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- 暁の歌
- 日時: 2010/01/04 17:01
- 名前: 双葉 (ID: qJ0dFxMT)
「暁の歌」設定
越智梓
聖鈴学園高校夜間クラスに通う少年。
その正体は、トップクラスのヴァンパイア。
川瀬美央
聖鈴学園平日クラスに通う少女。
バイト帰り、男たちに絡まれていたところを梓に助けられる。
それから、梓を意識するようになる。
太田葉月
梓と同じ夜間クラスに通う少年。
クラスのリーダー的存在。
谷本真澄
梓の元婚約者。
長く生きることに疲れ、自害する。
山本茉莉
美央の親友。
この物語はフィクションです。
実際の人物・団体名とは、一切関係ありません。
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- Re: 暁の歌 ( No.1 )
- 日時: 2010/01/04 17:15
- 名前: 双葉 (ID: qJ0dFxMT)
私のミスで、同じスレッド(出会いの歌)を二つ作ってしまいました。
混乱するといけないので、皆様のコメント及び小説投稿はこの「暁の歌」で開始します。
本当にごめんなさい。
小説は明日から掲載開始予定です。
- 暁の歌 第一夜 Story1 ( No.2 )
- 日時: 2010/01/05 11:05
- 名前: 双葉 (ID: qJ0dFxMT)
「お譲さん。どこ行くの?」
「よかったら、送っていくよ」
漆黒の髪。
意志の強さを覗かせた濃紺の瞳。
バイト帰りの少女——川瀬美央は、男たちに絡まれていた。
——気持ち悪いっ。
美央は腕をつかんでいる男の足を、ローファーで踏みつけた。
動きに合わせて、ポニーテールの髪が揺れる。
腕をつかんでいた男の手が、はずれる。
「このアマっ……調子づきやがって」
——殴られるっ。
美央は振り上げられた手に、目を閉じた。
だが、いつまでたっても頬に衝撃が来ることはなかった。
表情をこわばらせたまま——閉じていた目を開ける。
聖鈴学園高校・夜間クラスの制服を着た少年が、男の腕を捻(ひね)り上げていた。
「いい歳をした大人が、未成年に手をだすとは情けないですね」
少年はにっこりと、笑った。
笑顔を作っているが、瞳は笑っていない。
——もう一度、社会人としての常識(マナー)を、勉強してみたらどうですか?
音声にだしていないものの——微笑んでいる少年から、心の声が聞こえてきそうだった。
——覚えていやがれ。
——いい気になるなよっ……子供(ガキ)がっ。
お決まりの台詞を吐いて、男たちが走り去っていく。
美央は助けてくれた少年と、視線があった。
- Story1(2) ( No.3 )
- 日時: 2010/01/05 11:10
- 名前: 双葉 (ID: qJ0dFxMT)
「怪我はないか?」
「平気よ」
「威勢がいいのは結構だけど、危ないな」
「あなた、聖鈴の夜間(レイト)クラス?」
「——ああ」
「私は川瀬美央。平日(ノーマル)クラスの生徒よ」
——あなたは?
「梓(あずさ)。越智梓」
制服のデザインも平日クラスとは、別だった。
夜間クラスの制服を着るだけで、随分——大人びて見えた。
昼と夜。
授業の時間帯が、違うせいもあるのだろう。
同じ高校といっても、平日クラスと夜間クラスに接点はなかった。
校舎も離れた場所にあった。
まるで、世間から隔離されているかのようで。
遠い場所にいるみたいで——。
ここから先には——立ち入るなと。
近寄るなと、警告されているかのようだった。
聖鈴学園高校の中で、夜間クラスは完全に孤立していた。
実際、夜間クラスの生徒と会うのは初めてだった。
こうして、話をするのも。
顔を見合わせるのも。
- Story1(3) ( No.4 )
- 日時: 2010/01/05 11:11
- 名前: 双葉 (ID: qJ0dFxMT)
——夜間クラスも平日クラスの生徒と、変わらないのね。
恐いことなんて、ないじゃない。
——夜間クラスには、関わるな。
くだらない噂なんて、信じることはないと。
夜間クラスを、嫌う理由(わけ)などないと。
——夜間クラスと平日クラスが、仲良くなるいい機会(チャンス)だよね。
頑張ろう。
美央は肩の力を、抜いた。
越智梓と名乗った少年は「闇」が、似合っているような気がした。
美央は彼がもつ独特の雰囲気に、引き込まれていった。
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