ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- バケモノ茶屋〜化狐〜
- 日時: 2010/01/22 18:56
- 名前: 鈴音 ◆eIWmcz6UAw (ID: EuYCLUIf)
〜ご挨拶〜
初めまして。鈴音と申します。
今回は、初めてこのカキコに投稿させていただきます。
シリアスとか、ダーク、というのとは少し違い、和風ファンタジー要素のほうが多いですが、迷いに迷った結果、此処に投稿させていただく決意となりました。
この小説の元は、ブログほ方で書いている、『バケモノ茶屋』が元となっていおります。
今回は、過去編の感覚で、『化狐』を書こうと思います。未熟者ですが、どうかよろしくお願いします。
〜人物〜
⇒茶屋:男
自らを『茶屋』と名乗る男。
夕凪町で『万茶屋』と言う、今で言う喫茶店のようなものを開いている。
⇒千代:女
名家、『長松家』の長女。
気が良く利きやさしい。町の子供たちともよく遊んでいた。が、ある日突然姿を消す。病弱。
⇒愛:女
千代の妹。
元気でお転婆女の子。姉の千代が大好き。
⇒野田:男
長松家の家臣。
なにかと茶屋につっかかる。
⇒志奈ノ(しなの):女
千代と愛の母親。
病弱で、昔に何かあったらしい。
⇒幸久:男
長松家の頭首。
志奈ノの体の具合を何時も心配している。
同時に娘も大好き。
⇒御隠居:男
長野家の御隠居様。
昔に何かあったらしい。
⇒化狐
黄昏時に現れる二匹の狐。
バケモノである。
〜その他省略〜
〜プロローグ〜
ススキがゆらゆらと風で揺れる。
そのススキに紛れる様にして、二匹の狐が黄昏時の空を見上げる。「こーんっ」と一声高く鳴き、町へ向かって、二匹は走り始めた。
このときから既に、事態は動き始めていた。
翌日、突然長松家の長女である、18ほどの美しい娘、『千代』が姿を消した・・・。
夕凪町で店をしている茶屋の耳にも、この話は通り、茶屋は長松家に向かった。
昔にあった出来事、
思い、恨み辛み、悲しみ、憎悪・・・。
其れ等の感情や絆・・・。
人とモノとの繋がりが、『バケモノ』を成す・・・。
-------------------
長々とすみませんでした。
楽しんで書かせていただく自己満足ですので、ご了承下さい。
1/22(金):鈴音
Page:1
- バケモノ茶屋〜化狐〜 ( No.1 )
- 日時: 2010/01/22 21:20
- 名前: 鈴音 ◆eIWmcz6UAw (ID: EuYCLUIf)
【一】
ざわざわと秋の少し冷たい風が木々を揺らす。
月が天高く上り、今が真夜中であることを告げている。
夕凪町は、夜の静けさに包まれていた。
そんな夕凪町の夜道を、一人進む青年が居た。
灰色に近い茶色の髪を、後ろで緩く結い、他の町人と変わらぬ格好で、ある一軒家の前に立った。
国中でも名の知れた名家。『長松家』だ。
齢18ほどの青年は、迷わず門をくぐる。
この家は、夜だと言うのになんとも騒がしかった。
話によると、長女で、もうすぐ松下家に嫁ぐはずだった千代が突然姿を消したらしいのだ。
「・・・・・・・・・・おや」
青年は、足元にすりついてくる猫の存在に気がついた。すっ、としゃがみ、猫の背や喉を撫でる。
ゴロゴロと気持ちよさそうに喉を鳴らす猫に、青年は微笑んだ。そしてまた立ち上がると、猫に手を「またね」とでも言うように降り、何か呟きながら、庭の勝手口へと回った。
横戸が開いていたため、勝手に中に入る。
青年は目を凝らし、闇の中を窺った。
ガタンッ、と物音貸し、ゆっくりとその方向を見る。
そこには、14歳ほどの少女が、部屋の隅でうずくまっていた。
「・・・・・・・・・何を、していらっしゃるのですか?」
「うわっ?!ビックリしたぁ〜・・・」
突然声を掛けられ、肩を大きく揺らした少女だったが、青年の姿を見て、ほっとしたように息を吐いた。
「たしか・・・、貴女様は・・・」
「私は長松愛。今隠れてるの」
「だから少し静かにしてね!」と人差し指を立てて、「しぃー」とやる。
青年は、「了承しました」と微笑むと、腰を下ろした。
「何故・・・、こんなところに隠れて?」
コソッと小声で言う。
愛は、うーん・・・と少々考え込んでから、はっとした。
「其れはこっちの台詞よ。何故貴方の様な町人が此処にいるの?」
不思議そうに愛は青年に問う。
青年は、「いや、ね・・・」と、何か誤魔化すように笑った。
「それより・・・、千代様が、行方知れずだそうで」
「・・・・・・・・そうなの。だから御家中ギスギスした雰囲気で・・・。私苦手なのよね〜・・・」
少し悲しそうな顔をした後、愛は、はぁ〜・・・。と、深い溜息を吐く。
「なるほど・・・、だからこのような人目につかぬ場所へ・・・」
「うん」と愛は頷く。
青年が、「確かに、そのような雰囲気の場では寛げませんね・・・」と、同意する。
其のとき、廊下からバタバタという音がして、ガラッと戸が開く。
「愛様ーーっっ!!」
「ゲェッ?!野田・・・っ!!」
「おや・・・」
大体、30歳程だろうか。
家臣と見られる野田と呼ばれた男が顔を真っ赤にして立っていた。
愛が、明らかに「見つかった!」と言う顔をする。
野田と呼ばれた男は、青年を見た瞬間、顔をしかめた。
「愛様。こやつは何者ですかっ」
「え・・・、えーとぉ・・・」
ビシッと野田が青年に指を差す。
愛は、何も無い天上を気まずそうに見上げ、ポリポリと頬を搔いた。
しかし、青年はにっこりと笑い、野田と言う男に言った。
「いや、町で茶屋をしている者でしてね・・・。少々、宣伝でもしようかと・・・」
とんでもない嘘を言う青年。
それでも尚、口元は笑っている。
野田は完全に、青年を怪しい者と決め、「曲者かっ!」と言って、剣を抜いた。
愛は、「あぁっ!野田、駄目っ!」と、野田を静止させる。
野田は、眉に皺を寄せたまま、剣を鞘へと収めた。
そして、青年をキッと睨んでから、愛の手を引き、「お部屋にお戻りになられて下さい」と、愛を連れて行った。
愛が連行されるのを、青年は楽しそうにクスクス笑いながら見ていた。
---------------
はい、駄文と長文すみませんでした。
一が終了しました。
時代などは大して決めておりません。
ご自身でお考えである、歴史でお楽しみ頂けると、
幸いです。
1/22(金) 鈴音
- バケモノ茶屋〜化狐〜 ( No.2 )
- 日時: 2010/01/22 22:46
- 名前: 鈴音 ◆eIWmcz6UAw (ID: EuYCLUIf)
【二】
愛が部屋に戻った後、青年は縄で縛られ、大広間につれてこられた。
大広間には、一番奥に御隠居様。
その御隠居様の前に、今頭首夫婦が座っていた。
そして横には、家臣。
「別に、怪しい者では・・・、無いんですけど」
「黙れっ!誰の許し無しに屋敷に入った時点で怪しいっ!!」
野田が、青年を指差す。
野田の隣に座っていた家臣の一人であろう男が、まぁまぁと、野田を押さえた。
「まさか、千代様を攫ったのもお前では無かろうな!!」
「まさか。何か此方に利が在る訳でもありませんし・・・。そのような真似は、しませんよ」
少々困ったように青年は笑った。
野田は顔を真っ赤にして、イラつきと怒りが見え隠れしていた。
「まぁ、座れ野田・・・」
「はっ、御隠居様」
白髭を蓄えた、70歳ほどの老人が言う。
野田は、大人しくその場に座った。
「さて、主も知ってのとおり、今この屋敷は大変不安定な状況じゃ・・・。千代が行方知れずになり、もう七日が過ぎる・・・。皆が神経質に成るのは、仕方の無いこと。分かってくれるな?」
御隠居が言う。
青年は、「はい」と答えた。
御隠居は、うむ・・・、と頷くと、黙り込んだ。
「・・・・ところで・・・、千代様が行方知れずになる前・・・。何か、ありませんでしたか・・・?」
青年が、静かに唇を動かした。
野田が、「そんなこと聞いてどうするのだ」と、青年に言った。
青年は、かすかに笑い、「退治するために・・・、必要なんですよ・・・」と言った。
頭首である幸久が、「何の退治だ・・・?」と問う。
「バケモノ・・・、退治ですよ・・・」
青年が言うと、辺りが静まり返り、羽虫の鳴き声だけになる。
しばらく沈黙が続く。その沈黙を破ったのは、野田だった。
「バケモノ・・・だと?何馬鹿なことを言っている!!
こちらはそれどころでは無いのだぞ?!そもそもどこにそんな証拠が・・・」
野田が怒鳴り散らすのを無視し、青年は、クイッと顎を一本の柱の方へと向ける。
其処には、いつの間にか一本の剣が立てかけてあった。
「アレ・・・、ですけど」
「な"っ・・・・?!」
野田が目を見開き、剣を見つめる。
下働きの男が、その剣を野田に持って来た。
「ふんっ、唯の剣ではないかっ!」
スラッと刀身を鞘から抜く。
切れ味のよさそうな刃が、キラッと光る。
青年は、「はい、今は唯の刀です」と答えた。
「今はだぁ?」
「はい・・・。其の刀・・・。少々厄介な刀でしてね。
バケモノの形を見なくては、本来の力を発揮しないのですよ・・・。それと心理、あとは時間帯です」
青年は、剣の力を引き出すには条件がいると言った。
野田は、「どうせ嘘であろう」と言ったが、青年は顔色一つ変えずに、話を続けた。
「バケモノを成すのは、そのモノとの繋がり。
其れは憎しみであれ、怨念であれ、強い恋心であれ、絆であれ、バケモノを生み出すモノと成る」
頭首夫婦の、妻である、志奈ノが、小刻みに震えだす。御隠居も、目を見開いていた。
「どうやら・・・、思い当たる節が在るようですので・・・。もしかしたら、と思いましてね・・・」
そんな様子の二人を青年は見逃さず、じっ、と紫水晶の瞳で、二人を見つめた。
「お話・・・、お聞かせ願いたく・・・」
青年は、ニヤッと笑った。
辺りはしん・・・と静まり返り、青年のペースに持っていかれたようだった。
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連続更新すみません。
青年青年言っていますが、別に名前が無い訳じゃ・・・無いんですよ・・・。はい・・・。明かす気は御座いませんが・・・←
- バケモノ茶屋〜化狐〜 ( No.3 )
- 日時: 2010/01/23 11:22
- 名前: 鈴音 ◆eIWmcz6UAw (ID: EuYCLUIf)
【三】
静けさを消したのは、野田の「まだ言うか・・・っ!」と言う、先程までの気迫が少々抜けたような声だった。
「バケモノ・・・などというモノが居る訳・・・」
「野田・・・、やめんか・・・」
「御隠居様・・・」
御隠居がふっ、と目を閉じる。
青年が、「昔のことを、お聞かせ下さい」とご隠居に言った。御隠居は、志奈ノのほうに、訳有り気な視線を送った。
志奈ノは、少々顔を不安の色に染めたが、コクリと頷いた。それを確認した御隠居は、青年のほうを向いて、語り始めた。
——
それは、ある秋の黄昏のことじゃった・・・。
わしと志奈ノは、狐を狩りに出かけたのじゃ。
その日は、志奈ノの容態も良くてな。行きたいと言ったものだから、仕方なく連れて行った。
狐を狩ろうとしたのは、其の当時、この町では狐、による畑荒らしや、食物が盗まれると言うことが、しょっちゅうあった。遂に、この屋敷にまで入り込んだので、狩りに行くことにしたのじゃ。
山に入り、奥に進むと、二匹の子狐がおった。
わしが猟銃を構えると、二人の子供がおってな・・・。
前に立ちはだかったのじゃ。退けと言っても聞かぬものだから、当時のわしはその子供を撃ってしまった・・・。狐も、其の後仕留めた・・・。もちろん、子供も狐も即死じゃったよ。わしは、今だからこそ、この様にしておるが、当時は我ながら・・・、酷い奴じゃったよ・・・。子供を・・・、撃つなんて・・・。
——
話し終えた御隠居の顔は、後悔の色が出ていた。
志奈ノは、俯き泣いている様だった。
流石に、野田も黙り込み、額に汗をかいている。
しばらくの沈黙・・・。
しかし、何処からともなく、キャッキャと言う子供が遊ぶような声と、廊下を走るような足音が聞こえた。
志奈ノが目を見開き、ガタガタと震える。
そしてひたすら、「ゴメンナサイ」を狂ったように繰り返した。
御隠居は、諦めた様な顔になり、他の使用人たちはザワザワと騒ぎ始めた。
『何処かな?何処かな?』
『私たちを撃った憎き奴は』
『何処かな?何処かな?』
クスクスと言う笑い声と、歌うように言う。
それに反応したかのように、青年はスッと立ち上がり、バッと縄を解いた。
野田が、「なっ、貴様・・・っ」と言ったが、お構い無しに、青年は何処に忍ばせておいたのか知らないが、札を取り出した。
「お聞かせ・・・、有難う御座いました・・・。
どうやら・・・」
青年は、バッと札を飛ばし、襖や柱に勢い良く付けて行く。
子供の憎しみと、狐の恨み。
其の二つが交じり合い、溶け合い、バケモノを成した。
青年は、タッタッタ、と奥の部屋にも進み、札を貼って行く。其の光景を、長松家の一同は、見つめることしかしなかった。
「ちと・・・、厄介なようです」
青年が言うと、一斉に張った札が紅く光り始めた。
---------------
どうも、迫力在るシーンというのが文でも絵でも表現できません。
駄文ですが、お付き合いお願いします。
1/23(土):鈴音
- バケモノ茶屋〜化狐〜 ( No.4 )
- 日時: 2010/01/23 22:51
- 名前: 鈴音 ◆eIWmcz6UAw (ID: EuYCLUIf)
【四】
札が一斉に紅く光りだしたものだから、その場に居た青年以外の全員は、驚き、もう何がなんだか分からないような状況だった。
「愛・・・。」
「え・・・?」
青年が、野田に言う。
「愛の部屋は何処ですか」
「なっ、貴様・・・、愛様を呼び捨てにするなっ」
「うっさいですね。愛は何処ですか?危険だ・・・」
すっ、と襖に手をかける。
野田は、「まてっ」と言って青年を止めた。
「俺もついていくぞ。逃げられたらたまったもんじゃないからな」
野田が青年の肩を掴む。青年は、その手を払い除け、
低い声で「出るな」と言った。
「ありがたいですが、足手纏いです。
絶対に・・・、この部屋から出るな・・・。誰一人・・・だ」
すっ、と青年は、剣がおいてある方向へ手を向ける。
すると、剣はすぅと浮き上がり、勢い良く青年の手元へと飛んでいった。
柄部分に付いている鈴が、チリンと音を立てる。
「出たら・・・、死にますから・・・ね」
ガラッと青年は襖を開けた。
其のとき見えた外の光景は、異様なものだった。
「なっ・・・、もう夜中のはずなのに・・・」
辺りは、夕日が沈みそうで沈まない、黄昏の空だった。
「すぐ戻ります。札にも触れずに、大人しく待っていてください。愛は、責任持ってお連れします」
そういうと、青年はその異様な外へと足を踏み出した。
タタタと廊下を走り、角を曲がる。
襖をかたっぱしから空けて行き、愛を探す。
一番隅の部屋の襖を開けると、愛が布団に入って眠っていた。
青年は、寝ている愛を抱え上げ、また廊下を走る。
角を曲がり、あと少しで大広間と言うところで、二匹の狐が廊下を歩いていた。
青年が、軽く舌打ちをする。
すると、狐の姿は、面を付けた二人の子供の姿に変化した。
子供は、青年のほうを見つめ、ニッと口を吊り上げた。
ハッ、と青年が目を見開く。
目の前には、二人の子供がクスクス笑って詰め寄っていた。
『『あーそーぼ』』
「っ・・・」
バッと距離を置き、一気に走り抜ける。
急いで大広間に戻り、愛を野田に放り投げる。
野田が、「とわぁ?!・・・貴様っ、人を投げるな!!」と言ったが、今はそれどころではなかった。
『あははっ、どうやら此処みたいだね』
『うんうん。じゃぁ』
『『いこぉか』』
子供の無邪気で恐ろしい声が、部屋中にこだまする。
「来ますか・・・。結っっ!!!!」
青年が唱えると、札がジュッと音を立て、一気に発動し始めた。
「奥へ逃げろ!!」
部屋中の結界一部屋ずつ発動させ、襖を閉めて行く。
愛も流石に目を覚まし、驚いたように目を見開く。
そんな愛の手を、野田が引っつかみ、「奥へっ」と愛を連れて行った。
流石の野田でも、此処まできたら、もう存在を認めざるを得ない。
奥の部屋まで結界が張れた所で、奥の部屋からバンッという音がした。
「チッ・・・。早速一つ破られた・・・」
青年が顔をしかめる。
其のとき、志奈ノが突然「ヒギャアアアアアァァァァァァッッ」と叫び始めた。
一斉に、視線が志奈ノに集まる。
「お、お母様・・・?」
愛が不安そうに志奈ノに歩み寄る。
しかし、志奈ノは狂ったように叫び続ける。
そんなことになっているときでも、バケモノは容赦なく結界を破っていく。
後、三部屋・・・、二部屋・・・・・・。
「クッ・・・・・・」
破られていく結界の速さに、青年は眉間に皺を寄せる。
「まだ・・・、行けるぞ・・・」
そんな様子を見た御隠居が、一枚の畳を剥がした。
その下には、階段があり、地下室になっていた。
一同は、少々安心したように肩をおろした。
しかし、
ドンッ!
「っ・・・、早く下へ!!!」
襖が大きく波打つ。
バケモノが此処の結界を破ろうとしているのだ。
しかし、志奈ノは叫んだまま・・・。
「お母様っ!早く!!」
「うああああぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁあぁぁぁあぁっっ」
愛が呼びかけても、応じない。
青年は、愛に言った。
「志奈ノ様は置いて行けっ!!犠牲が一人ならましなほうだっ!!早く下へっ・・・っぅ・・・」
バンッ!!と勢い良く襖が鳴る。
「っ・・・・・限・・・界・・・・・か・・・っ・・・」
畳みの上で踏ん張っている青年の手からは、血が流れ始めた。
ギリッと歯を食いしばり耐える。
しかし、バケモノの力は、気のせいかだんだん強くなっている気がした。
そして、
バンッッ!!!
「く・・・っそ・・・・!!」
遂に、襖が破られた。
其処には、怒りと憎しみの色で眼を染めた巨大な狐が、此方を睨んでいた。
「しかし・・・、姿を得れましたが・・・っね!!」
バッ、と狐に札をまきつける。
「爆っっ!!!」
『クウ"ア"アア"アアア"』
バンバンッ、と札が爆発する。
狐は苦しそうにもがいた。
其のうちに、青年は剣を抜き、構える。
姿、時間、心理・・・。
「お前の心理は・・・・」
【ただ守りたかった】
小さな二つの命を・・・。小さな子供が、自分たちより小さな命を守ろうとした・・・。
そんな、優しさから生まれた憎しみ。悲しみ・・・。
「だけなのだろうな・・・」
ゴウゥッと風巻き起こり、青年を包む。
狐は驚いたように後ずさった。
風が完全にやむと、其処には、先程の服とは違い、狩衣を纏った青年が居た。
「え・・・・・・」
愛が驚いたような声を上げる。
一同は、その様子を見てポカンとしていた。
しかし、青年は周りの反応になど眼もくれず、チャッと剣を構え、そして薄く笑った。
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ああああああああああぁぁぁぁぁorz
上手く書けない・・・・・orz
狐の鳴き声が今一、よく分かりません・・・(・ω・`)
1/23(土):鈴音
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