ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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始まりの同情
日時: 2009/12/13 21:40
名前: みぃ♪ (ID: QBvEkUjp)
参照: http://geocities.yahoo.co.jp/gl/nmryx392

初めまして。みぃ♪です。
小説投稿サイトをいろいろと探していたところ、ここたどり着きました。
下手な作品ですが、早速投稿させていただきます♪

ちなみに、ダークというよりシリアスに近いです。

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Re: 始まりの同情 ( No.1 )
日時: 2009/12/13 21:35
名前: みぃ♪ (ID: QBvEkUjp)
参照: http://geocities.yahoo.co.jp/gl/nmryx392

 私には、大好きな人がいる。
 大好きで大好きで、一緒にいたくて、たまらない。
 なのに、想いはもう届かない。どんなに本気で伝えても、彼の心には届かない。
 でもそれは自業自得。彼が傷ついたのは、私のせいだから——

Re: 始まりの同情 ( No.2 )
日時: 2009/12/13 21:38
名前: みぃ♪ (ID: QBvEkUjp)
参照: http://geocities.yahoo.co.jp/gl/nmryx392

 そのとき私は、人生で初めて告白された。
「秋さん、ずっと好きでした。俺と……付き合ってください!」
 教室には私と彼——山崎竜也くんしかいなかった。山崎くんが、皆部活に忙しい時間帯を選んで私を呼び出したのだ。幸い、2人とも部活動に入っていない。
 窓から見える夕日が全てをオレンジ色に染めて、緊張した空気を引き立てている。
 正直、山崎くんはお世辞にも私の好みとは言えない。
 内向的でクール、しかも誰もが認める優等生。私はずっと、強くて、ちょっとワイルドで、私を命がけで守ってくれるような人に告白されるのを夢見てきた。だけど現実はそう甘くはない。好みの人に告白されるとは限らないと、今初めて気づいた。馬鹿だ、私。
 うん。ここはきっぱり断ろう。私は一度深呼吸をして、山崎くんを傷つけてしまう覚悟を決める。
 でもその瞬間、思い出してしまった。
 山崎くんはすごくデリケートで、傷つきやすい男の子だった。この前のテストで、いつも90点以上は取っている山崎くんが初めて80点台を取った。それでも、限りなく90点に近い89点だった。そのときちょうど山崎くんは病み上がりで、「調子が悪かったからしょうがない」と皆慰めた。でも、本人はかなりのショックを受けたらしく、塞ぎこんでしまった。
『俺っ、もう駄目だ……。なんでもっと頑張らなかったんだろう……』
 先生になだめられても、友達に励まされても、山崎くんは自分を責め続けた。それから約1ヶ月間、ずっと落ち込んでいた。よほど89点という点数を気にしていたらしい。
 少しの失敗もあれほど気にしてしまう山崎くん。彼の告白を断ったらどうなるだろう。好きな女の子に振られた自分を責め、もしかしたら立ち直れないかもしれない。そして私は、山崎くんを精神的に追い詰めた加害者になる。
 そんなの、耐えられない!
「それで、返事は……」
 山崎くんが遠慮がちに聞いてくる。私は微笑んで言った。
「いいよ」
 恋愛感情なんてどこにもない。でも、仕方ないよ。だって、山崎君がかわいそうだから。
「……ありがとう」
 普段クールな山崎くんの照れ顔が、少し可愛く思えた。
 頑張れ、私。一刻も早く彼を好きになってあげないと。


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