ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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個性的なソーサリス達☆第十話更新☆
日時: 2010/04/12 06:42
名前: ヨシュアさん ◆FdjQaNCWZs (ID: bQobMYPz)
参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_m/view.html?372935

クリックありがとうございます!

どうも、ヨシュアさんと申します。

今回は魔法ファンタジーなわけですが、他の著者さんも心配しているはずの、”ちゃんと完結まで導けるか”がものすごく心配ですww

まぁ、とにかく頑張るのでよろしくお願いしますw
後、感想が欲しいです。

るーる
そのいち 嵐の中で輝くのは構わないけど荒しはダメ、ゼッタイ
そのⅡ  天使の翼が生えたようなロボットに乗ったっ少年が「お前を殺す」とか普通         に言うけど悪口ダメ、ゼッタイ
そのトロワ  ガンプラ好きの少女が出てくる。

>>1 プロローグ
>>2 第一話『ロッカー+美少女=謎』
>>4 第二話『美少女×バズーカ=危険』
>>5 第三話『美少女×4人=天国?』
>>7 第四話『熟睡状態+レモン×タバスコ×マンドレイク=死にます』
>>9 第五話『記憶×美少女×ロッカー=思い出す』
>>10 第六話『ジャンプ+13日ルール=パシリ』
>>11 第七話『全速力+大群×怨み辛み=逃げろ!!』
>>12 第八話『死音+ルメナ+エミル=運命共同体』
>>13 第九話『壁+タイミング+風見鶏=引っかかる』
>>14 第十話『恋とジャンプとライバルと』

蒼嘉さんに書いてもらった素晴らしいエミル君の絵が参照で御覧になれます。

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Re: エミルのロッカー ( No.10 )
日時: 2010/01/31 06:50
名前: ヨシュアさん ◆FdjQaNCWZs (ID: bQobMYPz)

第六話『ジャンプ+13日ルール=パシリ』

一通り紹介を終えた。

さて、ともかく……。まだ、もうひとつ聞かなきゃいけないことがあるのだけど……。

「あのー……」

「うん、そうですね。そうしましょう」

「まっ、大丈夫だろ」

何を相談しているのだろうか。

数分後。結論に到ったのか、ツインテールの叶宮 流衣がに近寄ってきた。申し訳なさそうな顔をして近づいてくる。いや……だから、その左手に持つ液体をこっちに近づけないで……。

「いや〜……。あの時はごめんね。でさ、お詫びというわけでね……。あんたがあたしたちのアトリエに入るってのはどうかな?」

こんな、美少女ばっかりのアトリエに入れるなら、男としては嬉しいわけだが……。

「あの……僕、男なんですけど……。ここソーサリスのアトリエなんですよね?」

イフィルが“へらへら”と笑って答える。

「ああ、大丈夫。大丈夫。また、ここを合同アトリエに戻せばいいだけだし。それにあんたみたいな、弱気で、病的で、どうにもこうにも力でも女子に勝てないあんたなら全然OKだよ!」

何ていうか男としての尊厳が遠まわしで僕に無いと言われてる気がする……。

うん、しかも“○○○そう”とか“○○○っぽい”じゃなくて全部を確定で言ってるところがさらに酷い気がする……。

というより僕は病的じゃない。風邪だってここ12年はひいたことが無いのに……。

「というわけで、君にはこのアトリエのメンバーになるために試練を受けてもらいます」

金髪のジュリアがそう言う。って、あれ?

「あの〜……僕……お詫びとして入れてもらえるんじゃあ……。」

ジュリアは財布を取り出すと、小銭がぶつかり合う良い金属音が聞こえる。

「あれとそれとこれは別です。それでは試練として、ジャンプを買ってきてください」

怖い笑顔というものを初めて僕は体感した……。

ジュリアからお金が手渡される。

「あ、私13日ルールで13日以内に新刊のジャンプを読まないと死んじゃうので、は・や・め・に持ってきてくださいね」

「いや、それ嘘のルールですよね!?あれがあったからこそキラは生き延びれましたけど!」

笑顔だ……。超絶な笑顔です……。最高に笑顔でございます……。

「早く言って来い……」

「はい……」

“バタン”とアトリエの扉が閉まる。エミルという少年は試練という名のパシリに向かったのだった。

もう閉まった扉に向かって、イフィルが言う。

「可哀想に……。これからジュリアのパシリとして使われるのか……」

その横で流衣が続ける。

「う〜ん、じゃあ私のガンプラのペイントの色も買ってきてもらっていいよね」

ジュリアはリーダー代理の立派すぎるイスに深く座った。

「あっ、ジャンプSQもいっしょに頼むの忘れてました。……まっ、いいか」

リフィスはさっきまで彼が目に当てていたタオルをそっと手に取る。

「みんな……」

全員がリフィスのほうを見る。

「私……好きな人が出来たかもしれません……」

全員が驚いた。リフィスが男性に興味を持つなど。とりあえずルシファーがヴァルキュリアに告白するレベルの驚きだ。

「ねぇ!リフィス、それって……誰!?」

全員がリフィスに詰め寄る。

「多分、今。全速力で走ってると思います……」

Re: エミルのロッカー ( No.11 )
日時: 2010/02/03 06:37
名前: ヨシュアさん ◆FdjQaNCWZs (ID: bQobMYPz)

第七話『全速力+大群×怨み辛み=逃げろ!!』

僕は今、学園から出て、一番近くの書店までのほぼ直進800メートルの坂を全速力で走っていた。90度とは言わないが、かなり急な坂だ。この坂が自分の走りに拍車をかけている。多分、ジャンプしたら、どごぞの少女のようにものすごいジャンプを披露出来るかもしれないが、多分タイムリープして未来の真っ白な病室に居るだろう。

ていうか、そんなつまらない冗談を言ってる場合じゃない……!

僕は今、死ぬか生きるかの瀬戸際を走っているんだ……!!

大量の男子生徒たちが怒号の声を上げて、まるで山から集団で下りてきたイノシシの勢いで僕を追っていた。

うん、止まったらとりあえず、ブラッディ・カーニバル……。血祭りに上げられるのは目に見えている。

さて、こうなった理由をきっちり説明しよう。

理由その1
僕がソーサリスのアトリエに居たことだ。

そうだ女性専用の場に男が居るのはおかしい。追い出されるのが一般的である。だけども僕は自分の意思でなく、彼女らから許されて連れて来られたのだ。他の男子から見ればエデンに誘ってくれる天使が舞い降りたと言ってもいい。

理由その2
彼女たちはただの少女ではない。これが一番重要である。

ただの少女ならば、ここまで大事になることは無かったかもしれない。ただ、彼女たちは美少女であり、少女というそれだけで十分魅力的な言葉の前に、“美”という世界の人間すべてが追い求めるものがある。例え自分は世の中で一番醜いものになるという“それ”もまた本人にとって“美”であり、“美”を追い求めない者は居ない。アート然り……。料理然り……。しかも、彼女たちの“美”はただの“美”じゃない。それも五つ星級の“美”なわけで……。

理由その1とその2を見れば、怒りを覚える男子の気持ちが分からないでもない。だけど……、命の危険を肌で感じる僕は止まるわけにはいかないんだぁぁぁぁぁ……!!

不意に目の前に人影が見える。

僕のクラスメイトのルメナ・フォーミラさんだ。青く長い髪を後ろで束ねた姿が目立つのですぐわかる。

気が強いけど、優しくてクラスでの数少ない友人の一人だ。

ルメナさんとは昔からの知り合いみたいなもので、以前にルメナさんの友達に紹介してもらう際に、幼馴染という紹介をしてもらったことがある。

いや……だけど、幼馴染と紹介されるぐらい、そこまで長い付き合いだったけ?

僕は少し首を傾げた。
彼女も“あれ?”と言った顔でこっちを見ている。

「エミ……ル……?」

「ルメナさん……!逃げてっーーーー!!」

Re: エミルのロッカー☆第七話更新☆ ( No.12 )
日時: 2010/02/04 06:53
名前: ヨシュアさん ◆FdjQaNCWZs (ID: bQobMYPz)

第八話『死音+ルメナ+エミル=運命共同体』

エミルの言葉に野生の勘が鋭くなったのか、ルメナさんも隣で、残り500m全力疾走に参加した。

「って、エミル!何で、こうなってるの!?」

エミルは今まで出したことが無いスピードで走りながら答える。

「カクカクシカジカなんです!!」

これでわかっちゃうもんなんです。

「えぇ!!!ア、アトリエ!?そ、そ、そんな……」

ルメナさん……。何かすごく落ち込んでるように見える……。

「ア、アトリエなら、誘ってくれたなら私がいっしょに申請しても、良かったのに……」

ルメナさんの顔色が一気に悪くなってる。

もしかして、空いてるアトリエが無いのかな?だったら、今、僕が所属することになってる。あのアトリエに誘ってあげてもいいかもしれない。

「っていうか!何でその子はあんたのロッカーに入ってたの!?」

あっ、そういえば……。なんていうか赤髪の彼女の綺麗な顔を見ていたら、思い出さなきゃいけないところを忘れていた。

「いや……。まぁ……あはは」

坂は残り400m。書店はもう見えていた。その書店は大きな風見鶏がシンボルになっており、取り扱う本の幅が多いために利用者も、かなり多い。漫画から魔道書まであるので、学校から此処に向かう人間も後を絶たないのである。

とにかく、そこを目指してダッシュ!ダッシュ!

残り400mのところをまた、見知ってる人影が見えた。

まだ、春なのに口元が隠れる襟の黒いコートを着て、黒いデニムのジーンズを着ている。髪も黒いために全身黒ずくめになっている。
誰が見ても、二枚目の顔が体ごと後ろに向く。
炎をも凍てつかせる黒いの瞳がこっちを向いた。某忍者漫画のサスケのような、クールな立ち振る舞いに、近寄りがたいオーラが出ている。

彼の名は神夜 死音……。

そう、名前とその風貌通り。彼は……。

「うわーーー!!これって何なんですか!?マラソンなんですか!?エミル君!」

天才でもクールなキャラでもなかった……。

僕の親友である。こんな見た目をしてる彼だが、性格は反面、内気で、弱気で、人見知りで、女子にも力で負けちゃうような人であった……。決して見た目どおりの性格では無い。

趣味も料理、裁縫、編み物といった感じで、まぁ、それでも女子にはモテてはいるのだ。その……見た目と中身のギャップ差とかで……。

とまぁ、どうにもこうにも頼れない味方がまた付いた。

Re: エミルのロッカー☆第八話更新☆ ( No.13 )
日時: 2010/02/11 06:29
名前: ヨシュアさん ◆FdjQaNCWZs (ID: bQobMYPz)

第九話『壁+タイミング+風見鶏=引っかかる』

依然、怒りで興奮したオスのイノシシ達は僕らを追いかけていた。そんなことはどうでもいいことでも……ない。このまま突っ込めば、書店には牛祭りのコース内で営業してたんですか?とか言わないと見逃してはくれないだろう……。

止める方法といえば、一つ二つは思いつくのだが……。

手元に魔道書が無い……。あるのはジャンプ代の小銭……。

あれが無いと何も出来ない自分は非力すぎだ……。

「エ、エ、エミル君!あれを見てください!!」

死音君が指差す方向には一人の男が立っていた。

僕らが目指す書店の入り口から、まるで王様が城の置くから、
顔を出すかのように、霧崎 リュウガはそこに立っていた。

お世辞じゃ無くとも二枚目と言えるその顔、それを勿体無くしてるような寝癖をそのままにしたようなボサボサの髪と死んだ魚のようなやる気の無い目。手には何かの本が結構な量で入っている。

彼の目がこっちを向く。

男子生徒の大群と前を走る三人を見て何を思ったのか、後ろポケットから、一枚の紙を取り出す。

ちなみに僕達は書店まで、後100m。

後80……。50……。30……。

霧崎 リュウガは取り出した紙を地面に投げ置いた。その紙には丸と文字と線が入り乱れている魔法陣が書いてある。

とか言ってるうちに後10mだったりする……。

魔法陣が輝く。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

魔法陣の紙が燃えてなくなり、そこから壁が生えるように地面か
らそびえ立つ。

男子の大群は砂鉄が磁石にどんどん引っ付いていくように壁へ壁へと後ろから突撃している。きっと前の男子は潰れてミンチになってるだろう。後、お肉のミンチを使う料理ならやはるりハンバーグだ。

さて、エミルはというと……。

風見鶏の矢の部分に引っかかってたりする……。

「いやーー……。まさか、自分の足の下から壁が生えてくるなんて……」

そう、タイミング良く、壁はエミルの足が付いた瞬間に生えてきたのだった。

そのままエミルはジャンプして、今に至る。

「いやーー。良い景色……」

現実逃避してる場合か。

「ジャンプ……。買わなきゃな……」

下では、一度壁にぶつかった死音君とルメナさんが男子の大群からエミルを探してたりする。そして、ラノベを大量買いしたリュウガはエミルの居場所を知っていながらも教えない。いや、教える気が無い。

今日が平和なら、明日は超平和であってほしいと思うエミルであった。

Re: エミルのロッカー☆第九話更新☆ ( No.14 )
日時: 2010/04/12 06:35
名前: ヨシュアさん ◆FdjQaNCWZs (ID: bQobMYPz)

第十話『恋とジャンプとライバルと』

私は恋のライバルというものを知らなかった。

そんなもの少女マンガやドラマの中のものだと思っていた。

ただ……エミルがモテなかっただけかもしれないけど……。

だけど、知ってしまったのだ。ライバルのことを。
別にライバルと言っても、目の前にある少年月刊誌のことじゃない。あたしの真後ろ。月刊誌コーナーに背を向けた向こう。

いま……この書店の入り口に居るあの女の子。

長く美しい赤い髪を揺らしながら、エミルたちに近づいていく美少女。

この瞬間、あたしの第六感に“ビビビッ”と電波が流れる。

向こうも“それ”を感じたのか、途中で足を止め、こちらを見る。

万引き犯が横を走り抜けていき、店員(ルークスさん現在21歳)が「捕まえてくれ!」と叫んでいるが、そんなの関係ない。

今、あたしたちの視線の間には火花が飛び散っているのだ。

その火花はどんどん膨れ上がり、線香花火から、夏の夜に打ち上げられる菊先に変わり、その次に牡丹、最終的には花火としての温度が一番高い銀冠へと変貌した……。

それまでに恋のライバルというものは熱いものなのだ……!

「あ、今日創刊だった……。」

その名前も知らぬ、美少女はするりと攻撃的と思わせる銀蜂をも打ち出さんとするあたしの横を抜けて、ガンガン3月号を手にしていた。

「確か今月はハガレンのドラマCDが……」

そんなことを呟いて、再びあたしの横を通り抜ける。とにかくこっちのことなんて全然意識をしてない。そのまま少女はエミルとリュウガが居るレジへと小走りで走っていた。

「あれ〜…………?」

うん、どうやらライバルじゃなく……。別に講談社のライバルのことじゃないよ。

「勘……違い……?」

普通のお客だったらしい。

「あ、いたいた」

またも店の入り口に見知らぬ少女たちが立っていた。

後一人の緑のショートカットは犯人の首根っこを捕まえて入場している。


「お買い上げありがとうございます。またお越こしくださいませ」

店員(ルメラさん20歳)が礼儀正しく“ペコリ”と一礼してくる。美しさと可愛さを同時に持った笑顔の彼女を見て、癒される男子生徒は多く、この笑顔を目的に買いにくる男子生徒も多い。

まぁ、見た目も中身も本当に良い人なので、同じ職場のルークスさんが惚れないわけもなく、告白のタイミングをうかがっている。

といっても実はルメラさんも、ルークスさんのことを想っていて、両思いだったりする。二人が、寄り添うのも時間の問題であった。

「さて、アトリエに戻らなくちゃ……」

エミルはナイロン袋の中身を少し確認してから、そう呟く。

「エミル……」

突然隣りに居るリュウガ以外の人間から声を掛けられた。当然、料理本に夢中な死音くんでも無く、エミルはすぐにその方向に振り向く。

「ん……?誰だ」

振り向く先に居たのは……。

「あれ?リフィスさん……?どうしたんです?」

月刊少年ガンガンを両手で、抱えているリフィス・ティルミだった。


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