕しが先生であった。しかし、連絡が取れないって……

「死んでるかもな。市円の奴」

 またこいつは! 俺の心の中をよんだみたいに!! そして、死んだって決め付けるな! 

「そうカリカリすんなって。で、お前の意見はどうよ? 」

 さっきから何だよこいつ。そう言えば今まで気付かなかったけど……こいつ、俺にしょっちゅう話しかけて来てたなぁ……
 そこまで人に興味がなかったから気付かなかったよ。

「分からねぇよ。メリットがねぇもん。公表しないのには」
「俺もそう考える。でも何故公表しないのか。公表すると何か問題があるんだ。その問題はたぶん犯罪を犯している子供だと思う」
「子供? ホントに子供がやってんのかよ」
「殺人を犯すのは幼稚な・・・・がやる。それだけのことさ」

 甚のその言葉には少し怒りが篭っていた。正義感と言う物がこいつの中にはあるのだろう。
 先生の話を無視しながら、俺たちは小声で話を進めた。

「俺の予想ではその子供は秘密裏に育てられた。人殺し・暗殺のエリートだと思う。それが逃げ出して、またはその子供を育てる施設が放棄して、今の町に散らばった。人を殺すのを日常だと考えてるそいつらなら普通にできることだ。秘密裏に行われていたことだから警察も公表できないし、捜査も秘密裏に行わなければならない。理解できたか?」
「それに確信はないだろ?」 
「う、うん。そうだけどな……」

 声のトーンが少し低くなる。否定されるのが嫌だったのだろう。

「もう一つ、俺の予想があるんだけど…今日からこの学校は犯人を捕らえるための餌になる。今日学校に来るときに警察が俺達のことつけてたかもな」

 でもそれじゃあ秘密裏の捜査にならないんじゃ……


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