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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- (仮)あの少女
- 日時: 2009/12/09 23:43
- 名前: 水区々琉戸羽 ◆ChG12dAuNA (ID: WqQqUpsO)
アナベル・リィに捧ぐ
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- Re: (仮)あの少女 ( No.1 )
- 日時: 2009/12/10 00:12
- 名前: 水区々琉戸羽 ◆ChG12dAuNA (ID: WqQqUpsO)
ひどい埃です。
何十年、この部屋が使われていないせいもあるかと思いますが、しかし、この部屋の埃はひどい。私は潔癖症ではありませんが、この部屋に数分と入っていることができません。
けれどこの部屋で、毎日何時間、何十時間とピアノを引き続けた少女がいたことを私は誰かに知ってほしい。
その為だけに私はこれを書いています。
どこか色褪せているような緑の瞳
艶をもったブロンドの髪
白すぎる肌が痛々しかった
私の愛した少女
眠りについたアナべル・リィ
これから私は彼女の生涯についてを書き記します。
- Re: (仮)あの少女 ( No.2 )
- 日時: 2009/12/11 06:43
- 名前: 水区々琉戸羽 ◆ChG12dAuNA (ID: OtfUnLOH)
アナベル・リィ本人の話によれば、彼女がピアノを習い始めたのは3歳の頃で、一番始めに彼女を教えたのは彼女が両親、祖母と住む大きく古い木造の一軒家の隣に建てられたアパートに住む若い女性だったという。
彼女が始めて習い、弾けるようになった曲はチャイコフスキー作曲の人形のお葬式という曲で小さな子供が弾くには暗い曲であった。
アナべル・リィが5歳になるとそれまで彼女を教えていた若い女性(確かヴァランタンという名前だったはずだがヴィルジールだったような気もする。)は3つ上のフランス人と結婚しアパートを出ることになったため、若い女性の進めでアナべル・リィは町のピアノ教室に習いに行くこととなる。
そして後のある夜に彼女は私にヴァーレッタ(若い女性の愛称)に習っていた頃が一番幸福だったと語り、人形のお葬式を弾いた。私はその時の彼女の薄青色の微笑が忘れられず、
今でも夢に見るほどなのです。
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