ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 煉獄から死神少女。
- 日時: 2009/12/09 21:59
- 名前: 更紗@某さん ◆h6PkENFbA. (ID: YpJH/4Jm)
〆御挨拶
どうもこんにちは、「Fate of Chains-運命の鎖-」を執筆している某さんです。
フェイトよりこっちの方が本筋? というか、フェイトは息抜きって感じですかね。
俺の好きな悪魔、魔術、幻獣詰め込み放題です。ヒロイン死神だったりと、ファンタジー要素たっぷりです。
ノリが多少某ラノベっぽいかもしれませんが、どうぞ宜しくお願いします。
※荒らし、いないだろうけどパクリお断り。
※まだ未熟なものですので、アドバイスをして下さると有難いです。
※悪魔やフランス語などわらわら出てくるので、分からない場合は某さんに聞いて下さい。
※言い忘れていましたが「面白いです」だけの浅いコメントはお断りです。そしてついでに自分の小説を宣伝してくるような方には、作者は大変嫌気が指します。いや馬路で。現時点ではいませんが、とにかくお断りです。
〆目次
Prologue 幻想と現実の死神 >>1
非日常01 死神少女、現る。 >>2
非日常02 死神少女、名乗る。 >>3
非日常03 死神少女、契約する。 >>6
非日常04 死神少女、居候になる。 >>10
非日常05 死神少女、客と話す。 >>13
非日常06 死神少女、見送る。 >>15
※第五話時点までの登場人物 >>14(ネタバレ有り)
〆訪問者様
nanasi様 藍羽様 (( `o*架凛様
- Re: 煉獄から死神少女。 ( No.11 )
- 日時: 2009/12/08 18:13
- 名前: (( `o*架凛 ◆eLv4l0AA9E (ID: 81HzK4GC)
こんばんゎ☆
死神のお話ですか……またまた私の大好きなものをッ((ノロ°o
キャラの名前がとってもかっこいいですッ!!
続き、楽しみにしてます(o°ω°o)ノ~~
- Re: 煉獄から死神少女。 ( No.12 )
- 日時: 2009/12/08 20:39
- 名前: 更紗@某さん ◆h6PkENFbA. (ID: YpJH/4Jm)
>(( `o*架凛様
こんばんは。そしてまたしても訪問有難いです^^
気が合いますね、俺も死神大好きですwwもうあの銀色に光る大鎌とかもう大好物ですry
何故かキャラの名前には無駄に凝るタイプでしてね、そう思って貰えたなら嬉しいです。
飽き性なりにも頑張って更新しますので、どうぞ宜しくお願いします^^
- Re: 煉獄から死神少女。 ( No.13 )
- 日時: 2009/12/08 20:40
- 名前: 更紗@某さん ◆h6PkENFbA. (ID: YpJH/4Jm)
非日常05 死神少女、客と話す。
***
「エヴァンジェリン=アリットセン、只の死神。宜しく」
『エヴァ様に仕える悪魔の、ウィニフレッド=シンクレアです。宜しくお願いしますです』
「私は泉井紫苑。宜しくねー、エヴァちゃんにウィニちゃん」
七時半過ぎ。紫苑、エヴァ、ウィニ、つまりは電波三人娘が和やかなムードで自己紹介をしている。俺、泉井司はそんな電波の話についていけず、一人で黙々とご飯を口に入れる。
何でだ。泉井家のまともな人間だった筈の紫苑が、何故に死神や悪魔が食卓に溶け込んでいてもにこやかでいられるんだ。
「お兄ちゃんも何か言いなよ」
「司も何か言えば?」
『司さんも何か言ったらどうですです?』
電波三人娘が突如ぐるりとこちらを向く。何だ、その目は。俺に何か話せというのか。お前ら電波の間に俺を入れて、俺まで電波にしようとかそういう計画なのか?
ああ、考えれば考える程頭がぐるぐるしてくる。とりあえず此処は何か言っときゃいいんだよな。
「えーっと、じゃあ……煉獄って何だ?」
俺がそう訊くと、電波共は驚いたような顔をしてこっちを見る。何だよ、普通一般人が『煉獄』なんて言葉知ってるか! ていうか紫苑! お前は知ってんのかよ!
頭の中で突っ込みまくっていると、驚いた顔から今度は冷めた表情で俺を見る電波。……そんなに俺をいじくって楽しいか。
「煉獄っていうのは、生と死の狭間のこと。私達死神は煉獄からこの世に来てるわけ」
“そんなことも知らないのか”という俺を嘲笑うかの表情なエヴァ。くっ……こいつら、黙っていればいけしゃあしゃあと……!
俺が打ち切れそうになって、箸をピクピクさせていた時だった。
突然窓が割れて、硝子の破片が弾け飛んだ。な、何だぁ!?
「あ痛たた……」
これはいったい何の夢だろうか……。長い栗色髪を後ろで三つ網にした少女が、いきなり空から窓に突っ込んできたんだが。
状況の理解できない紫苑とは違い、エヴァとウィニは驚いた表情で少女を見ている。そしていきなり上手く使えていなかった箸を放り出すと、少女の下に駆け寄る。
「シャロン!? どうしてシャロンが此処に……」
シャロンと呼ばれた少女は、くりくりした目を潤ませながらエヴァの胸に飛び込む。すいません、この展開に着いていけないのは俺だけでしょうか。
俺はふと、シャロンとかいう少女が入ってきた窓に目をやる。見るも無残に粉々になった窓硝子が俺の視界に入る。
「おい! お前いきなり何なんだ? 人の家の窓割って……これどうすんだ?」
「は、はう! ごめんなさい!」
俺のことがそんなに怖かったのか、ヒッと怯えた表情で何度も謝る少女。なんかこれじゃあ、俺が悪いことしたみたいで罪悪感が……。
そんな俺にエヴァ、ウィニ、紫苑が冷たい視線を送る。や、やめろ……確かに俺も言い過ぎたかもしれないが、元はと言えばこのシャロンとかい女が……。
俺が弁解しようとする前に、何故泉井家に突っ込んできたのかとエヴァが事情を聞き始める。
「で、いったいどうしたの? シャロンがこの世に来るなんて、何かあったんじゃないの?」
「そ、そうなの! 私はそれを伝えようと、使い魔のユリアにエヴァの居るこの家に連れてきてもらったんだけど……」
使い魔? 俺が疑問に思ってると、栗色髪の少女の周りを羽ばたく蝙蝠がいた。そして次の瞬間、どっかの黒猫のように煙を纏いながら、ツンツンした桃髪の少女へと変身した。
『ほーんと、シャロンはあたしがいないと駄目なんだから!』
「ご、ごめんね。ユリア……」
そう主人である筈の少女を見下ろしながら威張っている、ツンツンした小柄な少女。立場がまったくもって逆だと思うんだが……。
ずれた話を戻そうと、エヴァがもう一度栗色髪の少女に問いかける。
「話を戻すけど、何があったのよ?」
「は、はうっ。ごめんなさい! それが……この世で魂を回収し終わって煉獄に戻ろうとした時、アストラルに襲われて……。一体だけで、何か変だなって思ったら、普通の人間の形をとるアストラルだったの……。そ、それで『“竜魂の珠”はどこだ』って言われて……ううっ」
「……竜魂の珠、ね。やっぱこれを狙う奴が出たか……」
あっという間に人間には理解できないような、死神とかファンタジーな奴らしか分からない話に。すいません、俺にも分かるように話して下さいよ。何故か紫苑も「うんうん」とか言っちゃってるし、分かんないの俺だけじゃん。
蚊帳の外にされていた俺だが、いきなりエヴァが俺の方を見て話しかけてきた。
「単独で珠を奪いにくるとは考えにくいし、何かの組織かもしれない……。で、司。お前は私の契約者(コントラクター)なのだから、勿論協力して貰うわよ」
「この人がエヴァの契約者なの? 私はシャロン=スウィーニー。宜しくね、司君」
『ついでだから名乗ってあげる。あたしはユリア=ハイゼンベルク。あんたがエヴァンジェリンの契約者? 随分と地味な人間ね』
……ユリアとかいう奴の上から目線な態度が、もの凄くむかつくんだが。
ていうかやっぱ首突っ込もうとしなかった方が良かったかも……。何か思いっきり変なことに巻き込まれようとしてるんだけど、俺。
話が段々とワケの分からないところにいこうとしていたが、紫苑がそれを食い止めた。
「まあまあ皆。話は後で。シャロンちゃんもユリアちゃんも、一緒に晩御飯食べよっ?」
「はい」と素直に頷くシャロンと「仕方ないわねっ」と相変わらずツンツンした態度のユリア。とにかく今は、いきなり来た訪問者も含めて晩飯を食うことにした。
- Re: 煉獄から死神少女。 ( No.14 )
- 日時: 2009/12/08 21:01
- 名前: 更紗@某さん ◆h6PkENFbA. (ID: YpJH/4Jm)
現時点までの登場人物
泉井司 Tukasa Izumii ♂
今作の主人公。16歳の高校一年生。泉井家の長男でごく普通の人間。
とある偶然からエヴァと契約することになる。この小説ではおそらく一番まともな人間。突っ込み癖が強いと思われる。
エヴァンジェリン=アリットセンの契約者(コントラクター)
エヴァンジェリン=アリットセン Evangeline Allitsen ♀
今作のメインヒロイン。年齢不明。煉獄からやってきた死神。巨大な鎌が武器。
黒髪に赤い目の、死神というより吸血鬼(ヴァンパイア)のような容姿の美少女。黒服に黒のロングブーツを着用。
泉井司を契約者としている。愛称は「エヴァ」
ウィニフレッド=シンクレア Winifred Sinclair ♀
年齢不明。黒猫の姿になったり少女の姿になったりとする、エヴァの使い魔の悪魔。
語尾に「〜です」と付ける。基本丁寧語。エヴァを貶す者に容赦が無い。愛称は「ウィニ」
泉井紫苑 Sion Izumii ♀
13歳の中学一年生。司と二人暮らしだったが、エヴァやらウィニやらが加わりにぎやかに。
まともな人間かと思いきや、煉獄という言葉を知っていたり死神や悪魔の存在を簡単に認める。
泉井家の家事などを担当している。
シャロン=スウィーニー Sharon Sweeney ♀
明言されてはいないが死神。ユリアを使い魔としている。栗色髪を後ろで三つ網にした少女。
エヴァにあることを伝えに、泉井家にやってきた模様。
ユリア=ハイゼンベルク Julia Heisenberg ♀
シャロンの使い魔。桃髪の小柄な少女。
ツンツンとしていて、どこか威張ったような態度が特徴。つまりツンデレという奴である。
- Re: 煉獄から死神少女。 ( No.15 )
- 日時: 2009/12/09 21:57
- 名前: 更紗@某さん ◆h6PkENFbA. (ID: YpJH/4Jm)
非日常06 死神少女、見送る。
***
エヴァ、ウィニの死神&悪魔+シャロン、ユリアという新たな居候が来ながらも、何だかんだで休日を乗り越えた俺。毎週楽しみにしていた休日を「乗り越えた」なんて言い方をする日が来るとは……。
そしてやってきた月曜日、つまりは学校という名のかったるい五日間の始まりでもある日。紫苑は既に中学校に行っており、玄関まで出た俺は、怪しい4人組みに見送られ学校に行くことになった。
「行ってらっしゃーい」
『司さん、行ってらっしゃいです』
「頑張ってきて下さいね、司君」
『とっとと行きなさいよ、司』
エヴァ、ウィニ、シャロン、ユリアの順でお見送りの挨拶をする。どうも最後のツンツン娘の挨拶だけがムカつくな……。
少しムッときながらも、何事もなく家を出た俺。これから毎日、こうなると思うと何だか少し気が重くなるな……。
***
俺の通う高校は、私立の風之宮高等学院。この私立校に入った理由は進路に迷ってた時に中学からの親友、望月光輝に風之宮学院に入らないかと誘われたから、何となく入ったといういい加減な理由だ。特別頭の良くない俺は、偏差値がまちまちの学院に入ることに、特に反対する理由もなかった。
そして入ってから数ヶ月。俺は特に変わらず学院生活を送っている。
「おーっす、司! 今日は遅刻しなかったんだな!」
「うっせえよ光輝、この前はたまたまだ、たまたま!」
学校に着いた俺は、風之宮学院の朝休みに光輝のからかい半分で話しかけられる。いつもなら軽くスルーできる俺だが、あの電波死神共のこと、教室の女子のグループなどのざわめきが耳に入り、何だがイラつく。
俺がカリカリしているのに気づいたのか、気づけば光輝は自分の席に着いていた。ったく、あいつは自分が不利な状況に立つと、いち早く逃げてるんだよな……。
苛立ちを募らせていく中、朝休み終了を告げるチャイムが鳴る。教室の隅で騒いでいた女子や、廊下でふざけていた男子が次々と自分の席へ座る。全員が席に座るまではそんなに長くなく、あっという間にクラス全員が着席し、うるさかった教室が静かになる。俺の席は左の列、つまりは窓側の列の後ろから二番目だから、その光景がよく分かった。
沈黙が走る中、それを破るように教室の前の方のドアが開き、セミロングの茶色っぽい髪を後ろで束ねた、1年2組の担任篠塚綾が入ってくる。
「皆おはよう。出欠とるから、名前呼ばれたら返事するように。じゃあまず逢坂!」
一人ずつ名前を呼ばれていく。クラスの奴の名前を覚える気がない俺は、未だにクラスの3分の1くらい出席で名前を呼ばれていく奴の顔と、苗字が一致しない。
俺の苗字は「泉井」だからすぐ呼ばれる。返事をし終わりぼーっとしていると、後ろで椅子が倒れる音がした。誰だよ、出席如きで慌てる奴は。ていうか出席って別に立たなくていい筈じゃ……。
「は、はい!」
「伊吹、お前は相変わらずドジだな……」
伊吹……? 伊吹って確か、この前の席替えて俺の後ろになった……伊吹澪、だったか?
呆れ顔で篠塚先生が伊吹を見つめる。長い黒髪を揺らしながら、返事をする伊吹。はわはわと慌てているその姿は、まさにドジっ娘の象徴と言える気がする。
伊吹が席に座ると、それからまた次々と名前を呼ばれて出欠が終わる。
「一時間目は数学だ。頑張れよ」
そう言って篠塚先生は教室を出て行った。僅かな準備時間の中、教室のあちこちで女子男子が群れて話し始める。
さてさて、俺は数学の準備……ってえ!? やべえ、筆箱の中にシャーペン入れ忘れた……。休日ノートを整理している時、机に置きっぱなしにしたんだ……。どうしよう。
俺があたふたと慌てていると、後ろからとんとんと何かで背中を突かれた。一体誰だと振り返ると……伊吹? 伊吹がシャーペンの押す部分で、軽く俺の背中を突いたらしい。
「あっ、あの! 泉井君! 良かったら、私のシャーペン使って。二つ持ってるから」
「おお、サンキュー伊吹! 助かった!」
そう礼を言うと、伊吹がにこにことシャーペンを渡そうと筆箱を探る。と、座った状態でどうやったらそうなるかが不思議なんだが、転んで筆箱の中身を落とした。床にバラバラと消しゴムや色ペンが散らばる。
「お前、本当にドジだな……」
「ごっ、ごめんね泉井君!」
一緒に拾いながら伊吹がそう言った。ほんとドジっ娘の鏡だ、コイツ。
その時伊吹の顔は赤面状態。そんなにドジが恥ずかしいか……と俺は呆れながらそう思った
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