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消 えて い   く   
日時: 2009/12/24 19:09
名前: 西の魔女 (ID: MoBT/TTN)

第一話 「一人目の犠牲者」

特に、変わりない朝だった。

特に、変わりない一日・・・

に、なるはずだった。

今朝は学級活動で、私たちのクラス、紅丘小学校6年4組は外でドッジボールをしていた。

チャイムが鳴り、先生の笛が鳴り、その場で解散となった。

みんながばらばらになり、校舎へ入っていく。

私もその中の一人。


私は、柳野美琴。

そして私の隣に居るのが、関口安曇。親友である。

皆が教室へ戻り、今日の当番が朝の挨拶をして、先生が出席を取り始めた。


そこでクラスみんなが異変に気付く。


「あれ?三矢は?」

口を開いたのは大林祐一郎だった。

クラス中がざわついた。

「保健室じゃねーの?」

「当番活動?」

「でもあいつ当番明日だよー?」

「消えた!?」

「さっき帰ってたりしてw」

「えー?」

口々に勝手なことを口走るクラスメイト。

「静かに!」

先生の声が教室に響き、静まり返った。

「朝は三矢君居たんですか?」

先生が聞く。

「居ました。一緒に来たし。」

口を開いたのは槙原寮。

「だれか、学級が終わって三矢君と一緒に帰ってきた人いませんか?」

クラス中が鎮まった。

「・・・っていうか一緒に行こうと思ったけど居なかったし。」

そう言ったのは、祐一郎。

うなずく男子諸君。

先生は教室を出て行った。

「保健室見てきますから、静かに自習してなさい」

そう言って。

教室がざわつきを戻した。

「何?何なんだ!?」

「やば!」

「三矢介の消失!」

「ねー昨日のNステ見た—?」

騒ぐ男子、関係ない顔した女子。

「探しいこーぜ!!!!」

そう声をあげたのは祐一郎。

このお調子者め・・・

「おー!」

「俺も行く!」

「ちょっと男子!!」

「ウチもいこっかな☆」

「りっちゃん!」

「莉子が行くなら私も—w」

「いえーい!」

「おい、先生に怒られるぞ!」

「まず靴見にいこーぜ!」

「おー!」

「靴見れば学校にいるかどうかわかるもんね!」

そう言って諸君は教室を出て行った。

残ったのは、一部の女子と三矢のことがあまり好きでない男子。

三矢は人気だけど悪口がひどいのだ。

「・・・自習しようぜ」

口を開いたのは私。

みんなが漢字練習を始めた。


その頃 三矢を探しに行った奴ら

「どこだっけ三矢の下駄箱」

「俺の下!」

「お前のがどこだよ」

「あった!ここ、ここ」

「なーんだ、靴あるじゃ・・・・ん・・・」









「きゃああああああああああああああああああああああああああああ!!」




「うわぁ!なんだこれ!!!」


「きも!」


「だれか、先生、せんセ、」

「うわーん」









みんなが見たもの


それは、三矢の靴の中には












________三矢の足首のみがあったんだ。


斧のようなもので断ち切られた。

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Re: 消 えて い   く    ( No.5 )
日時: 2009/12/28 18:31
名前: 西の魔女 (ID: MoBT/TTN)

感謝感謝の言葉でいっぱいです!
本当にありがとうございます。

Re: 消 えて い   く    ( No.6 )
日時: 2009/12/28 18:53
名前: 西の魔女 (ID: MoBT/TTN)

第三話 「目撃」


森次のことは学校側に任せ、全校児童は速やかに帰宅となった。


三矢の下駄箱には、ブルーシートが張られていた。


下級生はまだ知らないようだ。このことを。

私たちのクラスだけかもしれない。









どうなるんだ学校は。









死者出てるんだぞ?


だって三矢これは即死でしょ?


誰か別の人間の足首じゃない限り。









・・・





じゃない限り。


「みっちゃん・・・」

安曇が話しかけてきた。

「ヤバいぉ・・・やばいよこれぇ・・・」



「・・・うん」


安曇は恐ろしげな顔だったが、私は涼しい顔で言う。


「みっちゃん、いくらなんでも・・・」

「やめて」


言いかけた所で、止めた。


嫌だった。思い出したくなかった。

私が三矢を嫌いな理由。




__三矢は、クラスの中でもそれなりに目立つグループにいて、友達もたくさん居た人気者だった。

私はある日、そんな三矢のグループのとある男子

小橋に告られた。

私は断った。

好きな人が居たから。

でも次の日から、男子の目線が私へ向けられた。

三矢を真ん中にして、みんなでこっちを見て笑っている。


「ブスのくせに調子乗ってんじゃねーよ」

聞かせているのであろう。

その中に私の好きな槙原もいた。

また次の日、私がノートを配っていて、たまたまそれが三矢のだった。

普通に机に置いてやったのに、あの嫌そうな顔。

そしてまた私を見て笑うんだ。

グループで。




三矢が汚い目で見た人間は、私だけじゃなかった。

私の親友、安曇。

それとグループの紫苑、奈美。

私と仲のいい女子。


おかげで奈美は怒って私に近ずかなくなったが。

奈美と紫苑はセットだから、紫苑も消えた。


誰が誰を好きになるのは自由なのに。

そういうの一人一人の権利って習わなかったか?


三矢は私の好きな人も友達も奪った。





うざかった。

___________

「ごめん」

安曇が謝った。

さっきから沈黙が続いていた。

安曇だけだよ、私と一緒にいてくれるのは。


「ううん、全然平気。」


私と安曇は下校通路が一緒なので、一緒に帰る。

歩いている途中、

「ね、ね、あれ見てよ」

安曇が私の肩をたたく。

安曇の指先に視線を向けると、そこには小宮山瑞乃が居た。

小宮山は、非常に地味な人間。

友達できないのも納得だ。


「なに?」

私が聞く。

「一人でノート見て笑ってる・・・。暗っ!」

何か分厚いリングノートを見て、くすくす笑っていた。


小宮山の横を通る時。

「ごい。。。すごっ・・・。」

何か言っていた。

すごい?


「キモイ」

安曇が言った。

「安曇、人の事言っちゃだめ。」

私は注意した。









でも、本当にちょっと引く。


なんだ、あれは。

Re: 消 えて い   く    ( No.7 )
日時: 2009/12/28 19:53
名前: 貴羅 ◆7KR.e180t. (ID: tVCgD/M1)

や、ヤッタァァァァァ!!続きが見れたぞ♪♪
三矢、酷いwwwwそれ嫌われるのは当たり前だろっ!ってか、そんなんなら死ぬのも分かる気がする・・・なんて、ウソですウソッ((笑

予想ですけどwww小宮山s、見るからに怪しそうな感じだけど、実はその殺人(?)を止めるためのヒーローだった・・・!な、わけないですよね〜((殴

スイマセン、勝手にそんなことを考えてしまいました←

更新頑張って下さい★*☆

Re: 消 えて い   く    ( No.8 )
日時: 2009/12/30 13:24
名前: 西の魔女 (ID: MoBT/TTN)

コメント毎度ありがとうございます!

小宮山ヒーローw

続きをおたのしみにww

Re: 消 えて い   く    ( No.9 )
日時: 2009/12/30 13:51
名前: 西の魔女 (ID: MoBT/TTN)

第四話 「三人目の犠牲者」

結局どうなったのだろう。

三矢の足首より、上は。

いや、私はそんなことより森次なんだ。

多少、責任を感じている。

私は気付けたはずなのに。

でも、まあ怖くなってさき帰ったとか、保健室とか、そうであってほしい。


そう思いながら、私は眠った。


次の日、学校は閉鎖などにならず普通の登校だった。

いつもの場所で、安曇と登校する。

「おはよー」

「はよ。」

私は力なしに返事。

「学校、あるんだね。」

「・・・うん。」

不安そうな顔の安曇。

「あ!」

安曇が誰かを見つけた。

「笹井じゃん!」

安曇はそう言いたまたま登校中あった笹井に寄ってった。

「怖いよねー」

「・・・」

笹井は黙っていた。

沈黙。

私と安曇と笹井、三人で歩く。




「電話・・・」


笹井が口を開いた。

「え?」


「来た?」


「何?」


「電話、昨日の夜来た?」


「え?電話?」


笹井の言った意味がよくわからなく、私と安曇は顔を見合わせた。


「電話、昨日の夜、つっちーん家から・・・」

つっちーとは、土田君のあだ名だ。

「つっちーの家から電話?」

「うん。」

「来てないよ、ねぇ。」

安曇に振られた。

「あ、うん。」

とっさに答えた私。

「そっか・・・」

笹井はうつむいた。

「なに、何?どうしたの?」

安曇が聞いた。






「帰って来てないみたいで・・・」







「え?」






「つっちー、学校終わってから家に帰ってないみたいで」




「うそ」


嫌な予感がしたのは、私だけじゃないはず。

「つっちーの母さんから、俺の家につっちー居ないかって。」





「つっちーまで・・・?」


安曇が表情を曇らせた。


「で、でも電話したの俺の家だけじゃないと思うし、ほかの奴の家につっちー居たかも。」


笹井が頑張って不安を消している。


けれど、望みが薄いのが私たちにはわかっていた。


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